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tama3ro
チャリンチャリン太郎② / 毎週ショートショートnote
「チャリンチャリン太郎ですね。」
不自然なダイイングメッセージを見ながら中田が言った。
「そんなふざけた名前の奴いないだろ。」
「犯人の愛称ですかね。」
近田は首を捻った。長すぎる。書いている気力があるならリカは助けを呼べただろう。
「所々血の濃さが違うじゃないか。」
「それは、ほら、指に血をつけ足して書いたとか。」
中田はやはり推理には向いていないようだ。
「最初のチャリンは乾き具合から後から書き足されたものだろう。チの上の線も後からかもな。ヤは大きいしリには擦れているが横線が入っている。ノも後から書いてるのかなぁ。そうするとナ・カ・タ…?」
鈍い音と共に後頭部に激痛が走り気を失った。
「さすがチカ先輩。でも残念です。」
中田は『チカサン大好』まで書いて倒れていたリカを起こした。
「ありがとう。私やっぱり魚が苦手で捌いている途中で気分が悪くなっちゃって。」
「チカ先輩に魚料理作るんだろ。頑張れ。」
「チカサン大好」に中田が書き足して「チャリンチャリン太郎」に…苦しいですね。
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