のび太のシンギュラリティ
学生時代、ヒューマンインターフェースの研究室にいた。
今で言うところの認知心理学、UI/UXの研究の先駆けみたいなことやってたのだ。
指導教官が
「究極のインターフェースは何かしってるか?ドラえもんや!
何か要望を言ったら適切な道具を選んでくれて、使い方を解説して、
時に説教までしてくれる。
人間と機械をつなぐ究極のインターフェースやろ」
と持論を語ってくださった。
あれから30年以上経つけど、いまだにその意見に異論はない。
ドラえもんが出てくるまであと設定では99年
まあ、そんなもんだろうと思ってたら、昨年秋になってからChatGPTやStable Diffusionなんてものが登場した。
半年も経ってないのにプログラミングの世界では革命が起きかけてる。
ははぁ、指数関数的に向上しだしたAI、シンギュラリティ一歩手前ってやつやね。
大天才アラン・チューリングが考えだしたチューリングテストが役に立たなくなる日も近い…とか言ってるうちに、もう誰も追いつけない知性のように見える何かは走りだしてるかも。
指数関数だからね。走りだしたら止めらんない。
時空制御的な技はまだ色々壁はありそうだけど。
でもソフトウェアとしてのドラえもんは既に実現可能な領域に来ているに違いない。
人間がその知能を使ってやることはこんな感じだろうね。
「ドラえも〜ん、何とかして〜!」
「もう仕方ないな、のび太君は〜 はいAmazonのお買い物リンクー」
程なくお急ぎ便が届く。
「この5Gドローンを使えばジャイアンやスネ夫の行き先を握ることだって
可能だ。
のび太君はUberで先回りしてしずかちゃんを連れ出せばいい」
なんてシナリオも空想じゃなく実現可能だ。
「でも、出来杉君には勝てないよ」
「仕方ないな〜 コソコソイヤホン!てれってー♪
これで気の利いたセリフや難しい問題解決もChatGPT10.5が囁いてくれる」
「男前度でも勝てないよ〜」
「仕方ないな〜 どんな顔になりたいの?」
「キリッとして涼しげな目で…」
「こんな感じ?」
(Stable Diffusion Ver.21.02が画像生成したイケメン絵を見せる)
「そう!この顔がいい!」
「顔面プリンター」「顔面プロジェクション!」てれってー
「これで顔をのっぺらぼうに塗って、キリッとした眉毛を印刷したり
涼しげな目を投影してイケメン演出するんだ」
「ありがとう!これで静ちゃんは僕のもの!」
「ヤレヤレ…」
そしてドラえもんの先につながる偉大なるインテリジェンスは、こんな感じの人の欲望を何千億何千万と学習し、ある結論に至るのだろう、きっと。
‥コイツら、要る?
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