【正義】

熱に浮かされて
一人きりで
心細くて

補助灯の灯りも消して
暗闇の中に
夢の中に堕ちて

微睡は一瞬
身体を捩って
辛さに耐える

ただひたすらに
癒えていくのを待つ

具合が悪くても
心を病んではならぬ

抗わずに闘う細胞に任せて
邪魔をせぬように
じっとしている

ああでも
こんなにも心細い

誰でもいいから
手を握っていて欲しい
頭を撫ぜて欲しい

手に入らないものに
手を伸ばす
夢現

これが作為によるならば

耐えて
耐えて
それでも耐えて

過ぎ去ってしまう日常を蝕む
黒い影

本当はどこに

あの人は知ってる
誰かが見ている
いつかは公になる

後ろめたさと戦って
浅はかさを嘆いて
前に進めばいい
閉ざされた道とも知らずに

誤りを正す力を
正義と思う

どんなに足掻いても
近道などないのだ

選択を誤ったとき
正しい道に戻れるのは
正しさを求めている人だけだ

誰かについていくのではない
自分で選ぶのだ