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えのぐ2周年ライブの話と、彼女たちと僕にとっての2019年
去る2月16日、岩本町芸能社所属VRアイドル「えのぐ」の結成2周年ライブ「enogu 2nd Anniversary Live -Colors-」が有楽町のヒューリックホール東京にて行われました。昼と夜の二部公演でしたが、夜の部のほうはYouTube Liveでも無料生配信され、現在もアーカイブを閲覧することができます。
そう、無料で見れてしまうんですよ。2020年2月現在の最新のえのぐのライブパフォーマンスが。
でも気をつけてほしい。ぜんっぜん初見向けのライブじゃない。
えのぐ2周年記念ライブ生配信について
— えのぐ@VRアイドル (@rbc_geino) February 5, 2020
「えのぐ」の今後の活動についてどうしても皆さんに聞いてもらいたいことがあるので、「enogu 2nd Anniversary Live ~Colors~ [夜の部] 」をえのぐYouTubeチャンネルで配信させていただきます。急な決定で申し訳ございません。#えのぐ
上記公式アカウントのつぶやきの通り、今回の無料配信については「より多くの既存ファンへ、直接伝えたいことがある」から急遽敢行されたものであり、もとより新規ファンを獲得するためではありません。
じゃあ初見は見るなって話かというと、見てほしいんですよ。推しががんばってる姿を見てほしくないわけがない。見て、あわよくばファンになってほしい。
そのために、これからえのぐに触れる方の一助となるように。ライブの前後になにがあったか、ライブで行われたことはなんだったのか、既存ファンとして知っていること、そして感じたことを、つらつらと書き連ねていこうと思います。
ライブ以前: 桜子の引退発表から
栗原桜子アイドル活動引退のお知らせ
— えのぐ@VRアイドル (@rbc_geino) January 31, 2020
2020.1.31
岩本町芸能社 pic.twitter.com/dkQ5TBJTHx
2020年1月末、えのぐの界隈は深い悲しみに包まれます。昨年春から休養を続けていたメンバーのひとり、桜子のアイドル活動引退が告げられました。この時点で今回のライブは2週間後に迫っています。
これを受けて、
えのぐがこれからどうしていくべきなのか、メンバー同士で話し合う時間をください。
— 白藤 環 (@erimakitamaki) January 31, 2020
少しの間えのぐの全活動を止めて、桜子のこと、2周年ライブのこと、今後のグループ活動のことなど、メンバー4人とスタッフさんで考えたいと思います。
そして、
お待たせしてしまって、ごめんなさい。
— 鈴木あんず (@anzu15_225) February 5, 2020
約一週間、たくさんのことを話し合って私たちの気持ちは固まりました。
すべて、2月16日の二周年記念ライブでお話しさせてください。
なんだかお久しぶりです(*´꒳`*)
— 夏目 ハル (@haru_neee) February 5, 2020
話し合いをしていたこの数日で、
2周年記念ライブの構成を大きく変えて...
私たちが伝えたい言葉をたくさん詰め込みたいので、MCも自分たちで考えさせてもらいました🎤
みなさんと最高の時間を過ごすライブ、
待ち合わせの日まで準備していきます💪🔥
約一週間、メンバーやスタッフさんとたくさんの事を話してきました。
— 日向奈央 (@hinao_23ku) February 5, 2020
Twitterやブログでお話する事も考えました。でも、私たちが今まで1番頑張ってきたのは "LIVE" です。
だから、今度の2周年LIVEで、私たちの気持ちを聞いてほしい。
だから!!!!!!!!!!!絶対に来て!!!!!!!!!!
