蒼紅杯で5-0から連敗して11位で終わった話―ブルームバロウ環境最初期調整録―
前書き(直近の実績)
はじめまして、nelsonです。
ちゃんと前書きを書こうとするとありえないほど長くなりそうので、軽い実績だけ書いて、とっとと本論に入りたいと思います。
直近一年くらいの主な実績は
蒼紅杯~カルロフ邸殺人事件カップ~ Izzet Explosive Experiment Event 優勝
ジャパンスタンダードカップ:『サンダー・ジャンクションの無法者』 Japan Standard Cup:Outlaws of Thunder Junction 6-3(top32)
蒼紅杯~サンダージャンクションの無法者カップ~ Izzet Explosive Experiment Event 5-2(19位)
マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2023 9-3(top16)
あと予選ウィークエンド(7月ヒストリック)初日抜けとかです。
蒼紅杯優勝の際に、蒼紅ちかさんにnoteで紹介されているので、興味がある方はそちらも合わせてどうぞ。
今回は、ゴルガリミッドレンジを使って「蒼紅杯~ブル~ムバロウ~」に参加しました。
結果は11位と残念でしたが、その調整録みたいな物を残しておくのもいいなと考え、筆を執った次第です。
結構長いので、ゴルガリの話だけ読みたい方は目次から飛んだ方が良いかもしれません。
近くにジャパンオープンもありますので、皆さんのデッキ調整の一助を担えれば幸いです。
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散って行ったデッキたち(一部残留)―――ブルームバロウを使おう編―――
今回は調整録がメインですので、この章では筆者と仲間達が検討し、検討に検討を重ねた結果、様々な理由で散って行ったデッキを紹介します。
まずはブルームバロウのカードを使ってデッキを作ろう!という話になり、カードリストとにらめっこする作業から始まりました。
ブルームバロウは部族にスポットを当てたセットですので、自然と同セット内のブロック構築のような、シナジーに寄せたデッキが出来上がります。
1セットだけでデッキとして仕上げるのは難しいですが、「新しいカードを使いたい!」という思いは強く、仲間と共にピカピカのワイルドカードを投入していきました。
エントリーナンバー1 ラクドストカゲ
まず始めに試したのは、SNSなどでも話題になっていた「ラクドストカゲ」です。
《雇われ爪》や《鱗の焦熱、ゲヴ》からスタートし、《炎貯えのヤモリ》を絡めて大量展開!
《火硝子の導師》と《笑う者、ジャスパー・フリント》で、リソースもウハウハ!
除去も黒の優良除去が使えるぜ!と意気揚々とデッキを組みました。
しかし、「じゃあ実際に回してみようか」というところで大問題が発生。
なんとこのデッキ、間違いなく前環境から居座り続けるであろう「ゴルガリ・ミッドレンジ」に全く歯が立ちません。
《苔森の戦慄騎士》を出されて嫌な気持ちになり、《分派の説教者》や《グリッサ・サンスレイヤー》を出されて動悸が激しくなり、《黙示録、シェオルドレッド》で心停止します。
いくら黒の優良除去が使えるとはいえ、ゴルガリの主要生物のほぼ全てで盤面が止まるのはキツ過ぎます。
1・2戦やってすぐに「こりゃ無理だわ」と挫折。早々に解散の流れとなりました。
エントリーナンバー2 ボロスマウス
次に目をつけたのがマウスです(ネズミと言うとチームメイトに怒られる)。
《心火の英雄》からスタートし、《多様な鼠》で育てながら二段攻撃!《渓間の冒険呼び》と《岩山炎の後継者、メイブル》という二種類のロードでバックアップ出来るから、《花足の剣豪》を使って横並べも出来る!
