水彩イラストができるまで(ざっくり編・クリスタ) #金曜トワイライト
先週末からYouTubeで公開されている、64秒のアニメ作品『レモンドロップ』はもうご覧いただけたでしょうか?
▼オリジナル編
▼アナザースカイ編
池松潤さんの「金曜トワイライト文学賞」で総合大賞を受賞された、湖嶋いてらさんの小説『レモンドロップ』を、映画のCM風にアニメ化したものです。
行儀は悪いけど、と小さく言い訳をして、フルーツミックスの袋から一粒口に滑り込ませた。
いつも箱の端に余ってしまうレモン味。
イラストは私が担当しました。
今日はこの絵がどのようにできあがったか、メイキングをざっくりお届けしますね。絵を描くことに興味がある人の参考になれば嬉しいです。
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1.ツール紹介
Clip Studioというお絵かきソフトを使っています。ペンタブレットはWacomのIntuos Pro。
▼作画環境
(2時間に1回こうなります。タブレットの上でプロレスが始まることも。猫にガン見された場合、いかに気分が乗っていようともペンを置いて席を立ち、すみやかにおやつをやらねばなりません)
2.資料の準備
「レモンドロップが乗っている手」を描くための資料を用意します。
Macbook内蔵のPhoto Boothで自撮り。
ドロップがないので、近くに置いてあった猫のフィギュアで代用。
3.ペン入れ
Clip Studioで上の写真を読み込みます。(私はペンでなぞりやすいように青く表示させています)
ペンで輪郭をなぞります。
ペン入れ完了。
4.色を塗る範囲をマスク&クリッピング
前準備として、色を塗る範囲にマスクとクリッピングをかけておきます。こうしておくと、あとで塗った色が外側へはみ出し放題になるんです。
(1)全体を濃い色で塗りつぶす。(あとでマスク漏れがないかチェックするため)
(2)手の外側を選択。
(3)選択範囲を反転。
(4)色を塗る範囲が指定されている状態で、白く塗りつぶす。
(ここで手の中に青い色が残っていたら、白で塗りつぶす)
これでマスクは完了です。
5.色塗り〜完成
マスクの上に色塗り用のフォルダを作り、「下のレイヤーでクリッピング」をクリック。
色塗りフォルダに新規レイヤーを作り、色を塗ってみます。するとどうでしょう。外側にはいっさいはみ出さず、内側にだけ色を塗ることができます!
クリッピングを外すとこうなってる。
はみ出したところを消さなくていいんです。クリッピング超便利!考えた人100回抱きしめたい!
それでは落書きレイヤーを削除して、まじめに色を塗っていきましょう。
なんとてのひらにドロップ出現!(事前に描いてあったのを乗っけた)
自撮り写真を見ながら影を入れたり、マニキュア塗ったりします。
使った色は1つのレイヤーにパレットとしてまとめておくと、あとで修正したり塗り足したいときにスポイトで吸うだけ。便利。
背景を塗って完成です。
とまあ、こんな感じで描きました。Clip Studioに特化したメイキングですいません。なにか参考になることがあれば、お役立てください。
このイラストを含めたアニメの原画を3点、「みんなのフォトギャラリー」に登録しています。
あなたのnoteにぜひお使いくださいね。
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アニメ『レモンドロップ』のナレーションと映像編集を担当された涼雨零音さんが、このイラストをどう加工したかについて、くわしく書いておられます。
前にもどこかに書きましたが、わたしこのサラさんの描く手が好きです。手って顔以上に表情がありますね。特に絵では手の表情にこだわるほど魅力が激増する気がします。
ありがとうございます。私も零音さんの声が大大大好きです。
このメイキングはざっくり編として、「おえかき教室」のマガジンに入れておきますね。次回、もうちょっと踏み込んだメイキング(ガチ編)をお届けするつもりです。
冒頭でお伝えした通り、アニメ『レモンドロップ』には「オリジナル編」と「アナザースカイ編」の2バージョンがあります。この2つの映像には、隠された5つの違いが。見つけた方、またアニメをご覧になった感想など、「#金曜トワイライト」のタグ付きでnoteやTwitterに書いていただけたら嬉しいです!
間違い探しの正解は「#違いを探せ!」イベントの中で2月21日(日)に発表される予定。早くも5つ全部見つけた方がチラホラいます。(すごい!)みなさんもぜひ探してみてくださいね〜。