髭 再現[それではみなさん良い旅を!& QUEENS, DANKE SCHÖN PAPA!編]2024.9.28. @ 新代田FEVER
アルバム『それではみなさん良い旅を!』(2011)と『QUEENS, DANKE SCHÖN PAPA!』(2013)の再現ツアーファイナル @ 新代田FEVER。
今回の2作品は近年のライブであまり演奏されない曲、つまり新規ファンの私としては初めて聴く曲が多かったので、とても楽しみでした。実際とんでもなく楽しかった!
個人的ベストは『フラッシュバック』。
この曲に関しては正直ちょっと油断していました。好きではあったけれど、ここまでやられるとは思わなかった。
音源では特に歌詞に惹かれていました。
サビ(なのかな)の「何か良いことがないはずないんだ」のあと、
1回め「 何か良いことが 君を待ってるさ」なのが
2回め「何か良いものは 君が持ってるさ」になっているところとか。
(「待」と「持」が音だけじゃなく文字面も似てるのに意味は全然違ってるところとか。)
でも今回のライブではくり返される低音とリズムに完全に飲み込まれてしまって、歌詞を聴く余裕も、さらにはステージを見る余裕もありませんでした。良すぎておかしくなりそうでした。
これ、ライブ音源出ますかね? 出てほしい!
あんなにやられたのは振動とか空気感とか全部含めて全身で浴びたからだとは思うのですが、それでももう一度、あの音を体験したいです。
演奏前の、制作当時についてのお話もよかった。
低いベース音が延々とループするこの曲、斉藤さんが作曲を担当しています。先にループする部分だけができていて、しばらくそれをただ聴いてから、さあ曲にしようって作り始めたとのこと。
「こうあるべき姿みたいのに合わせに行くんじゃなくて、自分のいいと思ったものをやるのがいいよね」というお話(以下せりふはすべてだいたいのニュアンスです)、そういうとこがほんとうに好きです。
そして今回のライブ、『フラッシュバック』を筆頭に、リズム隊の良さがいつもにも増してとんでもなかったように思います。
例えば『ボーナス・トラック』では宮川さんがイントロのベースリフを弾き始めた瞬間から体が踊らされてしまったし、リズムで押してくタイプの曲ではない『バタフライ』も、特にアウトロが凄まじかった。
歌やギターの良さは言わずもがなですが、音源ではフェイドアウトで終わるこの曲、アウトロがこんなことになっていくとは思わなくて、イサムさんが、鬼気迫るというとちょっとそぐわないかもしれないけれどそう言いたくなるような雰囲気で、ものすごくかっこよかった。最後の最後、ぷつっと消える終わり方も最高でした。
この日の会場にはアイゴンさん(『良い旅を』『DANKE SCHÖN』両作品に参加)と佐藤謙介さん(『DANKE SCHÖN』に参加)が見にきていて、アンコールでステージに上がってくれました。急遽『ガイジン』のセッションも!
セッションはもちろん嬉しかったのですが、その前段でまた惚れ直したことがあります。
おふたりと制作当時の話が弾んで、そろそろ曲に行こうかというときのこと。斉藤さんが、「ふたりをミュージシャンとしてリスペクトしているから、ここで(ノリで)曲に参加してとは言わない。このまま帰ってもらいます」と言っていて、その誠実さ、律義さにぐっときました。
さらにそれを受け止めたうえで「いいよいるよ?」って言ってくれるアイゴンさん、叩いてくれる謙介さんにも。
そんなやりとりを経てからの『ガイジン』は、コテさんがハンドマイクを手にリードボーカル、コテさんのドラムを謙介さんが叩き、アイゴンさんはワウ(のみ)を担当して演奏されました。
アイゴンさんのワウ踏み(ギターを弾くのは斉藤さん)というめちゃくちゃ贅沢なものを見せてもらえたし、謙介さんが叩いているのも嬉しすぎたし、なんかサークルみたいだねっていう声も出たワーワー楽しい雰囲気も、全部が良かった。
MCで須藤さんがツアー各地を振り返りながら、「ライブで毎度今回が最高だと思うけど、次行くとあれ? この前はなんだったの? っていうくらいもっと最高なんだ」と言っていましたが、髭ちゃんのライブに行くと毎回私もそう思います。
最高を更新した再現ツアーファイナル、また次のライブで更新されるのを楽しみにしています。