縦と横の両輪アグロ、縦横無尽デッキや!と大興奮(実際はやや興奮くらい)でテストを開始。
《心火の英雄》から《多様な鼠》につないだ時のパワーはすさまじく、初動で出遅れた体面を粉々に粉砕していきます。しかし………
結局のところ単純ビートデッキである事には変わりません。《多様な鼠》の二段攻撃が絡んだ時は勝ちを拾う事もありましたが、普通に横並べしてロードで全体強化するプランは、接死持ちのゴルガリ生物に歯が立ちません。
ただ、《心火の英雄》から《多様な鼠》に繋ぐ動きだけは本当に強く、なんとかならないかとバージョンアップを試みます。
単純地上ビートで歯が立たないなら飛べばいい!令和のマウスは飛ぶ!
みんなみんな、同じ森の仲間たちです。
初期型だと《多様な鼠》の二段攻撃だけでしたが、ここに飛行を持つ《精鋭射手団の目立ちたがり》を追加する事で、前環境のグルールのように無理やり突破するプランを用意。
「苔森分派グリッサ」という地上最強生物達に対して、体を鍛えて物理で殴り抜くという、圧倒的な漢らしさを見せつけます。
これによって、ゴルガリ側の生物をある程度無視できるようになり、単純にキルターンも早くなりました。
しかし、ゴルガリ・ミッドレンジは生物だけのデッキではありません。
縦に積む形を意識した事で、《切り崩し》や《喉首狙い》といったよくある単体除去がクリーンヒットする形になっていました。
なんなら《ヴェールのリリアナ》すらそれなりにキツい展開もちらほら。
このデッキは既に縦横無尽ではありません。
『ブルームバロウのマウス達は、翼を生やしたことで逆に足を失ってしまいました』という童話のような結末を迎え、メインの候補からは外されます。
結局、一応ゴルガリに勝つことも無いではないし、序盤の干渉手段に乏しい相手には鬼のように強い。というところから、「まあ、上振れたらワンチャンあるだろうし、0ではないか………」というポジションに落ち着きました。
あまり力を入れた調整はしませんでしたが、「グルールアグロ」も同じような感じです。
エントリーナンバー3 ラクドスイタチ
蒼紅ちかさんが運営するスタン研!
こちらのサイトで、筆者が注目カード3位に挙げた《悪名高い残虐爪》も、当然使用候補でした。自分で挙げたんだからそりゃあそう。
最初は《嘶くカルノサウルス》や《執念の徳目》などの枚数は最低限に抑え、王道のビートダウン戦略を取りながら爆発力もある!というデッキを思案していました。
しかし、デッキを組み始めてすぐに、とんでもない事に気が付きます。
なんとこのデッキ、2マナ生物が足りません。
そうです、ラクドスカラーの2マナ最強生物である《税血の徴収者》は、既にスタンダードから姿を消していたのです。
こうなると、採用したい2マナ生物は《大洞窟のコウモリ》しかいなくなってしまいます。
いくら《大洞窟のコウモリ》が強いとはいえ、これではビートダウン出来ません。
ビートダウンが出来ないという事は、イタチを使うためには完全にイタチに寄せた、コンボチックな形になってしまう可能性が非常に高いという事です。
スタンダード環境でコンボ一本槍のデッキが活躍するのは非常に稀です。
最近だと「5cアラーラコンボ」あたりになるのでしょうか。
あのデッキも、閃光のように一瞬だけ活躍して消えていった覚えがあります。
筆者的には、カードプールの問題でコンボを揃えに行く為のカードが足りていないというのが問題なのかな?などと考えたりしていますが、そんな事を考えていても仕方がありません。
ここで重要なのは、スタンでコンボ一本槍は成立しない可能性が高すぎるという点です。
特にイタチは、「打点を通さなければ始動しない」という性質を持っているので、猶更弾除けは欲しいです。
上振れドーン!はあくまでサブプランであるのが望ましいのです。
結局悩んでいても2マナ生物が増えるわけではなく、《鱗の焦熱、ゲヴ》などで誤魔化そうとしましたが当然無理でした。
蒼紅杯までの時間は限られているし、チェックできていないデッキはまだまだたくさんあるという事で一旦打ち切りとなり、そのまま戻ってきませんでした。
蒼紅杯当日朝、直前になってMOのスタンチャレンジで結果を残すリストも見つけたのですが………
流石に当日朝にリストを変える勇気はなく、今回は見送りとなりました。
ただ、蒼紅杯でも数人が使用し、5-2という好位置に一人送り込んでいました。ジャパンオープンではもっと暴れるかもしれません。待て次回!
