ジブリヲタの小言その1:女強し!
私は小学校低学年の頃からジブリの大ファンで、初期の4作は、当時なんちゃらロードショーでやっていたものをビデオに録画し、繰り返し見過ぎてテープが擦り切れちゃったりしてましたね。初期の4作は、ざっと軽く見積もってそれぞれ100回ずつは観てるんじゃないでしょうか。
そうなるとセリフも逐一覚えてる訳です。
そんな覚えてる状態で何度も観て、なんか新たな発見あるんすか、とよく聞かれます。好きすぎてね、オープニングが流れた瞬間に泣き出したりします(若干病的)。あの映像と音楽で既に神がかってるので、覚えてても構わないんですよ。
そんなジブリ作品ですが、私が好きな理由の一つに「女性たちが強い」という点があげられます。
かなり多くの作品で、長は女性です。
風の谷のナウシカでは、攻めてくるトルメキアを指揮するのはクシャナ殿下であり、実際、物語の始めに父を殺されたナウシカが風の谷のトップになります。漫画版でも、国に王がいるクシャナですが、父である王が最後亡くなるので、実質トップになります。
天空の城ラピュタでは、ドーラ一家の長はドーラママですし、肉親をすべて亡くしているシータがナウシカ同様、ラピュタの王女であることが明かされます。長かどうかはさておいて、パズーの親方さんの男勝りな奥さんも印象的です。
紅の豚では、ホテルアドリアーノのマダムジーナが際立っていますが、忘れちゃいけないのが、ポルコの飛行機を設計から作り直すフィオ、製造に関わる人はばあちゃん含めみんな女性です。
もののけ姫では、アシタカの村の村長さんはひい様ですし、タタラ場のエボシ御前も女性、サンを我が子として育ててきたモロの君もやはり女性です。タタラ場の女性たちが男に頼らず、強い女性像で描かれているのも印象的です。
千と千尋の神隠しでも、何を隠そう、油屋の長は湯婆婆ですね。
ハウルの動く城も、ハウルが学んだ魔法学校の校長先生は女性です。
長のような役割ではないかもしれないけど、魔女の宅急便のオソノさん、画家のウルスラ(名前を知ってたあなたはジブリヲタです!)、平成たぬき合戦のおろく婆もまとめ役をいるし、たくましい女性が本当にたくさん描かれています。
しつこいくらいに列挙しましたが、どうして駿先生の作品は女性たちがこう強く、権力を持った形で描かれているのだろう、といささか疑問に思いました。
日本という国は、本来女性に地位がある国だったのでは、と思うのです。一番初めに覚える歴史の人物は、卑弥呼ではないでしょうか。推古天皇や持統天皇、紫式部や清少納言も女性ですが、ヨーロッパの歴史を学んでも、国を率いていたり、活躍し地位を得ていた女性の名前は、なかなか思い当たりません。ジャンヌダルクやエリザベス1世をとっても、1400〜1500年代中期で、2〜3世紀の卑弥呼の比ではありません。
憶測ですが、ジブリでは女性ならではの包容力と情にあふれたリーダー像、一般的に攻めの姿勢が強い男性に比べ、争いより和を求める女性らしさ、そんな女性性と男性性を兼ね備えトップに君臨する気高き女性たちをモチーフに描けば、物語はよりストーリ性に富んだものになる、という事でたくさんの女長が描かれているんじゃないかな、と分析してみました。