真夏のトルコ旅行記②お湯は出ないけど人は温かかった
*期間
2023年7月7日~7月17日
*旅行行程
7月7日 羽田空港発
7月8日 イスタンブール空港着
7月9日 イスタンブール⇒カッパドキア
7月10日 カッパドキア
7月11日 カッパドキア→イスタンブール
※イスタンブールを経由してイズミルに行く予定が、飛行機の遅延で足止め
7月12日 イスタンブール⇒イズミル
7月13日 イズミル
7月14日 イズミル⇒イスタンブール
7月15日 イスタンブール
7月16日 イスタンブール⇒成田着
※国内外すべてターキッシュエアラインで移動
*費用
約100万円/2人(どんぶり勘定)
内訳はいつの日か公開
前回の記事
イスタンブールに到着、ホテルへ
21時55分発の羽田発イスタンブール行きの飛行機に乗る。
新婚旅行をかねていた?ため、今回は奮発して直行便。
早朝、イスタンブール空港に到着。
深夜便だったせいか初めて飛行機でぐっすり眠れた。離陸すら記憶にない。
さっそく旅の準備。
まずはキャッシング。イスタンブールの交通カードを購入し、ホテルに向かう。
荷物だけ置かせてもらうつもりが、なんと朝8時30分からチェックイン可能と。
しかも無料。そんなことあるんだ。
事前に朝8時ごろに行きたい旨を伝え、タクシーで宿に向かう。
宿の前に到着。キャッシングしたばかりで細かいお金がないため、お釣りをもらうつもりで現金を手渡す。
すると運転手は「お釣りないからチップでいいよね!」と、笑顔。
「さっそくか」と呆れつつも、なんとなくチャーミングな笑顔に私たちも釣られて笑う。
お釣りにぴったりな額の現金が彼の手元にみえたのだが、思わず「OK!」と言ってタクシーを降りた。
ちゃっかりしてる。どこの世界でも愛嬌って大事。
宿は空港からタクシーで5-10分ほどの場所にあった。
…人の気配がない。
家の周囲をぐるりをまわる。ドアは開いているが、中は薄暗く、音もしない。
おそるおそる電話をしてみると、機嫌悪そうにおじさんがひとり出てきた。
「そこ座って」とぶっきらぼうに言われ、こんな朝早くきたことに申し訳なさと気まずさを感じながら遠慮がちにソファに座る。
少しすると「シャワーそこ」と一言説明をされ、部屋に通される。
高評価って一体・・・
ブッキングドットコ、ムシンジラレナイ・・。
気を取り直してひとまずシャワーへ。
お湯が出ない。あらゆる方向にレバーをひねるが冷水しか出ない。
私はサウナが苦手だし、水風呂なんて入ったこともない。整うなんて信じられない。サウナに入るといつかヒートショックを起こして死ぬんだと思っている。
でもそれ以上にお風呂に入れないことが嫌だったので、決死の覚悟で水浴びへ。
よし!と気合を入れる。
体に水が当たらないように慎重にレバーを動かす。
冷水を浴びるとき一瞬だけ息をとめる。
いったんシャワーを離して、ふーっふーっと数回深呼吸して、勢いよく息を吸う。
これを繰り返しといるうちに生命の危機を感じたため、大体のところで終わりにした。辛かった。
排水溝も髪の毛でつまっており、水が流れていかない。更にいうとアメニティ有になっていたのに、表記のないボトルが1本と長い髪の毛のついた石鹸しかなかった。海外では「有」にこういう概念も含まれているのか・・。
(これもまた旅の醍醐味なのでこれもまたよしと思っている)
明日までだから頑張ろう、耐えようと思っていたが、宿を立つ頃には、またこの宿に来たいと思うようになっていた。
トルコ人にとっての父がアタテュルクなら、私たちにとってのトルコの父はここの宿主だ。
私たちが来る前日、多忙で寝るのが遅かったそうだ。そのため最初の印象こそ悪かったものの、実際はご夫婦2人とも温かくキュートな方だった。
お互い英語が得意ではない中、翻訳機や英語が堪能な息子を通してコミュニケーションをとり、私たちの旅を助けてくれた。
あれ?いい人かもしれない。
なんとなく居心地が良く快適な宿に思えてきた。
夜にはお茶に誘ってくださり、私たちのことをきいたり、夫婦自身のこと、家族のことなどを楽しそうに話してくれた。
すぐに彼はとても人懐こく、分け隔てなく誰にだもフレンドリーに接する、とても愛嬌のある人物だとわかった。
ほんの少しのお釣りをわたすために、家中からコインをかき集める宿主。
慣れない翻訳アプリを使い一緒懸命に話しかけ、こっちにおいでと手招きしてくれる妻。
ふたりともとっても素敵なご夫婦だった。
そして遠慮がちな私たち夫婦にとって、会話に誘ってくださったことは、それはそれは嬉しく、楽しいひと時だった。
便利な立地ではなく、住宅を改装した宿なので、決してキレイとは言えない。写真とも違う。正直全然ちがう。
振り返ってみるとトルコ人のイメージは微妙。
それでも適度な距離感を保ちつつ、家族のように温かく接してくれる彼らは大変魅力的で、イスタンブールの父と呼びたいくらいに思い出に残る出会いとなった。
また会いに行きたい。
でもでも、お湯だけはいつでもでるようにしてほしい。切実。
次回へ続く。