エントリーナンバー4 オルゾフコウモリ
さて、筆者が門番役をこなしている内に「もうゴルガリでいいかもなあ」という考えにシフトしつつある中、ブルームバロウは最後にして最強の刺客を送り込んできました。
それがオルゾフコウモリです。
コウモリデッキは最終的に、チームメイトのはじめまどかさんが使用して、蒼紅杯top4という好成績を叩きだすに至りました。
こちらのデッキに関しては、まどかさんがnoteで詳しく書いてくれていますので、そちらを参照して頂ければと思います。
投げっぱなしにするのもどうかと思うので、この記事でも本当に簡単なところだけ説明します。
この三種が異次元に強いです。以上です。
コウモリに寄せるなら、上三種を軸に出来ない構成にはしない方が良いと思います。
あと、《ヴェールのリリアナ》を激推ししたのは筆者です。
強かったみたいで安心しました。
散って行ったデッキ達―――既に死んでいる編―――
さて、ブルームバロウのカードを使った採用候補は一通り紹介できたと思います。
こちらの章では、「個人的には使ってみたい雰囲気だけあったけれど、チームメンバーに共有する事すらなく雰囲気で終わってしまった」デッキ未満の何かを紹介します。当然調整していないのですぐ終わります。
ちょっとだけ付き合ってくれ!
青白コントロール
筆者が前環境で使っていたのがこのデッキです。
上述した、「ジャパンスタンダードカップ」と「蒼紅杯~サンダージャンクションの無法者カップ~」でも青白コンを使っていました。
そう、筆者にとってサンダージャンクション環境とは、青白コンと共に駆け抜けたものだったのです。
当然使いたいです。使いたい気持ちでいっぱいです。
いっぱいだったのですが、肝心のデッキの方はというと、中核となるカードが脱退していっぱいいっぱいといった感じでした。
最終決戦時のダイやポップを相手に、天地魔闘の構えを封印されるのは流石にキツすぎます。
代わりのフィニッシャーとして《永遠の放浪者》、代わりのドロソに《遠見の儀式》を考えましたが、考えただけで終わりました。
「青白コンは大きく形を変えないと無理そうだなあ」とだけふんわり考えて、誰に共有するでもなく自分の中で終了します。
青白フラッシュ
また登場します。イタチの項目で紹介したスタン研!
こちらで一位として紹介した《羽信隊の随員》
このカードは半分以上ネタとして紹介しましたが、あの行弘プロがいつだったかの大会において(曖昧な記憶)、《エラントとジアーダ》を使ったデッキで入賞していたことを筆者は覚えていました。
「一位として紹介したわけだし少しくらい考えるかあ」というところから始まりましたが、そもそも筆者はフラッシュデッキを大の苦手としています。
「もしかしたらデッキかもしれないけど、まず使わないしまあいいか」と考え、これもお蔵入りとなりました。
ギリギリ諦めたデッキ―――版図ランプ―――
最終的に諦めたのですが、「版図ランプ」は他でもない蒼紅杯で活躍した、筆者のお気に入りデッキです。
蒼紅杯に参加するなら是非「版図ランプ」を使いたい!という強い思いを胸に、なんだかんだ言いながらギリギリまで使用を検討していました。
その辺を順番に書いていこうと思います。
アグロを破壊する―――ヤギ角型―――
普通に時間が足りないので、部族アグロと平行して、門番として選出したデッキの調整も進めます。
一番使いたいと思っていた版図ランプは、既にローテ落ち環境で結果を出していたこちらのリストから試してみる事に。
このリストは、主にマウスやトカゲを相手に門番として試していました。
また、それ故に好感触でもありました。