今のえのぐの全部をこのライブでぶつけたいと思います!!!!!!!!!!!2月16日、ヒューリックホール東京で待ってます!!!!!!!!!絶対に、絶対に後悔させないから。来て欲しいです。不安にさせて本当にごめんね。わがままかもしれないけど、えのぐを信じてついてきてくれると嬉しいです。
— 白藤 環 (@erimakitamaki) February 5, 2020
……とのことで、すべては16日のライブ当日までお預けとなりました。まあ不安だよね。ひとによっては最悪の事態まで想像してしまった場合もあると思います。僕もだいぶナイーブになっていました。
心を強くもとうとはしているけど昼夜で2万円支払ったイベントを楽しみに待てないってよく考えるとなかなかつらいな。
— kahlua(かるあ) (@nekosogi) February 6, 2020
こうして、戦々恐々とした思いを抱えたままライブの朝を迎えることになります。
ライブ当日 その1: 序幕
セットリストは以下にまとめてあります。
まずは開幕、手撮りの映像が静まりかえった会場に流れはじめます。
あっもう空気が違うわ。普段の配信等の明るい、にぎやかな雰囲気とは異なる、トーンの落ちた4人の声。あんずに至っては泣いて涸らしたのか最初誰だかわかりませんでした。
えのぐのライブというと今まではこんな感じで始まってきました。おそらく、当初はこちらに近い形だったんだと思います。純粋に、ただ楽しませるためだけのライブではない。痛みを伴っても、えのぐからファンへ想いを伝える場でもある。再認識が、実感とともに湧き上がります。
ライブ当日 その2: ピアノアレンジされた「栞」
映像から続く一曲目は「栞」のピアノアレンジバージョン。演奏はにしのえみさんが担当しています。
(僕個人の経験としてはバーチャルの存在と生演奏の共演はシオカライブ以来二度目になりますが、このスタイルいいよね。もっと見てみたい)
以前noteにも書きましたが、「栞」はえのぐの2019年の活動を総括した曲であり、そして、桜子が一度も歌っていない曲のひとつでもあります。
めくるめく明日に手を伸ばそう
見た事無い世界が僕らを待っている
誰も置いて行かないから
君と僕の
終わりのない物語
(「栞」歌詞より)
"えのぐという総体"と"ファン"の話と捉えればなにも破綻はないのですが、感情はそう大人しく飲み込んではくれません。既に桜子という"置いて行かざるを得なかった存在"がいる今の状況で、この曲を歌う意味。どうしても考えさせられます。
ライブ当日 その3: 「絵空事」
(たまき氏、相変わらずすげえ跳ぶな……)
「絵空事」の初出は2018年8月、初めてリアルのハコで開催されたライブ「岩本町劇場プレオープン記念ライブ ~このえのぐセットやばい~」でのお披露目でした。彼女たちがアイドルとしてのステージ衣装で舞台に立ったのもこの時が初めてです。
わかりやすく盛り上がる曲調。ライブで歌われる機会もとりわけ多く、まさしくえのぐの切り札と言えるものです。内容からしてどうしても重くならざるを得なかったMCから一転して、切り替えて、"ライブ"を始めるための一曲として適任だったのではないでしょうか。
とはいえ、「絵空事」はただブチ上げるだけの曲ではありません。歌詞にはこれまでの活動を重ね合わせてしまうような部分があったり、そして、
One time 君とは
Two thing かけがえない 大切な言葉が
ぎゅっと 上を向いて
3 high 一緒に
4 U きっと未来へ
(もっと もっと) そう 5ing & 5ing & Up
(「絵空事」歌詞より)
明確に5人であることを意識したつくりになっています。
ライブ当日 その4: 「常夏パーティータイム」(昼は「YeLL for Dear」)
どちらも昨年発表されたもので、文脈とか気にせずストレートに盛り上がれる曲です。いやまあ「YeLL for Dear」は優しすぎて弱ってる時に聞くと泣いちゃうやつなんですけど。「常夏パーティータイム」は頭からっぽにして酒つめこむのがよいやつです。ライブ会場での飲酒は運営の指示に従いましょう。だいたいはダメだと思う。
(ちなみに、桜子がライブで「YeLL for Dear」を歌う機会はなかったのですが、各サイトで販売されている配信版は5人での収録が行われています。こちらが事実上、桜子が最後に歌った楽曲となっています)
ライブ当日 その5: 「ショートカットでよろしく!」
こちらも明るくノリやすいラブソング。えのぐのオリジナル楽曲のなかでは2番目に古く、はじまりの1曲目こと「えのぐ」がしっとりとした調子のものだったため、続く「ショートカットでよろしく!」を耳にした時は「うおおおおおいよいよアイドルっぽい!」と昂揚したものでした。
ライブ当日 その6: 「Brand new stage」(昼は「ハートのペンキ」)
それぞれ、2018年を締めくくる曲と、2018年を代表する曲、といったところでしょうか。「Brand new stage」の初出は2018年12月、5ヶ月連続で行われたリアルライブのラスト、「えのぐ5thライブ in 秋葉原 / presented by 秋葉原映画祭」のトリでお披露目でした。一方「ハートのペンキ」はメジャーデビューシングルのリード曲、いまの彼女たちの名刺的存在とも言えます。
そして「Brand new stage」には「絵空事」と同じく、5人を意識した歌詞があります。
さぁ どこまでも行こう(行こう!)
