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pasteltime
ドローン課長 / 毎週ショートショートnote
三日続けて酷い吹雪だった。
窓から白一色の景色を見ながら珈琲を飲む。こう酷い吹雪だと出社出来る人間も限られるし仕事の依頼も少ない。
「課長は今日も遅刻ですかね。」
雪で視界も悪く、除雪も行き届いていないから毎日渋滞だった。僕は近いし、先輩はすごく早く家を出ているらしい。
「今日は遅刻しないって連絡きてたよ。ドローン課長になるんだって。」
「何ですか、それ。」
「ドローンを先に出社させて遅刻は回避する作戦らしいよ。」
先輩みたいに早く出社したらいいのに、と思いながら吹雪の様子を見ていると、白い景色の中にドローンが現れた。
「あ、来た。窓開けてあげて。」
「ドローンだけ飛ばして自分は後から来るなんてアリなんですか。何だかズルいなぁ。」
窓を開けると同時にびゅうっと風が吹いた。
真っ白な地吹雪に煽られてドローンは流れ星みたいに飛び…あっという間に見えなくなった。
「あーぁ。ドローン課長も遅刻確定っすね。」
ぴしゃり、窓を閉めた。
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