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ガラス窓の向こう側とこちら側@国分寺

JP国分寺駅のホームで電車が来るのを待つ。
何番ホームだったか……? 正面に、駅ビルの総菜売り場の窓が見える場所ある。
年に数回しか来ない場所だが、私はここのホームで電車が来るのを待ちながら、ガラス越しに店内を眺める(たぶん、凝視している)時間が好きだ。
中で買い物をする人はこちらを気にすることはない。
たまに子どもが電車に向かって手を振るくらいだ。彼らは電車や運転手さんに向かって手を振っているはずなので、私は気づかないふりをする。


一方で、駅ビルの中で買い物をすると、ホームで電車を待つ人が見える。
私も、店の内側で買い物しているときは、わざわざ窓の前に立って外を見下ろすことはない。外の天気はどうかな? と様子をちらっと見ることはあっても、紫外線カットの加工がされているのか、外が少し暗く見える。
店内からホームを見ると、電車を待つ人は、だいたいスマホ片手に下を向いていて、こちらを気にすることもない。

ガラス3枚が並ぶ横長の窓を隔てて別世界で、水槽の中と外のようだ。ちなみに店内は、魚介類の売り場のすぐ脇にある。
一旦駅の外に出て、駅ビルに入ると、総菜売り場は地下1階。
地下階の高さからの視点よりも、屋外である駅のホームからの視点の方が下なのも不思議。
総菜売り場って、だいたい地下にあるのに、窓があるのも不思議。
こんなに近いのに、互いの世界が交わることはないのも不思議。

駅のホームから窓の中を見ると、お店の幟が見えて、眼を凝らして魚介類の売り場の奥の方まで見に行きたい気持ちになる。 

電車が来るというアナウンスが響くと、スマホを眺めていた人たちの姿勢が伸びる。
電車に乗ると、すぐに売り場のことは忘れてしまう。
けれども、魚を食べたくなったりして、影響を受けているなと後で気づくことがある。

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