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吉澤さんへの未練をようやく断ち切れそうな話【前編】
今回は恐ろしいほどの乱筆乱文、そして妄想に満ちた文章を書き綴ります。「推し活」というジャンルに理解がある方の閲覧を推奨致します。難しい方は予めご了承ください。
私は2年半もの間、未練がましい女だった。
しかし芸能界で活動していた頃から応援していたにも関わらず、ライブやイベントには行かず、SNSも更新のタイミングが合えば見る程度だった。
好きだったけど、好きだったのに、
メディアやコンサート等の露出が多いが故に「いつでも会える」そんな錯覚を見ていたのだ。
そんな時、推しは突然芸能界を去った。
それは推し自身が起こした大罪のせいだ。
私はその報道を聞いた時、戸惑いと悲しさでどうしていいのか分からず、SNSを見ても批判の文章が書き綴られ、過去の推しが映ってるPVを見ても同様のことが書かれていた。
私は現実から目を背けることしか出来なかった。
そして「何故会いに行かなかったのか」「何故直接想いを伝えなかったのか」次第に過去の自分への怨恨が増幅していった。
会えるはずだったのに、会いに行かなかった。
そして私は2年半にも及ぶ未練がましい推し恋を始めるのであった。
1年目 寝ても覚めても貴女でいっぱい
私はその日その時、免許合宿の授業を受け終わり食堂で友人と夕食を食べていた。
なんとなくLINEニュースを開くと、「推しの名前」と「逮捕」という文字が並んでいた。
ただひたすら戸惑って「え?」を連呼して友達をも戸惑わせた。
同姓同名の人だと信じたかった。でもどう考えても推しだった。
推しが事故を起こした。
擁護しようのないことをした。
それは紛れもない事実だった。
当初の報道では憶測でしかないことばかりが書かれていたし、それによって振り回される自分が嫌だったからネットニュースもSNSも見なかった。
ただキラキラ輝いてる推しの姿を見たくてYouTubeを開き、彼女のセンター曲である『Mr.Moonlight〜愛のビックバンド〜』と、卒業シングルである『悲しみトワイライト』のMVを見た。しかしコメント欄は荒れに荒れていた。
「なんであんなことしたの?」
「涙が止まらない」
「ショックすぎる」
最近まで「よっすぃ〜かっこいい!」「ほんと大好き」という好意的なコメントで溢れてたのに、たった1日で全くコメント欄の形相は様変わりしてしまった。でもそうさせてしまうぐらいの事件を彼女は起こしたのだ。分かっているのに受け入れられなかった。
何よりショックだったのは、その事件に対してモーニング娘。のOGメンバーがブログで謝罪していることだった。よく仕事しているとはいえ、もう卒業しているのだから無関係である。それでも大切な仲間が起こした重大事件に対して真摯に謝罪した。
そしてOGメンバーだけではなく、当時ハロプロリーダーだった元アンジュルムの和田彩花さん、そしてモーニング娘。リーダーの譜久村聖さんもブログで謝罪した。一緒に活動した時期はないのに、連帯責任としての謝罪ブログ。申し訳なさとやるせ無い気持ちでいっぱいだった。
その一方で、推しはちゃんとご飯を食べれてるのか。息子くんは突然いなくなったママに困惑してないか。ご家族は大丈夫なのか。
推しの事件そのものに対する困惑と怒り。
関係無い人を巻き込んでしまう申し訳なさ。
推しの周囲の人間に対する心配。
色んな感情が私を渦巻いた。
推しの亡霊と化した
そして21日後、推しは再び私たちの前へ姿を現した。
生気のない眼をして、声を絞り出して謝罪の言葉を述べ、その場に居るマスコミに頭を下げた。
それでも推しは綺麗だった。不謹慎だけど凄く綺麗で、悔しかった。
何故私はこの人をちゃんと見れなかったんだろう。ちゃんと応援してこなかったのだろう。こんなに綺麗なのに。こんなことしても大好きなのに。
その翌日、推しは芸能界を引退した。
Instagramは逮捕後即削除されたが、Amebaブログは10月1日まで残されていた。私は泣きながらブログのスクショを残し、美しくて楽しそうで優しい記憶を留めさせた。
私が推しを好きになったのは、2015年の春。
ドルヲタだった私は受験を控え、あらゆるアイドルから離れようとしていた。
そんな折、たまたまオリジナルメンバーでの『恋愛レボリューション21』の映像を見つけた。そこから沼へ浸かるスピードは早く、東京で推しに遭遇することをモチベーションにして受験勉強をしていた。
要するに好きになってから引退するまで3年の猶予はあったのだ。
なのに。
自分の怠惰を憎んだ。
そして推しへの愛は日に日に増していった。
推しが今どこで何をしてるのか。
家族と過ごせているのか。
仕事はどうしているのか。
ご飯は食べれているのか。
SNSで情報収集をすると、真偽の定かではない情報が入ってくる。
「市川駅のダイソーでマッサージをしていた」
「横浜で俯いてる姿を見かけた」
でもその情報に飛びつくしかないので、その市川駅や横浜駅に行くことがあれば、眼を皿にして推しがいないか探していた。
そんな日々から1年。
ついに正確な情報が女性自身から舞い降りた。
「吉澤ひとみ、インストラクターに転身」
彼女は某ストレッチ店で店員のインストラクターを務めているという。その職場まではタクシーを利用。お酒は絶っていないという。
この情報を聞いて如何にも彼女らしい転職先だと思ったし、正直に酒断ちが出来ていないと答えるのも彼女らしい正直さが出ていると思った。
そしてこの記事で彼女は「芸能界に復帰する予定は今のところない」と答えていた。
言い換えれば「いつかは」復帰する可能性もあるのだ。
これに対して嬉しさとモヤモヤが混じった変な感情になった。
起こした事件が事件なだけに、復帰してほしい!と声高々に言えないが、いつかはまた彼女が復帰して4期が4人揃ってる姿を見たいのも事実だった。
2019年のひなフェスでW(ダブルユー)が復活してその想いはますます強くなった。この2人は2人だけでも強いが、石川梨華と吉澤ひとみが居たらもっと最強なのだから。
推しが引退してから1年間は、推しのことしか頭になかった。
いつも推しの安否を気遣い、過去の推しを愛でて、推しの未来に悩んだ。とにかく推しのことを誰かに話したくて、推しに会いたくて、推しに会えたはずの過去を悔やんだ。
後編は推しが引退してからの2年目から現在、推しへの未練を徐々に断ち切るまでを話していきます。