🐾トムネコゴ その2

その2と書いたが、3回目のトムネコゴ。
案内役の彼が、今日は一緒に行くと言う。
私語禁止/撮影禁止の喫茶店。
だから私は今日も構わず筆を取る。

万年筆のインクは残り半分。
だけど予備だって持って来た。
前回はインク切れによって何も書けなかったのだ。
同じ失敗は繰り返さない。そう、決めている。

しかしこの万年筆、カードリッジから卒業したいと思い続けてどれくらい経ったのだろう。
これでは出した手紙もポストに舞い戻ってしまう。

そうさ「まるで ひだまりでした」
そういう人間に私はなりたい。

閑話休題

今日の注文だが、コーヒーはやっぱりトムネコビター。
3回目でやっぱりなどと言うのは些か失礼な気もするが、やっぱりビター。

それとじゅわりのチーズケーキ。
それから2回も食べ損ねているチョコパン。

2人で来ると半分こができる。素晴らしい。
おひとり様を極めし者からすると、半分こするというのはなんとも贅沢に感じる瞬間だ。

そうそう、案内役の彼とこうやって2人で出かけるのはいつぶりだろう。

彼は休まない人間だ。
対して私は休み過ぎている引きこもりだ。

無理矢理休みを取らせ、無理矢理遊びに連れ出す。
私が連れ出しているのは家の外までで、そこから先は連れて行ってもらう。方向音痴の引きこもり。虚しいステータスだ。

今日は運動も兼ねて片道12kmをロードバイクで走る。
彼の好きな街で、たくさんお店を見て、たくさんおいしいものを食べよう。

トムネコゴのじゅわりチーズケーキや、カリカリふすまフォンダンショコラなのかパンのような。

ん?

突然BGMが切られる。

"ゴルドベルク変奏曲"
私が知っている演奏のCD。
トムネコゴが好き過ぎる彼も好きなCD。

唐突にBGMを切ってCDを入れ替える店主。
それもトムネコゴならではだろう。

私語禁止/撮影禁止 という注意書きが出迎える喫茶店の店主の世界。

そんな世界の音について少し書いておこう。

こう見えて私は音響屋だったことだってあるのんだ。

つづく