山神隧道(やまのかみずいどう・山神トンネルとも)
私が心霊スポットの記事を書き始めるとしてどこが適当か、というとやはりここになるだろう。
山神隧道というのは、神奈川県厚木市七沢にあって、鐘ヶ嶽という山の南東の位置に掘られたトンネル。
このトンネルの上の山ノ神峠からはその鐘ヶ嶺の山頂や大山阿夫利神社があることで知られる丹沢の大山にいく分岐がある。
またそのすぐ近くには、浅間信仰の山である鐘ヶ嶽の神を祀るものだろうか、山の神を祀った祠があり、このトンネルの名前はそこが由来なのだろうと思われる。
この山神隧道を抜けて進むと、不動尻を経由して唐沢・大山方面や三峰山への登山道に行くことができる。
この山神隧道という場所がどういう現象が語られる心霊スポットなのかというと、いくつか話はあるが代表的なものとしては以下がある
神隠しに遭う
昔事故で亡くなった作業員の霊が出る
昔このトンネル前にあったトイレで暴行されて自殺した女性の霊が出る
磁場が狂った0磁場地帯であり、感覚が狂う
作業員の話を除いて、トンネルでありがちな話からちょっとズレているのは、きっとこのトンネルが車では来れないからなのだろう。
とりあえず、私がこの心霊スポットに初めて赴いたのは2019年のことである。
その頃の私は車の免許はあったもののほとんど運転はしておらずペーパードライバーだったので自分で車を運転して向かうというのは論外だった。
そこで電車とバスを乗り継いで、七沢のあたりにやってきた。
時刻はまだ午前中という心霊スポットに向かうには一番不適だろう時間だった。
登山のお約束で、暗くなる時間には山を動いては行けないというものがあり、今回は別に山自体登るわけではないものの、それを守るとそうなってしまったわけだった。
また、帰りも公共交通機関を使う関係上、あまり遅くなってもいけない。
それに帰りが遅くなると広沢寺温泉の日帰り入浴の営業が終わっているかもしない。
そんなこんなで複数の理由が合わさって、朝方バスを降り、そこから道を延々進むと、ニノ沢ゲートという車の出入りを防ぐゲートを経由し、山神隧道に着いた頃にはもう昼過ぎになっていた。
今もやっているが、その頃から私はiPhoneを使ってツイキャスという配信アプリでライブ配信をしており、その時もトンネル前で配信を開始しようとしたが、電波状況が非常に悪く繋がらなかった。
そこで配信は諦め、iPhoneのビデオ撮影機能を使って撮影をして後でそれを編集してYouTubeにアップしようと考え、早速カメラアプリを起動した。
編集して動画として公開することを念頭に置いていた私は、ダンマリでトンネルを通り過ぎるだけでは後で映像化した時に素材として使いづらいと考えて、色々喋りながらトンネル内を進む。
ここではどういう怪奇現象の噂があるとか、どういう謂れのある場所だとか。
そんな中、もう昼過ぎだったこともあり、このトンネルを見た後にさらに行って不動尻の廃キャンプ場を見に行って戻ってくる頃にはもう夕方になってしまうかもしれない。
それはあまり良くないな、的なことを呟いた。
すると、その声に被せるように「うん」と、何者かの同意するかのような声が入っていた。
YouTubeにて音声をご確認ください
(【心霊スポット】山神トンネル_190120
https://youtu.be/FUs2MIGEuUY)
この声に気づいたのは、幸いにして色々みてから帰宅し、その後しばらくしてから動画の編集を行おうとした時だった。
現場で後に気づいていたらどうなっていただろう?
この音に気づいて以降、私は
「何かいわれている場所には何か起こるのかもしれない」
「そんな場所をこの目で見てみたい」
「あわよくばそこで起きる何かを撮影したい」
そんな思いを抱き、心霊スポットと呼ばれていることを回るようになった。
特に山神隧道ならびに不動尻廃キャンプ場はこの年から毎年赴いているが、何か起きたというのはこの一回しか体験していない。
しかしまたいつか、かの声の何者かと邂逅できることを願っている。
【追加】
大事なことを書き忘れていたので追加。
現在、かつて事件が起きたトイレのあった場所と噂される山神隧道前の広場ならびに、不動尻廃キャンプ場は再整備されてそれぞれ山の神沢広場、不動尻広場になっています。
夜のトンネルならばいざ知らず、広場や廃キャンプ場に肝試しに行っても雰囲気ないと思いますよ。(2023年11月追加)