あの日葬儀会館で
以前働いていた会社に、やんちゃという言葉がぴったりはまる人がいた。イガグリ頭、大きな目がよく動き、白い歯を見せて笑う。50代半ばでマラソンに汗を流す、スリムな体型の陽気な人だった。タバコを吸い、お酒を好んだ。
3人の子どもはみな成人しており、孫が何人かいた。唯一未婚の娘はどこかを患っているようだった。その娘と妻と3人、大きな家で暮らしていた。
ある朝、彼が欠勤した。ほどなく訃報が届いた。同じ名字で女性の名前。享年28歳と書かれてあった。その晩通夜があるという。社内で話し合い、行ける人だけで葬儀会館に向かった。道中、ある人がこう言った。どうやら自死のようだと。
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