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人災派遣RPGリプレイ最終話『仇星、闇を駆ける時』10

●第4ラウンド

●イニシアティブ

GM:それでは5日目。前回、ラウンドの最後に猫さんが島に上陸。管制塔にたどり着けるかが運命の分かれ道となる。一手間違えると大惨事、くらいは覚悟してね!

柳沢:今回のイニシアティブは気が抜けないな……!

結果、

管制塔の『共工』部隊15
カヤカ13
柳沢12
軍港と砂浜の『共工』部隊12
チシャ猫10
紗綾9
秀史5

となった。

柳沢:管制塔の『共工』部隊がまだ1体残ってるんだよねえ。

紗綾:攻撃さえできれば倒せますが、1体でも残ってると、範囲+貫通攻撃をしてくる。何とかしてイニシアを上回りたいところです。

カヤカ:おれなら『韋駄天』で上回れるんだが……。

チシャ猫:カヤカは宇宙に行く使命があるにゃ!

カヤカ:目を逸らさせてほしい。

秀史:それに砂浜の部隊もやっかいだ。猫がファストアクションで突破できなければ、集中攻撃されてしまう。

紗綾:『共工』さんの全部隊にイニシア補正をつけるスキル、かなり厄介ですぅ。

柳沢:地味に強いんだよなあ。

GM:何度も言っていますが、ゲーム的には最終判定(ハッカーとマニピ)を潰せればゲームクリア。ただし、妨害的なものは覚悟しておいてほしい!

紗綾:担々麺を食べたらイニシアアップ、とかあれば良かったのに(笑)。

柳沢:というか、今食べて回復しておく手もあるけど?

紗綾:んー、治療もらってるので大丈夫。このターンでHP減ったら次に食べます。

カヤカ:あ、GM、おれの『切り札』、宇宙に行くとどうなります?

GM:はい。宇宙に行くのなら、バイクはここで置いていきますが、『亡霊騎士』の加護はそのまま引き継ぐ。100相当の外付けHPがあると思ってもらえれば良い。

カヤカ:加護はバイクじゃなくておれについてる、ってことか。いや逆に!不穏!絶対宇宙でなんかあるパターンだ!(笑)

紗綾:一緒に打ち上げてもらえば良いんです?ロケットの上にバイクを乗せて、その上にカヤカさんがまたがっている感じで(笑)。

秀史:それはパワーダ○ザーでは。

柳沢:というか、ロケットで打ち上げではなくてテレポートだからね。
カヤカ:CCCに栄光あれーッ!

紗綾:それは別のラ○ダー映画です!(笑)

秀史:しかもそれ大気圏突入して爆発するオチだぞ(笑)。

チシャ猫:砂浜エリアの天気を決定。(ころころ)4、雨。

柳沢:判定-1Dか。まずまずだね。

チシャ猫:……ああ、皆さんすみません、ちょっと野暮用で少々外します!

一同:いてらー。

GM:おおっと。……じゃあ皆さんにはイニシアの結果をもとに作戦を考えてもらいつつ、こっちで状況整理も兼ねて、お浚い演出でもして時間を稼ごう(笑)。GM一人芝居の巻。

柳沢:わくわく。


 テロリストに攻撃されている宇宙ステーション管制塔を救援に向かった君たち。テロ部隊を蹴散らし無事管制塔に入ることができたが、それこそが敵の仕掛けた罠だった。一転して完全包囲され、逃げ場のない中、防戦一方に追いまくられる。

 そんななか、復讐神アダシの真実が判明した。その正体は、古い木像に刻み込まれた古代の呪いのプログラム。アダシは自らのコアである木片を、小菅女史、C国の情報技術者、そして宇宙ステーションの作業員と3つに分けて埋め込んでいたのだ。

 操られたC国技術者の手によって、管制塔のプログラムはソフト、ハードともに損傷。宇宙ステーション作業員も同様に操られ、今まさにステーションを落下させようとしている。

 君たちは、猛攻を仕掛けてくる『共工』の部隊を撃退しつつ、上陸したチシャ猫を管制塔に迎え入れてソフトを修復し、なおかつ、カヤカがテレポートで宇宙に往き、修理をするという困難なミッションを成し遂げなければならない……!