手をつないで それぞれのカラー 5色の奇跡
(「Brand new stage」歌詞より)
5つのピース 繋げて 星を結んだ
いつかの空に 浮かんでいた 星座みたい きらり
(「Brand new stage」歌詞より)
ライブ当日 その7: 「僕たちの青春ロード」
前曲の終わり際であんずと環がハケて、ハルと奈央のふたりだけが残った時、「まさか」と思いました。
「僕たちの青春ロード」は、えのぐ内ユニット「ひなつくり」の、ハルと奈央と桜子の3人の、3人のための曲です。
もともとは岩本町芸能社「アイドル部」所属のあんずと環(「あんたま」)で始まった芸能活動。ふたりのがんばりが実を結び、"アイドルの研究生"を脱し"正真正銘のアイドル"としてのメジャーデビューが決定した折、「メンバーを増やしてはどうか」という話が持ち上がったそうです。その際に名が挙がり、そして実際に加入することとなったのが「女優部」所属のハル、奈央、桜子の3名でした。
しかし、デビューの機会を勝ち取ったのはあくまで「あんたま」のふたり。「その努力の尻馬に乗る形のままで果たしてよいのか?」ということで用意されたのが楽曲「僕たちの青春ロード」、そして「MV10万再生」企画です。
VRアイドル「えのぐ」の仮メンバーである、夏目 ハル、日向 奈央、栗原 桜子 の、通称「ひなつくり」によるオリジナル楽曲です。
このMVの、YouTubeとニコニコ動画の合算再生回数が【10万回】を達成すると、3人は晴れて、えのぐの正式メンバーとなります。
これは、鈴木 あんず、白藤 環 の通称「あんたま」が、Twitterフォロワー1万人を達成してCDデビューを勝ち取ったように、自分たちも何か目標を達成して、ファンの方々にえのぐとして認めてもらいたいという、本人たちの想いから始まった企画です。
(【オリジナル曲MV】僕たちの青春ロード / ひなつくり【合計再生数10万再生達成!】より)
(とはいえファン側からの、彼女たちの立場に疑問を呈する声は当時ほとんどなかったと記憶しています。彼女たち自身が納得できるかどうか、それが重要だったのではないかと)
歌詞では、そんな3人の想いがまんま直球で表されています。
そう途中から 合流をして
歩き始めたことが
ずっと 負い目だったよ
(「僕たちの青春ロード」歌詞より)
「僕たちの青春ロード」が最後にライブで披露されたのは2018年11月。昨年は一度も歌われていません。当たり前といえば当たり前なんですけどね、ほぼ常にメンバーが足りていなかったから。
ですがここにきて、とうとう歌われました。桜子がいないまま、ハルと奈央のふたりだけで。
ハルの紫と、奈央の緑。そして、不在の桜子を肩代わりするかのように振られる黄色のペンライト。
数字の多寡で差をつけたくはないけれど、それでもやっぱり、1/3が欠けている状態で歌われるこの曲は、1/5が欠けた他の曲と比べてもとても重たいものでした。
ライブ当日 その8: 「君がいてくれれば」
あんずと環の「君がいてくれれば」。ひなつくりがあんたまと肩を並べるために歌われた「僕たちの青春ロード」に対し、こちらは"はじまり"から歩み続けてきたふたりのための、ふたりだからこそ歌える曲となっています。
「僕たちの青春ロード」同様、昨年は歌われていない曲です。この2曲で対になっているところありましたので。
ライブ当日 その9: 「栞」
冒頭で歌われた「栞」が、通常バージョンで再びお目見えします。
