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移住
2024年5月、私たちは住み慣れた街、東京を離れ地方へ移住した。
移住といっても私にとっては故郷だ。いわゆるUターン移住というやつ。夫は東京生まれ東京育ちなので初の田舎暮らしということになるのだが。東京から車で12時間。愛猫のさばおを連れての長旅だった。飛行機も考えたのだが12歳の老いた猫のことを考えた末の結論だった。
結果、どちらが良かったのかはわからない…。
移住の理由は色々あるが、簡単にまとめると大きな変化が必要だったのだ。
そんなこんなで、新居へお引越し。
築14年の戸建てという比較的新しい賃貸物件に住むこととなった。東京ではマンション生活だったので実家ぶりの戸建て。
設備も申し分なく、久しぶりの戸建て暮らしに心躍らせていた。このときは…。
私は重要なことを忘れていたのだ。それは突然私の目の前に現れた。そう虫…。
私は虫が大の苦手でなのだ。田舎といえば、虫たちと共存していかなければいけない場所である。
25年の時を経て、そんなことはすっかり忘れていた。しかも引っ越した先で私の視界に入ってきたのは、あのムカデだった。悍ましい風貌と毒。虫の中でもかなりの強敵。
とてもじゃないけど共存なんてできない。
しかも、夫は仕事の都合でしばらく東京。私一人、ムカデと戦う日々。
ムカデに怯え、夢にもうなされ、挙げ句の果てにムカデの幻覚も見えるようになってしまった。もはや病気だ。
とは言え、私が後からやってきたのだから仕方ない。虫たちがなるべく来ない住処を選ぶのみである。私は再度の引っ越しを決意。涙を浮かべ夫を説得。7月に無事、いまのマンションに引越ししたのだ。引っ越し貧乏とはこのこと…。
けれど、やっと心穏やかに眠りにつけるようになった。
そんなこんなで、引っ越してからかれこれ9ヶ月が経った。
やっと少しずつ日常に慣れてきた今日この頃。
2025年は心穏やかに暮らしたい。