ノンフィクション短編恋愛小説II
「いやお前さ、貯金しろな?」
年齢だけはピチピチな20歳の私が何か買うたびに
彼は、この言葉を口を酸っぱくして言ってきたすっぱいマン。
当時の私はこれがかなりのストレスになっていた
そんなすっぱいマンは15歳年上の職場の上司だ。
私は常に子供扱い、発言の権利さえも奪われていた。
ひたすらにストレスを感じていた。
なぜ付き合っていた。しかしちゃんと好きだった。
今となれば謎深しけり。
ある日すっぱいマンは、新築マンションの内見に行って結構深い話までもしていた。
それを横目に私はテーブルに置かれたラムネをひたすらに貪っていた。
帰りの車で彼に問うた。
「マンション買うの?」
「買わないよ」
「あんなに深く話してたから
てっきり買うのかと思ったよ」
彼は結構な間という間を空け放ったあと、まるで失われた記憶を取り戻したかの如くゆっくりと口を開く
「お金無いしね」
「貯金してるんじゃないの?」
(やばい、掘り下げ過ぎた…)
私はついつい日頃の鬱憤が溜まってたからか
この話題をほじくってしまった。
すると案の定彼は少々イラつきながらこう応えた
「貯金?そんなんしてないよ」
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「貯金?そんなんしてないよ」
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「貯金?そんなんしてないよ」
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こだまでしょうか?いいえ誰でも。
その言葉を聞いた瞬間に私の口から咄嗟にこの言葉が飛び出してしまった
「いやお前こそ貯金しろな?」
この後こっぴどくキレられた。
大人がまた嫌いになった20歳の夜
〜fin〜
次回作にもご期待しないでください
あとがき
私は本当に異性とは変わったヘンテコな思い出しかありません。
当時はただただ悲しみに暮れていました。
私も普通の付き合いがしたい。
なぜいつも一癖二癖あるんだと。
そんな人を好きになった自分をも責めた夜もあった。
しかし大人になった今、思うと
全ては尊く大切な思い出。
と信じたい。
黙っておくのは、心の押し入れにしまっておくのはなんか勿体無い。と思ったので
文字にして綴っていきたいと思います。
ほぼマジマジのノンフィクションです。
ガチンコファイトクラブ。