だからみんな、一緒に、思いきり、大きな声を出してください。
みんなの声ひとつひとつが、この物語の大切な栞になります。
(奈央MCより)
ライブ当日 その10: 「Colors」
いよいよ、次がラストの曲です。
これからやる曲は、本当なら1年前の1周年記念ライブで披露する予定でした。
でもハルちゃんと桜ちゃんが休養に入ってしまったので、「5人で歌えないなら」と思って、そこで歌うことはやめました。
だから、今度こそ、5人で2周年記念ライブを迎えられるようにと願いを込めて、今日の公演名を決めました。
桜ちゃんの引退が決まって、4人になって、この曲を歌っていいのか迷いました。
5人の思い出の曲として、歌わずにしまっておくほうがいいんじゃないかと考えたこともあります。
でも、でも4人で話し合って、それじゃ前に進めないと思いました。
5人のえのぐを忘れるわけじゃありません。
でも、次の一歩を踏み出すために、この歌を歌います。
聞いてください。えのぐで「Colors」。
(あんずMCより)
新曲です。新曲ですが、一年近く溜め込んで、お蔵入りすら検討された曲だと彼女は語ります。
歌詞は"別れ"と"別れを経て進む未来"に臨んだものとなっています。しかし1番(及びラスサビ)と2番では少し趣が変わっていて、前者は「過去の自身との決別」、後者は「他者との別離」をそれぞれ描いています。
本来お披露目されるはずだった、昨年の「enogu 1st Anniversary Live ~ARe You Ready?~」で5人揃って歌われたとしたら、きっと1番がフォーカスされる形でそれぞれの心に刻まれたことだと思います。想像ですが。
さよなら ここで昨日の僕に手を振る
踏み出すその一歩が未来に変わる
ここから続く希望の色を見せて
君にしか出せない君らしい色に染めて
無限に広がる宇宙を七色に染めてゆくよ
(「Colors」歌詞耳コピ)
昨日までの自分に別れを告げて、無限に広がる未来へ。五色から、ありとあらゆる色彩(七色)へ。2019年の「えのぐ」の、更なる展望を予感させ、また、ギアを上げてもファンたちについてきてもらいたい、その心構えを問いかける。「ARe You Ready?」という副題にふさわしい新曲。でも、それは叶いませんでした。
そして2020年、桜子との別れが確定していたこのタイミングで歌われる2番が、途方もない重力を帯びることになりました。
気付けばいつもそばにある光は
僕の心すべて包み込む
出会えた奇跡 いっしょにやってきた
いつか来る 別れの悲しみが
この瞬間はもう二度と訪れたりしない
一秒全て無駄になんてしたくなくて
さよなら それは別れの言葉じゃない
いつかまた会う日への合言葉さ
願いもやがて夜空へ色をつけて
カラフルに輝く散らばる星になって
君の心へと流れるその星は何色かな
(「Colors」歌詞耳コピ)
これについてはえのぐの4人も、スタッフも明らかに自覚的で、その意思が照明演出として表れていました。
多用される"黄色"の照明。
特筆すべきはやはり2番です。それぞれのソロパートにおいて、黄色と組み合わされたバイカラー。まるでメンバーひとりひとりが、桜子に別れを告げているかのようで。この想像はきっと正しい。このライブは、この曲は、ファンが、そしてそれ以上に彼女たち4人が、桜子とはっきりお別れをするために用意されたものなんだと、僕は考えています。