トカゲやマウスなどの、筆者が環境に多いのかも?と考えていた部族アグロに対して、《稲妻のらせん》と《古のヤギ角》を用いた大量ライフゲインが余りにも強すぎたためです。
この結果を受けて筆者は「三色土地と装飾庭園が無くなって終わったと思っていたけど、ギリギリ耐えたかー」とか考えていました。
これには理由があって
1 前環境で版図が苦手としていた「青白コン」と「ティムールランプ」はもういない。
2 《かき消し》が消えた事で、青系のミッドレンジも幅を利かせにくそう。
3 ゴルガリには元々強いから問題ない。
4 つまりアグロにさえ勝てればいい。
こういった思考のプロセスで初日のテストでは対アグロばかり試していました(そもそもアグロを試す為の門番だったのだから、当然と言えば当然)。
『このリストが結果を出した大会は、大量のゴルガリミッドレンジが参加していた』というのも3番の理由付けを後押ししています。
また、単純なネガティブ要素として
「諜報を上手く生かせるタイミングが少ない」
「版図を揃えるのが難しく、《力線の束縛》と《群れの渡り》が以前より強く使えない」
という物を感じていましたが、対アグロこそが重要と考え一旦脇に置いていました。
暗雲立ち込める VSゴルガリミッドレンジ
そんな事を考えていた翌日、チームメイトのY君が突如として、全ての前提をひっくり返す一言を放ちます。
「このデッキ、ゴルガリに勝てないです」←?!?!?!?!?!?
冷静に意味不明です。版図はゴルガリに勝てるから版図なのです。ゴルガリに勝てない版図は版図じゃない別の何かです。
「Y君は版図を触った経験が薄い(本人談)から、プレイ指針が間違っているのかな?」とも思いましたが、仮に本当にそうだったとしても確認しておいた方が良いのは間違いないです。
ある程度ゴルガリをやっている方にお願いして、2マッチほどやった結果。
×〇〇、×〇〇の2-1×2で二回とも勝利………だったのですが。
土を付けられているのがどちらもメイン戦というところにキナ臭さを感じました。
筆者の予想では、
「メインは版図が圧倒して、サイド後は強迫と追加のリリアナが入ってくるからどちらかは落とすかもしれない」
という物でしたが、実際には、
「ゴルガリのリリアナはメインから3枚程度入っているので、強迫以外ほぼ違いはない。寧ろメインはベイロスが無い分体重をかけやすく、真っ直ぐアトラクサさえ出されなければ問題は無さそう」
「また、ヤギ角に寄せている分置物破壊の通りがよく。ハンデスと合わせて7マナに到達させないように立ち回る事も可能」
と言った感じで、サイド後勝利したゲームも、「リリアナに対して上手くベイロスを合わせてその分で勝った」或いは「ご都合アトラクサトップデック」という物でした。
その他の問題点も合わせて纏めると以下のようになります
・現状マナ加速を担当しているヤギ角は、あくまでカード一枚なので、割られたときに単純な1対1交換になる。そもそもマナ基盤を割られるという事実が厳しいし、ゴルガリ視点は、置物破壊は《豆の木を登れ》《力線の束縛》などで一貫性がありサイドインもしやすい。
・版図が揃いにくいので《力線の束縛》が使いにくく、《群れの渡り》もトークンが足りないパターンが存在する。アトラクサを引かなくても勝てるカードとして勝率を担保していたここの弱体化は、対ゴルガリに置いて致命的である可能性が高い。
結論として、以前のように安定して勝つためには「真っ直ぐアトラクサ」か「豆の木連打からのブンブン」が必要という考えに修正。
「適当にやってても勝つ楽勝マッチ」から「噛み合ったら勝つ多少有利なマッチ」へと変貌してしまったという認識になりました。
Y君の発言が無ければ「まあ勝ってるからいいか」で流される可能性もありました。Y君ありがとう!
