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nekonosara
男子宝石 / 毎週ショートショートnote
「流星ヒカル様、やっぱり素敵!」
かやちゃんは舞台が終わってもまだ席を立たずにうっとりとしている。
「確かにかっこよかったかも。」
「でしょ!」
かやちゃんがハマっている『男子宝石塚』に初めて連れてきてもらったけれど、豪華で美しくてうっとりするような舞台だった。
「けど、どうして流星さまは男役って言うの?」
かやちゃんも首を傾げる。
「それはね」
背後から答えられて振り向くと、なんと流星ヒカル様がいた。
キャーッと悲鳴をあげそうな私達の唇を人差し指でそっと抑えてくれる。
「すごく昔は子孫を残すために人類の半分が『男』だったんだよ。女性だけで子供を産めるように進化して絶滅してしまったけれど。この男子宝石は『男』がいた頃の古典歌劇だから男役があるのさ。」
人類の半分が流星ヒカル様…夢みたい。
「その時代に産まれたかったかも。」
「本物の男がいたら男役は要らないね。」
「そんなの嫌!」
声を揃えて叫ぶ私達を見て笑うヒカル様も素敵だった。
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