終わり際は、4色のライトで締めくくられます。舞台上にもう桜子の姿はありません。これからは4人で前を向いていく、そういう決意表明だと受け取りました。
ライブ当日 その11: 「スタートライン」
エハラミオリ(旧名じーえふ)。Vの世界に足を突っ込んでいるなら、だいたいのひとは知っていると思います。斗和キセキを筆頭に、担当VTuberがよくインターネット交通事故を起こしていることで有名な方です。多才で肩書きも多く、作曲家であったり、ライターであったり、DJであったり(「プロデューサー」はやめた模様です)。岩本町芸能社の関係者でもあり、えのぐの後輩のMarprilを担当しています。
改めて告知します。Vティーク vol.4で若きコンテンツメーカーになりました。斗和キセキ、蒼乃ゆうき、Marpril、ヨシナ、柚子花をよろしくお願いします
— エハラミオリ (@eharamiori) July 8, 2019
2019年 7月8日 エハラミオリ pic.twitter.com/5rhCq2doLs
で、この方、だいぶ重度なえのぐのオタクです。
いちファンでありつつ、ファンには窺い知ることのできないえのぐの内側を見てもいる(どの程度関わっているのか知る術はありませんが)、なんとも特異な立ち位置。そんな彼がえのぐのために、今回のライブのために描き下ろしてくれた曲が「スタートライン」になります。
読んでくれたらうれしいです pic.twitter.com/FggSogUe1U
— エハラミオリ (@eharamiori) February 5, 2020
教室の隅 いつもの朝に差し込んだ口笛がもう懐かしく聞こえるね
(「スタートライン」歌詞耳コピ)
リアルタイムで会話が出来るVRアイドル鈴木あんずが初お披露目です。
— えのぐ@VRアイドル (@rbc_geino) August 11, 2017
鈴木は、コミケ終了時までに弊社アカウントのフォロワーが10,000人を超えるとデビューすることができます!皆様フォローお願いします!
#C92 #コミケ #岩本町芸能社 #VRアイドル pic.twitter.com/y0sMk6IOvr
逃げる理由も弱さも まだ心の中にあるけど
ほんのわずかな気持ちを泥だらけの靴がつなぎとめた
(「スタートライン」歌詞耳コピ)
いま星たちが目指す彼方 巡り合って描くシナリオ
その結末はわからないけど 大丈夫向き合える
いま星たちが目指す彼方 手を繋いでかきあげた空
その額縁を飾る僕らのスタートラインへ
(「スタートライン」歌詞耳コピ)
「Colors」を受けて、ファンの"えのぐ"コールが繋いだ先がこの曲なんですよ。泣くしかないじゃないですか。
ありがとうエハラミオリ。以前Twitterで批判的なこと言っちゃってごめんね。あれはあれで本音だけど。間奏のもゎょもゎょしたとこ好きだよ。
ライブ当日 その12: 「えのぐ」
アンコール2曲目、ほんとうのラストを飾るのは「えのぐ」。初出は2018年5月、グループ名そのものを冠した"はじまりの一曲目"です。
午後のチャイム 響く廊下
僕は今日も君を想ってる
(「えのぐ」歌詞より)
えのぐが4人になっても桜子を忘れるわけではありません。ずっと想い続けていきます。彼女たちも、ファンも。
ライブ終了直後
本ライブのメインビジュアルは既にご覧になっていますよね? YouTubeのサムネにも使われているので。
enogu 2nd Anniversary Live -Colors-【夜の部】が終了しました!