やっぱりマナ加速はランパンだよね―――山積みの収穫の加入、しかし………―――
上述の理由で、筆者は対ゴルガリで安定したプランが立たなくなった版図を捨て、お通夜状態で使用予定のゴルガリのプランを詰めていました。
しかし完全に諦める事は出来ない………そんな筆者に天からの施しです。
チームメイトが試している中に凄いカードがありました。
《山積みの収穫》です。
版図に貢献する上にカード2枚分の仕事をしてくれる。
ランパン恐竜の代わりとまではいきませんが、探し求めていたカードです。
このカードの加入により、
・置物破壊でマナ基盤を破壊される。
・手札を絞られたときに二枚になるカードが無いので厳しい&版図揃わない。
という二点を解決……したのですが
前提としてこの時、筆者は蒼紅杯ではアグロが多いメタになるだろうという予想を立てていました。
実際には全くそんなことは無かったのですが、この時はそう考えていました。
そして、高速アグロが多いという前提において、完全にヤギ角に飼いならされていた筆者はこう思ってしまったのです。
「流石にヤギ角とヘリックスが無いと高速アグロに勝たなくないか?」
そうです。マナ加速を《山積みの収穫》にするにあたって、色拘束が厳しい《稲妻のらせん》もデッキから姿を消さざるを得ませんでした。
これらを失った版図ランプが部族アグロに勝てるのか?
対ゴルガリを安定させるためのプラン作りと、並行してゴルガリ側のプラン調整に時間を使った筆者に、更なるテストの時間は残されていませんでした。
結局、なんとなく中間っぽいリストを作ってはみたものの、全く使う気にならず、「ゴルガリミッドレンジ」での参加を決めました。
最後に残った物―――ゴルガリミッドレンジーーー
というわけで、実際に使用したゴルガリがこちらになります。
筆者は今までの環境でゴルガリをプレイしたことが殆どなかったので、リストは兎も角、プラン構築はほぼ0からのものになりました。
ゴルガリやりこみ勢の「私はこの部分の考え方違うな」というご意見などはドシドシ募集しております。
このデッキは使用デッキなので、実際に採用したカードと、候補だったけど不採用にしたカードの解説をします。
調整中は常に触っていたので、どういう変遷だったかは正直覚えてないです。
重要な点は、筆者は対アグロと対ミラーを意識していた。という事です。
まずは実際に採用したカードから行きます。
実際に採用したカード
アグロを意識しつつも、ミラーを含めたその他のマッチで三枚引くのは耐えかねるのでこの配分です。
実際後手ならミラーでも十分仕事ができるカードなので、メイン2枚はきちんと仕事をしてくれました。
土地を合計26にしたいという前提で、少し高めのバリューを出せるカードとして採用しました。
主にミッドレンジミラーで《最深の裏切り、アクロソズ》をサーチするのですが、《温厚な襞背》などの役割がピンポイントなカードをメインに採用できるのも偉いです。
特に説明はいらないと思います。
対アグロや、ミラーの後手番だと微妙だが、遅いデッキ相手や先手時に異常に活躍するカード。
2マナのアクションは最低限14枚欲しいと考えていたので、後述するコウモリとスプリットして3枚採用し、余裕をもって合計15枚としました。4:1や4:0でもいいかも。
単純にカードパワーが高いが、成長する見込みのないゴルガリではあまり増やしたくない一枚。新環境故、凄いコンボなども警戒し2枚としました。
喉首以外に、ある程度範囲が広い2マナ除去を追加で取りたいと考えての採用です。
ミラーの苔森を見据えた際に追放が沁みると考えました。候補の中だと、《長い別れ》でもいいと思います。
ただ、ミラーのリリアナは殴って落としたいです。
対ミッドレンジミラーでも対版図でも活躍する1枚。
なんなら縦に積むアグロにも悪くない。メインは攻めっ気を出したいので3枚に抑えました。
伝説というのを差し置いても、残った時のバリューが高すぎるので3枚。
後述する《亭主の才能》を使った即死コンボ型の存在もあって、2枚に減らすことは考えませんでした。
《花粉の分析》から持ってこれるのでメインに1枚。
《ギックスの命令》での回収も視野に入れると、置物破壊の中で最も丸いと考えたので、サイドに追加で1枚です。
対ミッドレンジや重いデッキで活躍する1枚。
2・3マナ域を重視しているので、《黙示録、シェオルドレッド》と散らして合計2枚の採用です。
