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YouTubeの動きで見る2023年の生成AI

私はIT情報などの動画をYouTubeに投稿する「ネコにいさんチャンネル」を運営している者です。ご覧頂きありがとうございます。

タイトル通り、今回はAIサービスについて何か書くのではなく、2023年の生成AIブーム(特にStable Diffusionなど画像生成AI)によりYouTubeの中でどのようなことが起こったかを書きたいと思います。

恐らく読んでる方は客観視点からのデータや情報を求めていると思いますが

愚痴


が多いに含まれ、また私個人の推測が多いことをご了承頂きたいです。

しがない1YouTube投稿者のたわごととして見ていただけたら幸いです!


2023年の生成AIブーム


最初に私事にですが当チャンネルの2023年の登録者数は1月1日から次のように増えました。

195→508


有名なYouTuber登録者数の単位は万であり、こんな数字は””みたいなものかもしれないですが、1動画で1人増えるか増えないかの底辺チャンネルではこれでもありがたい話です。

今まで1年で100人増えていたのが、300人増えたので今年は実りのあった年になりました!


というのは


…とまでは言いませんが多少なり不満があります。
その不満については後程にして、まずは今年1年間YouTube内で何が起こったかを書きたいと思います。


画像AIブーム到来(2~3月ごろ)


当チャンネルの登録者数が増えたのは2月24日に投稿した以下の動画のおかげです。


内容はStable Diffusionの拡張機能コントロールネット(ControlNet)について解説したものです。

Stable Diffusion、Dall-Eなどの画像生成AIは昨年すでにリリースされていましたが、それまでできる画像は”ガチャ”のようなもので、プロンプトに頼るしかありませんでした。しかしコントロールネットは人物のポーズ輪郭などを指定でき、画像の構成が制御ができるようになった革新的な技術です。

今ではこのようなことは当たり前のようになっていますが、この時は衝撃といっていいほど驚いた記憶があります。
(最初は確か2chまとめあたりで情報を見つけました)

サムネイルの効果か私と同じようにコントロールネットを知って詳細を見てみたかったからか、この動画は久々に1万再生を越えました。当時は無料プランのGoogleColabで画像を生成できたのも大きかったと思います。

昨年もStable Diffusionの動画は投稿していたのですが大した反響はなく、このコントロールネットの登場で画像AIブームが起きたようです。

と思っていたのですが


この「コントロールネット革命」は当時の私の推測であり、今思うと実際には”もう一つの波”によるものだったようです。

そのもう一つの波はChilloutMixです。


ChilloutMix登場(3月ごろ)


ChilloutMix?という方もいるかと思いますが、ざっくり言えばこれです。

こんな感じのAI画像をX(Twitter)、ネット広告などあらゆるとこで見かけますよね。これは大体ChilloutMixというもので生成されたものです。
(今はもう違うモデルになっているかと思いますが)

ChilloutMixはStable Diffusionから派生したモデルで、今までの画像は絵画調やアニメのものが多かったのに対し、リアルな女性さらに日本人に近いのアジア系の人物の生成を可能にしました。
※ただ使用されている画像はInstagramからなどで、ほぼに近いグレーと思います。

厳密にはChilloutMixではないものもあると思いますが、とにかく艶っぽい
はっきり言えば

エロ


の力で急激にYouTube視聴者(といっても男)の心を突き動かしたようで、画像AIへの関心が高まりました。

Stable Diffusion WebUIのインストール方法からその他のモデルの使い方などとにかくYouTube内で画像AI関連の動画は再生数を伸びに伸ばしました。

[画像 AI]で検索したYouTube動画再生数(1~4月)

※集計は週ごとですがその週の動画の再生数ではなく、その週に投稿された動画の12月時点の再生数の集計となります


絶頂期(5~6月頃)


そしてChillout Mixと似たようなBRAV6や一部の画像を強化学習したLoraCivitai(モデルファイル共有サイト)

モデル共有サイト Civitai

で配布されるなど画像生成AIへの加熱ぶりはピークを迎えます。

YouTubeでもたくさんの画像AI専門チャンネルが誕生したようです。

どの動画も何十万回も再生されていてうらやましいです…

当チャンネルはというとReference Onlyという画像を再構成する技術についての動画を出しましたが、あまり再生されませんでした。
かなりすごい技術なのですが、やはりサムネイル的に"エッ"な動画に勝てないようで埋もれてしまったようです。