— えのぐ@VRアイドル (@rbc_geino) February 16, 2020
ご来場の皆さま、YouTubeでご視聴の皆さま、本当にありがとうございました。今後とも「えのぐ」をよろしくお願いいたします!#えのぐ2周年ライブ pic.twitter.com/nKFVCoN1CN
もちろん現地にもポスターとして複数掲示されていたんですよ。そのなかで、ライブ終了後、会場を後にするタイミングで発見した一枚の写真をここに残しておきます。
多くは語りません。
えのぐにとっての昨年、そして"えのぐ 第1部"のおわり
気付けば、昼夜合わせるとソロ曲以外のすべてのオリジナル曲が歌われていた今回のライブ。実にその数13曲。もちろん過去最多です。まさに総力戦と言えるものでした。
前項で触れた通り、そこには「えのぐが5人であること、桜子がいること」が前提の曲が複数あります。それを、それでも歌った。そして極め付けは、やはり新曲の「Colors」と「スタートライン」ではないかなと。
話は変わりますが、えのぐにとっての2019年は結果から言えば"飛躍し損ねた年"だと思っています。
TIF2019をはじめ逢い恋、INSPIX LIVE、各メンバーのソロ曲発表、外部イベント、コラボ……新しい、大きな動きはもちろん数多くありました。
でも、なんか、こう……パッとしなかった。
●はじめ、と言いつつTIFは"トロフィー"としては立派だったかもしれないが話題性・牽引力としては思ってた以上にビミョーだった、とか。
●定期的な生放送・ラジオがなくなってしまった、とか。
●ついに始まった他のVの者とのコラボ、でもスタジオ壁面に相手の止め絵を表示させるだけの配信はちょっと絵面がひどい、とか。
●カラバリはあったものの一年以上ずっと同じ衣装が続いた、とか。
●バーチャルライブの場として本格的にINSPIXに腰を据えてしまったから、パフォーマンスが洗練された反面クローズドな雰囲気が加速してしまった、とか。
そしてやはり、フルメンバーが揃っていないことが枷になって、本腰入れた活動ができていないのかな、と感じる場面がしばしばありました。
(休養したメンバーを責める意図は当然ないし責めてる輩いたらグーパンものだぞ)
(もちろん良い思い出もいくらでもあります。定期配信に代わって活況になった個人配信はメンバーそれぞれの、みんなでいる時とはまた違った一面が見れたりもして大変にご褒美でした。……でもこれも楽しい反面内輪向け訴求になってしまっている節を感じるな)
5ヶ月連続でリアルライブを行い、「Brand new stage」で今後の展望に想いを馳せて締めくくられた2018年に続いた翌年は、昂った熱量に、更なる期待に応えた"新しいステージ"とは言えなかったな、というのが僕の感覚です。
昨年「Colors」を歌えなかったという彼女たちの告白が、その認識をさらに補強することとなりました。本来であれば1周年記念ライブがえのぐの"第1部 完"であり、2019年の春以降が一層の興奮を伴った"第2部"となる目算だったのではないかと、今では思えます。
その「Colors」がやっと、ついに、歌われた。桜子の引退は当然誰も望んでいない出来事です。でも"えのぐの物語"の一編として、既に事実として存在しているものです。せざるを得ないものです。それも踏まえて、受け止めて、より多くの"意味"を染み込めて、改めて「Colors」が、エンディングテーマが歌われた2020年2月16日が、実際に訪れた"えのぐの第1部の終わり"ではないかと、僕は考えています。
そして連なる「スタートライン」。これからが、今度こそがほんとうの"新章"、"第2部"であると告げる鏑矢。いま前を向いて白線に立っている彼女たちは、きっと強い。新しい世界を期待したくなる、そう感じる一曲でした。
2020年がえのぐにとってどういった年になるかは、正直わかりません。昨年終盤からはにじさんじとホロライブというVTuber二大巨塔が、ストリーマー業で稼いできた膨大な客を引っ提げて、オフラインライブに、アイドル興行に本格参入してきています。もし競合するとしたらあまりにも高い壁です。
(正直、ストリーマー業に軸足を置いた(≒ライブパフォーマンスの追求が優先事項ではない)ままアイドルを標榜するホロ運営のやり方は"卑怯"だと感じつつ。でも、きっと商業的には彼らのほうが正解に近い)(いや何をもってアイドルとするかなんてひとそれぞれなんですが)
それでも信じたい。信じたくなるだけの魅力を彼女たちは有している。彼女たちにとって、今年が本当の飛躍の年になることを心から願い、応援し続けていきます。
そして、らっこちゃんのこれからが幸多きものでありますように。
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ご意見ご感想等ございましたらこちらからもどうぞ(マシュマロみたいなものです)。