ミラーであまり強くないと考えているので1枚です。
1枚あれば《花粉の分析》で持ってくることが出来ます。つまり《花粉の分析》が強いです。
ミラーと対アグロで強く、直前で1枚から2枚に増やしました。
対召集を考えた際に、メインに全体除去を入れておきたいと考えました。その中で、唯一他のマッチでも活躍しそうな一枚だと思います。
ミシュラランドと土地になったアクロソズを処理できます。色は出ませんが、十分に取る価値はあると思います。
リリアナや襞背、サイド後は全体除去もあるので色はたくさん欲しいです。《寓話の小道》との比較でしたが、ゴルガリは3tまでのアンタップインが重要なので、同じタップインなら二色でるこちらの方が強いと考えました。
リリアナと合わせて、版図の手札を絞るためのカードです。
新カードの《山賊の才能》も考えましたが、ピーピングできる方がプランが立てやすいと考えてこちらにしました。
2枚取ってもいいのですが、後述する《屑鉄撃ち》の為に一枚枠を空けました。
ミラーでもアクロソズを処理できるので、なんならメインでもいいです。
合計3枚は取りたかった対召集用3マナ全体除去です。
リスト公開だったので散らしました。
《ぎらつく氾濫》の方はオルゾフコウモリにも入ります。
後述しますが、実は全体除去じゃない可能性があります。
追加のディッチャ生物です。
ディッチャ枠でありながら、4/4到達というスタッツも悪くなく、様々な相手にサイドインできます。
ミラーのアクロソズや版図ランプのアトラクサの他、根デッキのタイヴァーなどの、一枚のカードに依存しているデッキに対して使えると考えましたが、普通に微妙でした。
次があれば他のカードにします。
対召集に対して、《花粉の分析》で持ってこれる全体除去です。
一応インスタント除去でもあるので、対アグロ全般で入りそうです。
ふんわりと残った一枚です。
一応ミラーや版図に対して入れるのですが、殆どプレイしたことは無く、よく分かっていない一枚です。
候補だったけど不採用になったカード
分派のトークンなどと噛み合いが良く、トークンや宝物生成も単純にバリューランドとして悪くなく、採用候補でした。
ただ《解体爆破場》を二枚は採用したいという思いがあり、無色土地を3枚以上取るのは怖かったため、一旦見送りとなりました。
大きく二つの理由で外しました。
一点目は、ゴルガリだとピーピング出来ない可能性が高いというもの。
二点目は、ゴルガリの3マナ域はマスト除去生物で固めたいので、cipで仕事を終えた後に、戦闘にもリソースにも貢献しにくい2/2というスタッツの3マナ生物は、あまり取りたくないというものです。
※追記
亭主コンボ型ならば、通常ゴルガリのメインプランである
「生き残ったやつが大量のリソースをもたらして勝ち」
から外れたプラン構築が可能になるため、採用候補に戻るかもしれません。
亭主コンボについて
即死コンボです。それぞれの所感は、《亭主の才能》は悪くないけれど《裏切りの棘、ヴラスカ》がかなり弱いといった感じです。
試す前は、ヴラスカはミラーでアクロソズを処理できるから許容できるかな?と考えていたのですが、関係なくカードパワーが足りませんでした。殆どコンボ専用カードと化してしまっています。
また、《亭主の才能》についても、「このカードのおかげで2マナ域にコウモリを取れるようになる(成長するコウモリは強いため)」というバリューはあると思います。
しかし、これらのカードをデッキに採用する事で、「デッキ全体の生物と除去の枚数が減り、結果的に盤面争いに負けやすくなる」という凄い裏目が存在します。
例を挙げて説明すると、同じコウモリ強化でも、今は亡き《策謀の予見者、ラフィーン》と違って《亭主の才能》は盤面に何も出さないので、「+1カウンターで盤面を強化しようとしたら、除去されて逆に盤面を取られた」という展開の再現性が結構高いです。
実際、筆者は本戦で「亭主コンボ」に二回当たりましたが、対戦相手にコンボパーツを引かれた結果、盤面を取ることに成功して勝ちを拾っています。
他は兎も角、ミラーは少し下がると思います。
個人的には純正の方が良いと思いますが、蒼紅杯における対ミラー以外の戦績は、「亭主コンボ」の方が高いようでした。
そもそも母数が違うというのはあると思いますが、総合的には「亭主コンボ」の方がいいのかもしれません。
ここはちょっと自信が無いです。
この先は、君自身の目で確かめてくれ!
