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無敵スペイン!欧州奪還への覚悟/Are You READY?

MUTEKI艦隊


クロアチア撃破!!
YES!!!


イタリア撃破!!
YES!!!


タレントは揃っているけど「優勝候補かぁ~?」という下馬評だったラ・ロハ。俺たちのスペイン!!

ところがどっこい、素晴らしい滑り出しで大会をスタートさせたスペインは、一躍優勝候補に名を出しています。さて、そのスペインの強さは本物なのか?欧州奪還に値するクオリティなのか?



スペインの覚悟


■スペインのアイデンティティとバルサ化

本来、スペインのアイデンティティとは、華麗なパスサッカーというより高速サイドアタックですよね。

華麗なるパスサッカー=バルサ化は2008年のEUROからで、その前まではスペインの伝統として強力なウインガーをサイドに配置してサイドを破壊するというスタイル。その象徴としてホアキンとかルイスガルシア、ハビエル・デペドロとかいましたね。

そもそもバルサのサッカーは輸入品であって、それをルイス・アラゴネスがコピーしたわけなので、スペインの純正というわけではないんですよね。ただチャビやイニエスタを始めとしたバルサ勢にプラスでダビド・シルバにシャビ・アロンソが加わって鬼のティキタカを披露。これが2008,2012のEURO連覇と2010ワールドカップ制覇に繋がりました。


バルサのサッカーもそうなんですけど、スペインのサッカーの生命線はウイングなんですよね。チャビやイニエスタ、ブスケツばかりに目が向けられますが、強力なウインガーあっての彼らなので、当時のスペインだったらシルバが右でイニエスタが左でした。圧倒的ポゼッションがあって成り立てましたが、バルサ終焉と同時にウイングもいなくなったので、アイデンティティどこ行ったんだ感が溢れてました。ダニ・オルモとかオヤルサバルとか出てきましたけど、ホアキンとかそういう系統のウイングではないです。




■シン・スペイン

デラフエンテって、古き良きスペインサッカーをやっている印象なんですよ。
完全なバルサ化を計って以降はウイングにはストライカー系を、最前線はゼロトップという陣営でした。ゼロトップならセスクやフェラン、アセンシオ。ウイングならオルモ、ペドロ、ビジャとかとか。

デラフエンテの場合は、まずずっと最前線にはモラタさんという9番を固定してます。オヤルサバルを使ってのゼロトップをやることはあっても、結局はオプション止まりなんですよね。


今のデラフエンテのスペインはどんなサッカーなのか。イタリア戦のビルドアップから。

基本的には左SBのククレジャが上がり、そこのスペースにファビアンが下がってくる。ただファビアンが下がってくる条件としては2CBに対して数的優位を作れなくなったら。

イタリアのプレスがCBに対して同数になることでファビアンが浮く。ククレジャが対面する相手をついでに引きつけてくれるからここのスペースは空くんですね。

ファビアンからのルートは主に2つ。
1つ目はククレジャが上がることでニコがハーフスペースに入りこんでくる。そこへ出す。
2つ目は、ロドリが高めの位置に上がってスペースメイクし、そこにペドリが落ちてくる。この2つのルートがそれぞれ出口となって

ヤマルへ。これでビルドアップ完了。このタイミングでファビアンが中盤に戻るので、この中盤エリアの数的優位が作られる。仮にヤマルから中盤に戻っても、

ファビアンが迂回ルートとなり、逆サイドはニコが大外のククレジャ中で展開完了。

中盤にロドリとペドリが中央の軸として、ファビアンがBOX to BOXで行動範囲広く顔を出す。プラスでヤマルとニコという絶対的なウインガーを配置。役者は整ってますね。アイデンティティは取り戻しています。



■シン・スペイン絶対的柱、ニコ・ウィリアムズとラミン・ヤマル

かつてのスペインがホアキンにデペドロにボールが行き届けばOKゲームだったのと同じで、今のスペインもニコとヤマルにボールが入ればあとはもう点獲るだけなんですよね。そこから先にゼロトップを交えて相手に混乱をもたらすとか、そういうデルボスケとかロペテギがやってたようなことはしないのがデラフエンテです。いい意味に言い換えればウイングまでボールが行けばあとは純粋にシンプルにゴールに行けばいいだけです。もちろんその個人技あってのことなので、イニエスタとかシルバみたいな単独で剥がせられなくはないけどタイプは違うよねっていう当時は更にひねらなければならなかった。でもニコとヤマルは若いながら単独で対面破壊できるので、ここを崩しの起点にできるんですよ。

もちろんそれはイタリアはクロアチア戦で分かっていたので対策はします。やってきたことはそれぞれ2人がプレスに行く。1on1だと絶対負けるから。

ここに対しての逃げ道、迂回ルートとしてSBが出てくる。

ここに対しては中盤がスライドして来るので、その背後にペドリやファビアンがポジションを獲る。

ウイングで基準点にできるだけで、相手のマークをズラすことが可能。イタリアの誤算は、ウイングが強力すぎたことと、プレスに対しての迂回ルートがいくつも作られていたこと。イタリアもじれずに耐えてはいたものの、スペインの圧倒的強さには敵わなかった。




■欧州奪還、覚悟はできてるか

ここ10年くらいの間ではタレントと方向性とでマッチしていて、総合力でも1番だと思う。中盤の強さは、ロドリは絶対的として、攻守に走れてかつ左利きということで重宝されているファビアンと、パズルを埋めるラストピースかのように中盤にファンタジーをもたらしたペドリ。世界でも屈指のクオリティを際立てる存在として超強力なウインガーも揃える。

欧州奪還としては最大のチャンス。残すピースとしては最前線がモラタ大先生で大丈夫なのかという点はあるものの、SBの見せるインテンシティ高いネガトラで組織を支えている辺りはここ数年は見られなかった傾向。攻守の隙はできるだけ与えない。


かつてのスペインとバルサのアイデンティティの融合。



舞台は整っている。覚悟はできているか。




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