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PERFECT BLUEと自分を見失ったときのこと

長年見たかった今敏のPERFECT BLUEを見た。
出だしから結末の予想はついたが、映像的に両作である。当時の年代を感じさせる表現、ネット掲示板等の細かな描写もとても良い。主人公の部屋や持ち物もめちゃくちゃグッドである。というか私が今敏好きだから全部グッドよ。好き好き大好き。

この作品のキャッチコピーの通り、って…あれ?「夢なら…覚めて」みたいなキャッチコピーなかったっけ…?このパラグラフ書くのにちょっとググってみたんだけど出てこないよ…?あれ?これも夢なの…?

まぁとりあえずこの作品の講評を書く目的とかは一切ないので良いのだが、キャッチコピーの検索の際に良い情報を得た。私の好きなダーレン・アロノフスキーが『レクイエム・フォー・ドリーム』を製作する前に、このアニメのリメイク権を得てないやら得たやら結局得て無いらしいけど、『レクイエム・フォー・ドリーム』に『パーフェクトブルー』と同じアングルやカットがあるらしい。確かに主人公がレイプされるシーンの周りの人間が野次を飛ばすシーンとか良く似たアングルのカットが有った気がする。こういうの気付く人、ホントにすごい!!!

ちょっとそれてしまったが、あらすじはアイドルをしている主人公が事務所の意向か本人かわからないが、アイドルグループから脱退して女優への転身をはかる。始めは前途多難な道に見えつつも、主人公の決心により、出番も増え、女優としての起動に乗っていく…が、主人公になりすましたブログや送られ続ける怪文書、あげくには殺人まで起きてしまうという内容のものである。そして、主人公は自分を見失ってしまう。

私は若い頃。中毒まではいかないが、かなりの薬物の愛好家だった。そしてこの自分を見失う感覚に既視感が有る。

これは「瞑想という名の」でちらっと書いた事だ。
当時私が使うものはほぼ違法(できれば。合法は何入っているかわからないので)。でも、合法も良く使用していた。一番やばかったブツの名前は「Black and White」とか「Black and Gray」「White Out」とかそんな感じの白とか黒とか灰色とかだった記憶が…そしてラベルも白黒だった記憶がある。あれを楽しむ人が存在するのかまじで謎な商品だった。

飲んだ人間はほぼ全員体の自由が効かなくなる。とにかく立てない、水を取りに行くにも張って行く感じ。まじでレイプとかに使われてそうなやつである。あれほんと存在しちゃだめでしょ…
彼氏含む5人で食ったのだが、とにかく友人と会話していると友人の顔にオーバーラップしておばちゃんの左半身のアウトラインと、「わたし、いくから」というという怪文章のネオンサインが見えるのだ。しかもおばちゃん手足を上下に動かすの。
音楽を聞くと、(その時は森!って感じのトランスだった。矛盾してるかもだけど)とにかく緑のブロックでできた小人みたいなのが規則正しく画面から飛び出してくる。
しまいには昔のPCがバグったときの、ウィンドウが何重にもに重なった状態で物事が見えるようになった。自分の動きも相手の動きも全部残像がついてくる。そして自分と話している相手の外側の膜が溶け出して、自分の思考が漏れ出して強制的に共有されている感覚に陥った。私はこれを統合失調症の症状に似ているのではないかと推測している。これ以外の時に経験したことが無いからわからないけど。でも自分が思っている事を数秒後に相手が話し出し、思ってない事柄は全部デジャブのような妙な感覚がその後もずっと続いて気味が悪かった。

後日脳の仕組みや薬物の影響、精神病などを調べてわかったことだが、本当に私達の脳というのは電気信号やホルモン、神経伝達物質で支配されていて、記憶も思考も自分が思っているよりも確実なものではない。所詮タンパク質とか脂肪とかだもんね。だから私はこのときの記憶も信用して良いものかどうか分からずにずっといる。多分ただバッドに入ってただけだろうけど。

というのも、この後彼氏と別の二人に罵られて号泣してしまった記憶があるからだ。当時の彼氏はお互い両親に合わせる予定まで決めていた。罵られた内容は伏せるが、私が昔したことで自業自得的な復讐という、詳細は伏せるが私は自分で納得出来る理由だったものだった。今思えばそこまでするほどの理由ではないのだが…

普通バッド入っても次の日には収まる筈なのだが、私は2日経っても精神状態が戻らず、幻覚なのか現実なのかわからなくて、とにかく彼氏が怖くて家を離れたかった。水以外口にしてないし、ほとんど寝てなかった。彼氏は多分通報とかされるのが怖かったのか、家から出してくれなかった。
3日目、どうしても一緒にいるのが怖いから一時家の中に居ないでほしいことを告げると渋々家からでてくれた。その瞬間にダッシュでカバンに着替えを詰めて逃げた。
コンビニに行ってると思っていたが、実は玄関ドアの横で座って携帯を見ていたらしい、すぐに捕まってどこに行くのか聞かれた。とにかく彼が居ないところと告げると、すごく心配だからどこか安全なところに行ってほしいと告げられ、5万円渡された。そっからは実家に帰り、4ヶ月も(!!)何もやる気がでなくて散歩したり泣いたりする生活を送った。勿論親にも包み隠さず話したし、友人にも話してしまった。私はここでかなりの人数の関係者に呆れかえられ、アホだと思われただろう。表面上は縁を切られたりはしなかったが…

In conclusion, 薬物だめ、まじで。
やるなら純正な!よくわかんないのほんとに怖いから!今回はちゃんと途中で出したレクイエム・フォー・ドリームにも乗っかれたから満足。
因みに今でも精神疾患はないし、傾向も無いと思う。100%薬物の影響だったと思っている。
そして人間は思っている以上に自分の記憶が確立されないと不安定な生き物であると思った。私は明日記憶を失くした状態で目が覚めたらどう振る舞うのだろう。


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