新しいねこがやってきて大波乱
つもりが虹の橋を渡ってから2ヶ月以上が経った。
そろそろ実感は湧いていて、大きく悔やむこともなくなり受け入れが進んでいるけれど、こうやって改めて文章に起こそうとすると涙が溢れてくる。
話は先月のことだ。
つもりの四十九日の前日。
1月23日。
バイトに行こうと駐輪場から自転車を走らせてすぐ、猫の大きな声が聞こえた。思わず自転車を止めて周囲を見渡したけど、姿はどこにもない。
仕方ないので自転車を走らせようとした瞬間。足元に何か絡まり、見たらふわふわの猫がいた。
サバ?キジ?のハチワレの猫がめちゃくちゃ懐いている。女の子だ。推定3〜4歳?(もう少しいってるかも?)撫でたら顔をスリスリしてゴロゴロしてくる。毛並みも良く、ふわふわで可愛い。近くにおばちゃんがいたので、飼い主だと思い「かわいいですね」と話しかけたら「その子もう何日かいるねん」と、飼い主ではなかった。
「エレベーターまで着いてくんねん」。
本当に面白いくらい着いてくる。
あまり迷うことなく保護を決意。
エレベーターまで自ら歩いて来てしっかり乗り、そのまま家まで着いてきた。着いてきたし、たまに私の前を歩く積極性も見せていた。
家にも遠慮なく入って行ったので笑った。
後のことは夫に任せて、私はバイトに向かった。ちょっと遅刻した。
バイト終わり帰宅。
すぐに近所の動物病院へ。
検査の結果、猫エイズ、猫白血病、共に陽性だった。
特に白血病は、猫同士でトイレを共有したり、グルーミングだけでも伝染るから先住猫と絶対に隔離するように言われる。というか、迎え入れることを検討するように言われる。
この子と一緒に暮らせないらしい。
こんなに人懐っこくて可愛いのに。
外には今年一番の寒波が押し寄せていた。
幸い、ウチには使ってない6帖の和室があるので、今夜はそこで過ごしてもらうことにした。
夜に、市内の迷い猫情報を片っ端から検索。特に彼女に当てはまる投稿はなかった。
念の為、保護した猫として複数の迷い猫サイトに投稿。変な人に貰われないよう、腰にある特徴的な模様のことは伏せて書いた。本当に飼い主なら、この特徴を言えるはずだ!という私の作戦。
しかしながら、投稿への反応は今日に至るまで1件もない。
翌日。保護猫のことも心配だけど、先住猫に病気が伝染っては元も子もないので、保護猫団体に引き取って欲しいと電話。
病気のある猫ちゃんの受け入れは難しいらしい。ただ、団体の方が言うには
「ウチでも子猫から保護することが多くて、エイズや白血病に感染してる猫も沢山いたけど、白血病はワクチンさえ打ってたら、他の猫にはまず伝染ることはない。そりゃ絶対とは言えないけど。ウチでもかなりの数を保護してきたけど、ワクチン打ってて感染することはなかったかな。エイズも血の出るような喧嘩や、交尾しなければ大丈夫よ。参考までにね」とのことだった。
昼休みに電話した非常階段が寒波のせいでめっちゃ寒くて情緒を煽ってきて、彼女を受け入れることが出来るとぼんやり分かったことと、先住猫への感染の危機が思ったより低かったことに安心してオエオエ泣いた。
さっそく、先住猫のいなりとまつりにワクチンを打つ。寒い中の通院、苦労をかけました。
抗体完成まで2週間ということで、それまで保護猫は和室で完全隔離となった。
夜は、夫が保護猫と、私が先住猫と寝ることに。(以前に夫が「悪い意味じゃなく別々に寝てる」とツイートしてたのはこの意味です。)
夫はご飯も和室で食べていた。全ての反応が可愛くて仕方ないらしい。わかる。
2週間の間、たまに脱走してはいなりとまつりを追いかける保護猫。
長い2週間が開け、いよいよ対面。(すでに何回か対面してるけど。)
めちゃくちゃ威嚇のいなりとまつり。
気にしてない様子でどんどん近づく保護猫。そして追いかけ回す。
保護猫は人間に対して最高に懐いてくるが、それが他の猫からしたら心象が良くないらしい。そりゃそうだ。
新人猫ではなく、先住猫側がビビるのはどう対処したら良いものか。
人にも猫にも割と冷めてたつもりなら、どう対応してたんだろうな??
保護猫の何がやばいって、人間のツボを100万点満点で押さえてくるところだ。
近づけば膝の上に乗り、サイレントニャーを連発、顔をぺろぺろ舐めて、肉球でほっぺたをムニッと触ってくる。そして、人間に構ってもらえないと大声で鳴く。保護猫の正体は、クッッソメン○ラだった。
いなりとまつりが仲良すぎるので考えたことなかったけど、一匹飼いが向く猫も確実にいるんだなと実感する。
あと、保護猫が来てから、まつりの発情期がエグくなった。今までは1週間ほどニャーニャーゴロゴロ言うくらいだったが、それはもう大声で鳴き喚くわ、そこらでおしっこするスプレー行動まで始まってしまった。布団も犠牲に。
おかげで畳の上に直に寝る生活。しかも毎日夜中3時から朝方7時にかけて、15〜30分置きに大声で鳴くので、なかなかに睡眠が削られ、近所の目も気になり、少しずつ苛立ってゆく人間達。
どのみちしなければいけないと思っていたので、発情期が終わると同時にまつりの避妊手術を決行。苦労をかけました。
今は変なコットンの服を来ている。(てっきりエリザベスカーラー(首の周りのラッパみたいなやつ)を付けるのだとソワソワワクワクしていたけど、すごい変な服で対応。)
手術後のまつりを保護猫が追いかけ回さないように、またしても完全隔離。
両者に仲良くなって欲しいのだけど、果たして叶うのだろうかというのが正直な感想。
まつりの発情期の変化からしても、先住猫が精神的に感じてるものは大きいはず。
保護猫も一匹でのびのびと甘えさせてくれる飼い主がいた方がいいんじゃないか?とも思いつつ。まだ1ヶ月ほどなので経過観察。
保護猫の名前は「みなみ」。
もし身近な人で、みなみさんを保護してくれる人がいたらご一報下さい。
トライアルも可です。
最初に相談した保護猫団体にも再度相談したけれど、もし引き取ったとしても、後のことは一切教えられないことと、他にも検査した上で2万円かかると言われて、たじろぐ。
他の団体にも、今は子猫以外はいっぱいだと言われる。
電話を切ったあと、一度保護した猫ちゃんを手放すことはとても酷いことだと思い、自分の責任のなさに落ち込んだ。
猫にも人間にももっと良い環境があるなら、それに越したことはないと思うのは言い訳だろうか。私だってみなみさんと一緒に暮らしたい。
どうしたものだろう。
つもりは、この保護騒動を空から無の顔で見守ってるんだろう。
みなみさんは、つもりと保護した場所が同じで、顔もなんだか似てて、口臭まで似てるので、勝手に近しい遺伝子を感じている。