【詩人の読書記録日記】働くこと・傷つくこと 原田ひ香『老人ホテル』光文社を読んで
こんにちは。長尾早苗です。
図書館の近くに引っ越してきて3週間。
平日は毎日図書館を通って作業場所から帰ってくるので
インプットが!!ありえないほど!!多い!!
図書館では毎日2冊借り、帰って読んでメモをリール動画にして、
Instagramで公開しています。
仕事で読む本とは別の本を読んでいるため、正直頭の中がてんやわんやで……。
昨日友達と話していて「この本にどうしてやられたのか」を書いていこうと思います。
原田ひ香さんの『老人ホテル』(光文社)
以前から原田ひ香さんの小説には興味を持っていて、
こんなに面白く「お金」のことが書ける作家って稀じゃないかと思っていました。
この小説のあらすじを書きますと
天使の傷つき方は尋常ではなく、こんなにひどい状況だったら誰もがおかしくなるな……
と思うほどですが、それでも懸命に自立しようとします。
親が怖かったから。
兄や姉が怖かったから。
人気コンテンツの中の「末っ子えんじぇるちゃん」でいたくなかったから。
誰しも「働く」ことには意味があると思っていて、その「労働に見合った報酬」とはいったいなんなのかをいつも考えているように思う……んですね。
少なくともわたしはそうです。
わたし自身は今、いろいろな〆切を掛け持ちしていて。
それはありがたいことだし、〆切の仕事がなくなったら困ります。
でも、それに見合うだけの「何か」をその仕事で得られるのか
とか、
わたし自身も持病がありながら働いていますが、そこをついてくるような気がしてならず、昨日は元気な友人と話し込む前にいろいろ考えてしまい……
薄着でこの寒い中を歩き回っていました。
一日に2冊本を読んで紹介するのもそれも仕事。
それだけ仕事をして、ちゃんと休めてる?
あなたは自分を「のほほん」の状態にできてる?
わたしが得たかったのは、安心でした。「のほほん」でした。
友人が忙しそうだったからと誘った書店さんでのご挨拶も、友人のためじゃなくて、わたしが安心したかったし、友人に仕事のことを話して、つらいといってみたかった。
ほんとに、つきあってくれた友人には感謝しかないです。
これから文学フリマ東京にかけて毎月告知が続きます。(お楽しみに!)
その〆切仕事だけじゃなく、
いろいろ、いろいろな迫ってくる事実にわたしはやられていて。
はきだそうぜ! と笑い飛ばしてくれた友人に感謝しかないし
すごくいい体験をしたのだと思いました。
「働くことをなめんじゃないよ」
そう、光子さんに怒られても仕方なかったのかな
とも思います。
*昨日は似顔絵を描いてもらいました!
河原奈苗さん、ほんとにありがとうございます!
愛犬ことらも18歳。人間で言うと90歳。
こんなに絵の中で元気にしてくれるなら、わたしもう何もいらない(いらなくないけど)
明日は震災から13年。
「何か」を失ったみんなのために、
愛する人たちと祈ることができるよろこびをかみしめながら。