サラダバス② / 毎週ショートショートnote

田舎道でバスを待っていると雨が降り出した。
隣に誰か来たようだがひどいどしゃ降りで見えない。
しばらくして晴れてきたので傘をたたむと、隣には灰色の大きな何かが立っていた。
…見たことあるやつ！
私に向かって大きな口で笑うと、どこからか軽快な音楽が聴こえ上空からバスが降りてきた。期待して見たが、緑色のバスだった。中はブロッコリーの座席だ。
「ネコバスじゃないんですね。」
「世界的に人気なんで出払ってまして。これはサラダバスです。」
運転手の説明にちょっと残念な気持ちで外を眺めるとどこからかお婆さんの声が聞こえる。
「これ知ってる！迷子を探してるやつでしょ。」
「いえ、自然派おばぁバスのクラクションですよ。」
耳を澄ますと確かに聞こえる。
「メイちゃーんって言ってますよ。」
ははは、と運転手が笑う。
「おばぁですからね。英語なんですよ。ネイチャーって鳴ってます。」
サラダバスがクラクションを鳴らした。
シーザー。

ふざけすぎですね。でもネコバス乗ってみたいです。

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