ショートショート王様 / 毎週ショートショートnote

「わしはショートショート王様である。ここに城を建て王国とする。」
机の上で小さな冠をつけた小さな男が言った。
「困るよ。ここ僕の部屋だし。」
「本を読まぬ者に机など不要であろう。まぁ我が国自慢のショートショートが全部読めたら考え直してやってもよいが。」
王様が手招きすると家来らしき数名がヨイショと沢山の小さな本を運んできた。
「小さすぎて読めないよ。」
「わがままじゃのう。子供なら見えるはずじゃ。」
ピンセットが無くちゃ開く事も出来ない。
「無理だよ。それに机の上に建国だなんて、もしお母さんが見たらビックリするよ。」
「それは心配無用じゃ。大人にはわしらは見えぬ。」
「純真な子供にしか見えないってやつ？」
王様は首を振った。
「大人は眼の調節力が弱いから、ちょうどこれくらいの大きさのモノが見えぬ。何か見えたと思っても、目を細めたり距離を変えたりしている間にわしらは隠れられる。老眼ってやつじゃ。」

ショートショートのお題がショートショートって。「参加自由だけど、こんな難しいお題じゃ書けないでしょう。はっはっは。」と勝手にたらはさんをＳな方だと想像してドキドキしてます。

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