#おえかき教室(2)腕と恥骨
タイトルにギョッとする単語が入ってますが、気にしないでね。
絵のお悩みを一緒に考えるシリーズ。まずはちょこさんからのお手紙です。
一コマダイアリーを描いているのだけれど、毎度毎度、腕が上手く描けなくて凹みます。
ちょこさんの絵、かわいくて味があってしかも上手いと思うんだけど、そんなお悩みがあったんですね。腕が苦手とのこと。じっくり拝見しましょう。
あっ!ご主人が手にかかげている猫の絵、リサ・ラーソンさんの作品ではないですか。
不敵な笑みがかっこいいですよね〜。ご主人からちょこさんへのプレゼントかしら。いいなーいいなー。
さて、腕の描き方ですよ。腕はどこから伸びているでしょう?ズバリ肩です。肩から伸びていることを意識すれば、腕を描くのはわりとカンタン。
まず肩がどう動いているのかを考えて、そこから腕を伸ばせばいいわけです。ついでに肘の角度も意識すると、いろんな腕が描けます。こんな感じ。
ね?肩と肘さえ押さえておけば、どんな形の腕でも描けます。
関節を考えるのがめんどくさい場合は、こういう裏技もある。私もよくやります。
秘技、軟体化!
no関節のタッチしてる腕なんて、ありえない曲がり方をしてますが、いいの。マンガ絵だから。
ちょこさん、参考になったでしょうか?
迷ったときはカーブ作戦。おためしください。
*
続いて、坂るいすさんからの相談です。
描きたいシーンがあって。
それは、娘が私の恥骨に頭蓋を振り下ろすシーン。
娘が私の恥骨に頭蓋を振り下ろすシーン。
正気か。
しばらく股間を押さえて呻いた。ヒビ入ったんちゃうかコレと思ったくらい。
あれから5日が経ったけど、まだ痛い。
私としてはなかなか衝撃的な出来事だった、恥骨事件。せっかくだし絵日記にしたいのに、なんせ難しくてうまく描けない。
絵日記にせんでええやろ。と思いましたが、よほど描きたかったようで。るいすさんの苦闘ぶりをごらんください。
さんざん悩んで迷子になった末、
もしかしたらサラさんの手を借りて成仏させられるかも知れない。
丸投げされました。
しかしね、娘ちゃんを想うるいすさんの愛の深さったらないんですよ。
「痛い!痛いよ娘ちゃん!ねえ」
と訴えるのをじっと見つめ、
「ねえ。ごめんなさいは?なでなでは?」
と言われると、
こんなきゃわいい顔を至近距離にもってきて、きゃわいすぎるおててで母の頭をなでなでしてくれる。
そんなことされちゃったら、母は、「ハア…許す…!好き…!」となって、また身の回りの世話にいそしんじゃうわけです。
なんと麗しい母娘愛!
猛烈に感動したので、愛娘に恥骨を強打された母の絵を、私も真面目に考えることにしました。
こういうストーリー性のあるシーンは、4コマ漫画にすると表現しやすいんですよね。
1コマめ・・・娘ちゃんのアップ。
(このひょうたん顔がたまらなく好き)
2コマめ・・・娘ちゃんに見とれるママのアップ。
3コマめ・・・娘ちゃんの頭がママの恥骨にぶつかる。ゴン!
4コマめ・・・ママ泣きながら、
「ハア…許す…!好き…!」
Fin.
これでバッチリです。ほっこり4コマ漫画大賞の特別賞にノミネートされること間違いなし。
ただね。
これを絵日記で描きたいとるいすさんはおっしゃっている。絵日記とは大抵1枚絵です。「赤ちゃんがママの恥骨に頭蓋を振り下ろすシーン」を1枚の絵で表現するにはどうすればいいか。
眉間にしわを寄せ、私のマンガ脳を総動員して考えた構図がこちらです。
下絵から真剣に取り組みました。恥骨の位置を読者の目に的確に示すにはどうすればいいのか。るいすさん、授乳中だしボインだろう。強打されたら魂抜けるよな。
なにやらすねん。
るいすさんの恥骨事件が成仏できたなら幸いです。
*
みなさんも、絵に関するお悩みがあったら、ハッシュタグ「#おえかき教室」をつけて記事に書いてくださいね。私も一緒に考えます。お気軽に〜。