ブームの終焉(7~8月ごろ)


この画像AIの勢いは今年ぐらいは続くと思い、便乗しようと目論んでいましたが、もう夏ごろにはブームの陰りが見え始めます。

みなさんもそうだと思うのですが、こんな感じの画像

にはもう見飽きてしまったのでしょう。
徐々に魔法の杖の効果がなくなり全体的な再生数は落ちていきます。

[画像 AI]で検索したYouTube動画再生数(5~8月)


ただこれらは誰かが広めたマネタイズという小銭稼ぎのためかAmazonで電子出版されるようになりました。

Kindleの売上ランキングを独占します。
(ほとんど0円で儲かるのかは不明です…)

他の販売サイトなどでも話題になりますが、とにかくYouTubeではあっという間に再生数を稼ぐ有力なジャンルとは言えないものとなっていきました。


9月~荒れ果てた地


さて秋ごろですが、Stable DiffusionはXLに進化。
画像がさらに綺麗になり次世代へ向かっているようですが、YouTube視聴者の関心は戻らないようです。

[画像 AI]で検索したYouTube動画再生数(9~12月)

どうやら完全に飽きられてしまったようです。
まぁ冷静に考えれば、普通に働く人が画像を頻繁に作るかっていうとそうでもないですよね…

とにかく画像生成AIに関する動画の再生数は落ち込みます。

そして画像AIYouTubeチャンネルは続々と更新が止まってしまいます。

更新がなくなるチャンネル


視聴者の関心の低下に加え、チャンネルが多くなりすぎてしまったと思われます。

新しい機能やサービスなど大体ネタは同じなので再生数は単純な割り算となり、競合が増えるにつれてその分再生数は減ってしまいます。投稿者たちは見合った結果が得られず、疲弊して更新をすることを辞めてしまう…のではと考えてしまいます。

これはどの分野のYouTubeチャンネルでも同じことが言えるのではないでしょうか…


12月現在とまとめ


そして現在の12月を迎えていますが、特に状況は変わらないです。
色んなAIサービスに関する動画投稿はあり再生されていますが、もう今年初めの熱狂ほどは戻ってこないようです…

これが2023年のYouTubeと生成AIに関してです。
生成AIと言いましたがほぼ画像AIに関してですいません。もちろんYouTube内で画像AI以外のGPT-4などLLMなんかもそこそこ盛り上がってはいましたが、画像AIほどの過熱ぶりはありませんでした。

学んだこと


この件で学んだことは

YouTubeは魔物


とまでは言い過ぎかもしれないですが、やっぱり恐ろしいと思いましたね。

何かの動画で再生数が稼げるとバレる

同じようなチャンネルが次々現れ
大量に動画が投稿される

動画が飽和し視聴者に飽きられる

一気に食い付くされ跡形もなくなる

誰も勝者が生まれない
(^o^)

こんな感じでは…と思いました。

チャンネルが少数に絞られれば
お金が稼げる→モチベーションが上がる→質のいい動画が投稿される

のでは?と思ってしまうところでもあります。
ただこの火事場泥棒のような状況がYouTubeの面白さでもありますし、少数に絞るっていうのが不可能なのであまり意味のない議論なのでしょう。
(なんでそいつら選ばれたのか文句を言う人が出てきます)

あと学んだのは鉄は熱いうちに打てではないですが

YouTubeはブームのうちにひたすら動画を投稿しろ


というのも教訓だと思います。
一回過ぎ去るともう元には戻りません。


最後にいいたいこと


最後に恥を忍んで言いたいのは…

更新止まってるチャンネル登録者譲って下さい


もちろん冗談ですが、こんな譲渡システムがあったらよかったです…
この記事は結局これが言いたかっただけですw
(これが最初に言っていた不満です。)

来年も地道に頑張りたいと思います。
読んでいただいた方、ありがとうございました。よいお年を。

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記事の途中のグラフはGPTのCode Interpreter APIを利用して作っています。
以下のアプリで試せますので興味ある方は使ってみて下さい。(テスト中なので無料で使えます ※データは自分で作る必要があります)

OpenAIのAPIキーが必要ですがDall-E3で画像も作れます。サムネイルの画像もこれで生成しました。(画像1枚につき6円程度料金が発生します)

動画での紹介はこちら!


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