大会当日の当たり
R1 亭主ゴルガリ 2-0
R2 ジェスカイコントロール 2-0
R3 亭主ゴルガリ 2-1
R4 オルゾフミッドレンジ 2-1
R5 純正ゴルガリ 2-1
R6 版図ランプ 1-2
R7 ボロス召集 0-2
total5-2 11位
5-0して「大体抜けたかな~」とか思っていたら、見事に坂から転げ落ちていきました。
最後は「5-0からの5-2なら、ワンチャンopoで8位抜けあるか!?」とか考えていたのですが、結果は9位ですらなく11位でした。現実は非情です。
最後の2戦、衝撃と学びがあったのでちょっと取り上げます。
ラウンド6 版図ランプ
伏線回収です。《山積みの収穫》を強いと思いながらも寄せきる構築が出来なかった筆者に、過去からの刺客がやってきます。
当たりを確認して苦い顔になり、《山積みの収穫》に寄せられているのを確認して絶望しました。
除去も《失せろ》に寄せられており、リリアナが簡単に処理されてしまうのも向かい風です。
気合でメインを取りましたが、サイド後2本取り返されて、バブルマッチその1は敗北しました。
メタをしっかりと読み切り、アグロに強い代わりにリスクのある《稲妻のらせん》と《古のヤギ角》を解雇しているのが本当に凄いです。
スイス全勝も納得のリスト!
予断ですが、3本目のゲームは完璧なプレイが出来ていればワンチャンスあったように思うので、シンプルに悔しいです。
ラウンド7 ボロス召集
大きすぎる学びを得た試合です。
結論から言うと、黒3マナの全体-では、対ボロス召集のプランとしてあまりにも貧弱すぎます。
-2allの《悪意ある覆い隠し》では、育ってタフネス3になった《内なる空の管理人》が落とせず、-3allの《ぎらつく氾濫》では、《戦導者の号令》で育った《ヨーティアの前線兵》と《上機嫌の解体》トークンが落とせません。
-2よりはマシとはいえ、1点しか変わらないので、《内なる空の管理人》も、放置していると余裕で圏外に逃げられます。
それでも《ぎらつく氾濫》の方が若干強いのですが、部族アグロを見ていた都合で《悪意ある覆い隠し》の方を多く取っていたのも向かい風です。
どんな展開でもある程度一貫性のある《危難の道》を失ったのは、想像以上の痛手だったのだなというのを痛感した試合でした。
バブルセカンドチャンスの負けも合わせて、とても痛いです。
軽い全体除去を《ぎらつく氾濫》に寄せるのは当然として、その上で何かしらのカードが無い限り、「ボロス召集」側の渋回り待ちになりそうなマッチアップだと感じています。
適正ターンに必ず引くという強い意志を持って、-allを五枚くらい取ってみたら変わるのでしょうか?試してみたいと思います。
サイドボーディング
お待ちかねのサイドです。必ず出てくるお通しであり、大体最後にある締めでもあります。
サイドボードは、一応固めてはいますが、相手のリストの若干の違いや、考えていそうなゲームプランによって変化するので、あくまで目安です。
ボロス召集
兎に角減速して全体除去を撃ちます。
《上機嫌の解体》と《門道急行の事件》が厳しいので、《強迫》も入れていきます。今大会で、思っていたよりも厳しいなと感じたマッチです。
in
強迫4 切り崩し1 悪意ある覆い隠し2
ぎらつく氾濫1 温厚な襞背1
屑鉄撃ち1 苦難の収穫者1
out
大洞窟のコウモリ2 腐食の荒馬3
敵意ある調査員1 ヴェールのリリアナ3
解体爆破場1 苦痛ある選定1
