サイン様多項式の導入
ねこっちです。今日は、私の趣味の一つである数学に関する話題を投稿します。今日のテーマは「サイン様多項式」と私が名付けた多項式に関する導入です。
サイン様多項式とは
定義と例
サイン様多項式とは、次の定義を満たす$${x}$$の多項式のことです。
定義:$${n}$$を正の整数とし、$${k=0,1,2,\dots, n}$$とする。このとき、$${x=\pm k}$$において極値$${(-1)^k}$$をとり、それ以外の極値をとらないものを「$${n}$$階の広義サイン様多項式」と呼ぶ。
例えば、$${n=1}$$とすると、「1階の広義サイン様多項式」は$${x=0}$$で極大値1、$${x=\pm 1}$$で極小値$${-1}$$をとります。
このような多項式は、例えば
$$
f(x)=2x^4-4x^2+1
$$
がありますが、他にも
$$
g(x)=4x^6-6x^4+1
$$
も1階の広義サイン様多項式の条件を満たします。そのため、この「サイン様多項式」は一意ではないことが分かります。
狭義サイン様多項式の定義
サイン様多項式には「狭義」もあり、この定義は以下となります。
定義:$${n}$$階サイン様多項式のうち、次数が$${2n+2}$$のものを狭義サイン様多項式という。
狭義サイン様多項式には、次数に制限があります。
考えたきっかけと名前の由来
きっかけ
サイン様多項式は、2020年9月24日に考えたものです。この日は何があったのかはあまり思い出せませんが、午後に正弦関数のマクローリン展開で遊んでいた記憶があります(「grapes」というグラフ描画ソフトでグラフを描いて遊んでいました)。その際、正弦関数のマクローリン展開
$$
\sin x=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n+1)!} x^{2n+1}
$$
の式を有限で打ち切った多項式について考え、その多項式の極値が$${\sin x}$$の極値である$${1,-1}$$と完全には一致しないことに気づきました。そのとき、次のような疑問が浮かんだのです。
「極値が$${1,-1}$$であり、さらにその極値をとる$${x}$$の値が等間隔で並んでいるような多項式はどのようなものか?」
これがサイン様多項式を考えるきっかけとなった疑問です。
その後、正弦関数のように$${1,-1}$$の値を極値としてとる一方、その極値を与える$${x}$$は$${x=0,\pm1,\pm2,\dots,\pm n}$$となるようなものをサイン様多項式と名付け、上の定義に至りました。
名前の由来
「サイン様多項式」という名前は、まぎれもなく正弦関数に類似したグラフの概形をもつ多項式であることからそう名付けました。しかし、定義を見るとサイン関数ではなくコサイン関数に類似した多項式になっています。これは定義の式を簡潔にするためで、実際はこの定義における「サイン様多項式」を平行移動すれば正弦関数のようになるので、上記の定義を採用しました。
今後の議論
今後はこの「サイン様多項式」を題材にした記事をあと2記事~3記事投稿し、「$${n}$$階の狭義サイン様多項式が$${n\geq2}$$の場合は存在しないこと」、および「$${n=2,3}$$の場合における広義サイン様多項式の一例」について述べようと思います。
本記事は以上です。ねこっちでした。