シチュエーションボイス台本 姫の想いと命令
いらっしゃい
待ってたわ
そんなところに突っ立てないで中に入ってきて
……入ってきてって
……なに?
姫である私の部屋に入り込むわけには?
何言ってるの?
その姫である私が招きいれてるのよ?
むしろこれは命令よね?
ようやく、分かったようね
ほら、席について
……それでいいの
良い子は好きよ
今日貴方を呼んだのはね……この間の任務の話を聞いたからなの
ずいぶんと活躍したようじゃない
……あの頃の、まだ幼かった頃に私の玩具にされてた時からは想像できないわね
泣き虫で、どんくさくて……すーぐ私に「ひめさまっ!ひめさまっ!」って泣きついてきてたのに
それが今では……王から直々に勲章を貰うようになるなんて
人というのは分からないわね
んっ?
用がないなら次の任務の準備に?
ダメよ
今の貴方の任務は私のお茶の付き添いよ
ほら、貴方も飲みなさい
私のお気に入りなの
紅茶のよしあし?
そんなの分からなくて良いわ
貴方はただ私に付き合ってお茶を飲んでればいいの
ただ……それだけの時間を共有してくれれば良いだけなの
…………
……
あと……何度か満月が巡れば……私はこの城を出なければいけない
この国とこの国の民のために
隣国との友好のために
物心ついたときから……こうなることは分かってたわ
それが……運命で
……私の存在意義だから
皆からも……そういわれ続けてたわ
家庭教師も……メイド長も……そして……お父様にすら
この国にとっての私は平和維持のための道具
そんな道具にずっとしたがってずっと傍にいてくれた
それが貴方だった
まぁ……私がわがままいってずっと側付に置き続けてただけだけど
でも……今回ばかりはそうするわけにもいかないの
私の周りのものは……すべてこの国の物だから
身に着けるものからメイド、側付、何一つとして私のものなんてなかった
すべて国、国王であるお父様の所有物
だから、この国を出る時に全部返さないといけないの
……貴方……もね
だから……私が貴方をお茶に誘うのも多分これが最初で最後
……さて
暗い話はこれくらいにしましょうか
ほら……そろそろ効いてきたんじゃないかしら
何がって?
自覚はないのね
それじゃ……
私のところに来なさい
側付の身分で姫である私のベットに登れるならね
……あら?
国王から勲章を貰うほどの勤勉な貴方が、まさか躊躇もなく姫のベットに上がるなんてね
どうしてかしら?
ふふふ
大丈夫
貴方は何一つ悪くないわ
これは……全部私のせい
私の……命令だから仕方のないことなの
貴方は……私の命令に逆らえなくなってるの
そういう……魔法薬だから
さぁ……これから私のする質問にすべて正直に答えなさい
貴方が仕えている人物は?
……お父様?
それはそうよね
じゃあ……貴方が心から仕えたいと思っている人物は?
……私?
ふふふ
うれしい事言ってくれるのね
じゃあ……私の嫁入りについて……どう思っているかしら?
……黙秘は認めないわ
……答えなさい
認めたくない?
そうなのね
私も……こんなのは認めたくないわ
和平の道具として隣国に突き出されて
……好きでもない男に一生をささげて……そして……子を産んで死ぬ
そんな人生……認めたくない
ねぇ……もしも
貴方の気持ちが本物なら……私を貰いなさい
これは……命令ではないわ
でも……これだけは言っておくは
私は……本気だってことを
貴方になら……捧げられるって
……私の全てを
どうなの?
私を受け入れる?
私のこと……どう思ってる?
好き?
それは本心?
それとも忠義から?
本心ならもっと必死に伝えて
私に貴方の想いが伝わるように
もっと……もっと……もっと!
言葉だけじゃ足りない
貴方の想いで……私を満たして
言葉だけじゃなくて……目に見える形で欲しいの
貴方の……愛その物が
(姫をベットに押し倒す)
ふふふ
ようやく動いてくれたわね
でも……一国の姫に手を出すなんて
……覚悟は出来てるのかしら?
そう
……なら
私のことを一生守り抜いて見なさい
これは……命令よ