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針ほどの月明かりー13ー

ドーナツはお腹いっぱい食べてもまだ無くならない。おじさんは本当に作りすぎだ。真白も口のまわりに砂糖やイチゴチョコをつけたまま、ふぅ、と満足そうにコップを置いた。

「すごく美味しかったです。ごちそうさまでした。」

おじさんは本から顔を上げた。

「どういたしまして。ーまだあるなぁ。良かったらお土産に持っていく?」

「いいんですか?」

「もちろん。」

おじさんは棚から袋を出してドーナツを詰めはじめた。僕はコップを二つ、おじさんの所へ持っていった。

「おっ。お片付けありがとう。」

お皿も片付けようと振り向くと、真白がもぞもぞしている。おじさんに聞いて店の奥にあるトイレに連れて行った。僕もしたくなったから順番にトイレに入る。

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箔玖恵
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