「風邪だと思います」本当に?
みなさん、こんにちはこんばんは😸
本日は、誰もが一度はなったことがある
"風邪"について
医師がどんな視点で見ているか解説していきます👨⚕️
医療リテラシー高めていきましょう💪
それではいきます
その1. そもそも風邪とは
風邪(風邪症候群)とは
咳、鼻汁、鼻閉、咽頭痛といった様々な上気道症状を呈し、多数のウイルスによって引き起こされる症候群
そして風邪はほとんどの場合無治療で自然に治ります😸
その2.本当にただの風邪なのか
「風邪っぽいんです」
と一言に言っても、咳、鼻汁、咽頭痛、倦怠感など、症状はさまざまです😷🤧😫
そしてそんな「風邪」症状を示す疾患は
みなさんの想像以上に多いです
一緒にみてみましょう📝
🙆♂️「風邪」症状でよくある疾患
✅典型的風邪型
✅ウイルス性鼻炎
✅アレルギー性鼻炎
✅ウイルス性咽頭炎
✅ウイルス性気管支炎
✅感冒後咳嗽+後鼻漏
⚠️「風邪」症状で見逃せない疾患
✅新型コロナウイルス感染症🆕✅インフルエンザ感染症
✅急性細菌性副鼻腔炎
✅A群β溶血性連鎖球菌性咽頭炎
✅伝染性単核球症
✅亜急性甲状腺炎
✅扁桃周囲膿瘍
✅急性喉頭蓋炎
✅肺炎
✅肺結核
✅心不全
どうでしょうか
結構多いですよね
一般外来診療における限られた時間の中
これだけの疾患の可能性を考えなければなりません(もちろんよくある疾患が圧倒的に頻度高いので、ひとまず対症療法を行う場合が多いですが)
これらを見極め、適切な治療を行うために
我々も色々考えております
その一端をご紹介していきます🐈
その3. 風邪へのアプローチ
前述した疾患たちを一つ一つ思い浮かべながら潰していくのでは、時間がいくらあっても足りません😂
そこである程度の決まったアプローチが存在します
それは
「咳、鼻汁、咽頭痛」3症状の有無と程度を確認することです📝
これらの3症状が急性かつ同時期に同程度
であれば、典型的な風邪である可能性が非常に高くなります❗️
これは
「ウイルスは多領域に感染し多症状を呈する」
というウイルス感染の原則に則った理論です
逆に最近感染の原則は1つの臓器に1つの細菌が感染することです
(🚨原則なのでもちろん例外は多々あります)
さらにこの3症状に加えて
結膜充血や眼脂(目やに)などもあれば、多領域の症状としてさらにウイルス感染を示唆すると言われています👀
ちなみに、「痰」と訴えるほとんどは
喉に流れてきた鼻汁だと言われています☝️
その4. 症状のどれがが強い場合
🙎♂️「鼻水だけなんです」
🙍♀️「私は特に喉が痛いです」
いうように症状に偏りがある場合は
どうでしょうか
それぞれ
鼻症状メイン、喉症状メイン、咳症状メイン
としましょう
実際はこれらもほとんどがウイルス性の感染症であり、抗菌薬を必要としない場合が多いです💊
しかしこの各型では
前述した「見逃せない疾患」が書かれている場合があります🤔
①鼻症状メイン
細菌性副鼻腔炎であれば抗菌薬が必要になります
原則的には
✅非常に強い片側性の頬の痛み・腫脹・発熱
✅鼻炎症状が7日間以上持続かつ、頬の痛み・圧痛・膿性鼻汁
この2つを満たす場合が治療対象となります
②喉症状メイン
A群β溶血性溶連菌性咽頭炎の場合抗菌薬が必要になります
この疾患の判断基準としてCentorの診断基準というもの(下)が一般的に用いられます
またこれに加えて
✅鼻汁がない
✅かなり強い咽頭痛がある
✅食事で改善しない咽頭痛
これらは細菌感染を疑う初見になります
引用元
https://slide.antaa.jp/article/view/b8e719f778e64e92
③咳症状メイン
急性期の症状では肺炎が重要です☝️
✅脈や呼吸が早い
✅38度以上の発熱
✅呼吸音の異常
これらは積極的にレントゲンの適応です📝
⚠️レントゲンにはっきりと映らない肺炎もあります😫
⚠️熱が38度以下であっても、高齢者や肺に基礎疾患がある人の場合、気道症状+寝汗がある場合肺炎を疑います
慢性の咳であれば肺がんと肺結核が重要です☝️
✅咳が2-3週間以上続く場合は受診
です❗️
(感冒後咳嗽といって、ただの風邪の後に咳だけが長引く場合もあります)
+α 肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌という細菌は、肺炎だけだなく全身を巡り髄膜炎や敗血症などを引き起こし、時に致命的になります😨
免疫の弱い小児や高齢者ではワクチンが推奨されていますので、これは必ず覚えておきましょう📝
まとめ
いかがでしたでしょうか
今回は内科医の視点から
風邪および風邪に似た症状を示す疾患についてまとめてみました👨⚕️
それぞれの疾患に関する詳細は長くなってしまうので割愛しましたが、リクエストなどあれば別記事にてまとめますので、もしよろしければリクエストしてください😸
それでは今日はこのへんで
みなさんお大事に〜🐈