ゴルガリミッドレンジ
3マナ域の何かを定着させる攻防になります。
また、先手2tの《腐食の荒馬》は噛み合いが怖いので《切り崩し》で処理したいです。後から出てきた場合は結構どうでもいいです。
なんだかんだあった末に《最深の裏切り、アクロソズ》で勝ちます。
先手の時だけニッサを入れているのですが、出た事がないのでよくわかりません。
「亭主コンボ」が相手の場合は、切り崩しと襞背をちょちょい残していました。
in
強迫(先手2後手1) 羅利骨灰1
ヴェールのリリアナ1 一巻の終わり1
向上した精霊信者、ニッサ(先手1)
out
切り崩し(先手2) 大洞窟のコウモリ2
黙示録、シェオルドレッド1 温厚な襞背1
版図ランプ
ヤギ角型が相手なら、ディッチャでマナ加速を妨害しながらリリアナで絞りきるプランで結構勝ちます。
そうじゃない場合も手札を絞りに行くことに変わりはありませんが、ちょっと厳しくなります。
いずれにしてもリリアナなどの手札破壊が鍵です。
分派はあまりドローできない。
アクロソズは追放されるという点から減らしています。
in
強迫4 羅利骨灰1 ヴェールのリリアナ1
温厚な襞背1 屑鉄撃ち1
一巻の終わり1 向上した精霊信者、ニッサ1
out
切り崩し2 苦痛ある選定2
喉首狙い2 分派の説教者1
最深の裏切り、アクロソズ1 ギックスの命令2
オルゾフコウモリ
top4のはじめまどかさんのリストを基準に考えます。
基本的には、ゾラリーネ、月の集会、暗黒星の占い師に滅茶苦茶されるのが負け筋ですので、適度に攻めながらそこを潰すように立ち回ります。
in
羅利骨灰1 ぎらつく氾濫1
温厚な襞背1 屑鉄撃ち1 一巻の終わり1
out
大洞窟のコウモリ2 分派の説教者1
敵意ある調査員1 黙示録、シェオルドレッド1
グルールアグロ
熊パンや蛇皮のヴェールが絡まなければ大体勝つので、強迫でそこを抜きに行きます。
強迫を撃ててない時は、インスタント除去があっても構えて動かず、相手から動いてもらって、二重三重の仕掛けが出来た時にだけこちらから撃ちに行くプレイを意識すれば、大体大丈夫だと思います。
ウラブラスクの溶鉱炉が怖いので、襞背はそのままです。相手の枚数によっては増やします。
in
強迫3 切り崩し1
悪意ある覆い隠し2 屑鉄撃ち1
苦難の収穫者1
out
大洞窟のコウモリ2 腐食の荒馬3
敵意ある調査員1 ヴェールのリリアナ1
ギックスの命令1
サイドボーディングのベースは、大体こんな感じです。
後は相手に応じて適当に効きそうなものを入れておけばいいと思います。
ビートダウン相手には、ブロッカーとして役に立たないコウモリが抜けやすい。というところだけ意識すれば、問題無いと思います。
終わりに
以上。「蒼紅杯~ブル~ムバロウ~」に向けた調整録でした。
大分長い物になってしまいましたが、楽しんでいただければ幸いです。
最後になりますが、今回の「蒼紅杯」も非常に楽しく参加させて頂きました。素晴らしい大会を企画・運営してくださった皆様と、最後まで読んでくださった読者の皆様への感謝を以て、締めとさせて頂きます。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次の大会か次の記事で、またお会いしましょう!
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