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高級食パンと台湾パイナップル

乃が美の食パン1斤がやって来た。台湾から届いた巨大パイナップルとともに。

これは、父が親戚の山でとった筍をゆがいたお礼らしい。私も母も、その行動を非難し続けるが、もらった物は受け入れた。人のふんどしで相撲をとってお礼をもらうことに、申し訳なさのかけらも感じない父とは、全く意見が合わない。

私が行くスーパーで月に1回、乃が美の食パン2斤が972円で売られている。午前中行くと、買う人はいないが、午後行くと残りわずかになっている。お昼時に買う人が多いようだ。

高級食パンブームは終わり、つぶれていく店が多いとニュースで見るたびに、私は食べる機会はないだろう、庶民はヤマザキのパンを食べればいいと思っていた。

しかし、まさかもらえる日が来るなんて、我慢できずにこっそり切った。パン切り包丁はどこかにしまったはずだが、探すのが面倒でいつもの包丁を使ったら、斜めになって厚さのそろわない6枚切りができた。

そのまま食べるのがおいしいと、どこかで読んだので食べたらフカフカやわらか甘くてクセになり、あっという間に2枚食べてしまった。

これ以上食べると太る、母に2枚、父に2枚食べてもらった。「このパンはね、何もつけないでそのまま食べるのが一番おいしいんだよ」とうんちくを言った。家には、バターもマーガリンもハチミツも常備してないから、付けるものは何もないのだが。

パンをおやつにしてしまったため、昼食はパイナップルだけにした。台湾産は、スーパーで見かけるのと色と大きさが違う。こちらも大変甘くジューシーであった。半分食べて、明日また食べることにした。

台湾の知人が8個も送ってくれて、残ったらジップロックに入れて冷凍にできるよと言われたが、1個くらい食べきれる。おこぼれに預かれたのは幸運であった。

もしかしたら、私や母が父の行動をとやかく言わなくてもいいのかもしれない。パンとパイナップルを食べて「お父さんのおかげでおいしいもの食べられた、ありがとう」とは口がさけても言えないけど、今月で筍も終わるから、あと1週間は黙って見過ごそうと思う。