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tomocolortherapy
ジンジャークッキーイブ
「無理です!」
「断って下さい!」
小人達に怒られながらサンタは頭を下げた。
「頼むよ。僕も手伝うから。」
「サンタさんは不器用だから迷惑です!もう!分かりましたよ。トナカイ達に出発が遅れること伝えて下さい。」
「有難う。」
新米サンタは嬉しそうに出て行った。
帰り支度をしていた小人達は溜息をついて荷物を置くと工場へと戻っていく。
プレゼント作りは昨日までに終えて大半のものは家に帰ってしまっていた。
「どうして急な変更受けちゃうかなぁ。」
「今から作り直しだなんてさ。今夜配るのに間に合うわけない!」
子供達の急なプレゼント変更はよくあるけれど、今までのサンタなら20日以降は断ってくれていた。新米サンタは人が良すぎて断れないのだ。
「みんなごめんね。」
サンタの奥さんが大きな籠を持ってきた。
「ジンジャークッキー焼いたから。頑張ってね。」
籠から出てきたクッキーがサクサクと小人を手伝いだし、イブの夜は家族と過ごせそうだと小人達は喜んだ。
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