柳沢:「手始めに世界を救え」って感じになってきたよねえ。

GM:CCC的にも結構大事の部類に入るよ。

カヤカ:これで「結構」かあ……。


 『共工』部隊の猛攻により、管制塔のC国守備隊は総崩れになりつつある。だがそこに、無数の符がざっ、と管制塔を取り巻くように展開され、銃弾を弾き、道をねじ曲げる。そしてその直後、空間が捻じ曲げられると砲塔が出現し……。


柳沢:「この符は……『大賢良師』君! それに、『轟天雷』君か!」

GM:砲撃!砲撃!砲撃!と『共工』部隊の中核を突き崩してゆく。

秀史:たーまやー!

「ああクソ!奥の手どんどん晒しているネ!情報漏洩しまくって、これから当分仕事に差し障りありまくりアルよ!」

「致し方あるまい、『轟天雷』。この際新技を開発するいい機会かも知れんぞ」

 などと言ううちに、今度は敵陣に怪しげな霧が発生し、魑魅魍魎の幻覚が敵部隊をさらなる混乱に陥れる。

カヤカ:「味方にいりゃ心強いな!」

柳沢:「やれやれ。大軍の相手はやはり彼らに一日の長があるね」

「大校殿!今こそ指示を!!」

 と『大賢良師』が言うと、不意を打たれて呆然としてた大校も我に返る。

「全部隊、砲撃で混乱した隙に、迎撃陣形を再構築せよ!『共工』が策を弄するのも、正面からぶつかっては兵力差で勝てないからこそだ!時を稼ぎ、態勢を立て直せば、我らの勝利は揺るがぬ!」

 と激を飛ばす。

カヤカ:うーん、この人はこの人で優秀なんだなあ。

GM:だが砲撃と術による混乱も、一時的なもの。精鋭部隊は『共工』の戦術指揮によってたちまち態勢を立て直すと、再び整然と攻めかかってくる!……戦いの趨勢は互角。ぶっちゃけ君たちが阻止できるか否かにすべてかかってくるのであった。

秀史:アッハイ。

柳沢:MBSの活躍ばかりというのがモヤモヤするな(笑)。ウチの増援は?

GM:『すみません、事前にお渡しした物資が、我々の支援の全てです……!』と、妨害電波の中から藤村君の声。

柳沢:フレーバーでいいから増援したと言ってほしかったよ!!(笑)

紗綾:うちのS級はどこでなにしてるんですぅー!?

GM:『すみません、国際問題になるため、うかつにS、A級のメンバーを動かすわけにはいかないのです……!』

紗綾:うう、世知辛い(笑)。

GM:実際のところ、MBSも増援はないからね。最初から参加してる二人だけ。あとはC国軍が頑張るのを期待するしかない。

カヤカ:この世知辛さが人災だよなあ……。

紗綾:がっつりブラック会社ですぅ。

GM:今までのNPCが助けに来てくれるような演出がないかわりに、みんなと縁のある切り札を用意したということで(笑)。

チシャ猫:戻りました!&流れ把握しました!

一同:おかえりー!

●ファストアクション

GM:お疲れさまです、作戦決まりました?

秀史:はい。俺が『壁走り』でなんとか12以上にイニシアティブを増やして、砂浜の部隊に先行します。その上で砂浜エリアに『高速移動』。

チシャ猫:チシャは砂浜から管制塔に『高速移動』で突破をかけるにゃ。

秀史:猫が突破できなかったときは、俺がバイクに乗せて『通常移動』で運びます。

GM:ええと。チシャ猫さんとシタナガさんが入れ違いになる形だけどいいのかな?

秀史:はい。私の移動はあくまで猫が突破できなかったときの保険です。猫が突破失敗して砂浜に置き去りになるのが最悪の展開なので。

紗綾:猫さんの『高速移動』の結果を見てからシタナガさんが行動を決定するわけにはいかないんです?

柳沢:シタナガ君はファストアクションでイニシアティブを操作しなければならない。そしてファストアクションは元のイニシアが低いシタナガ君が先に決めなければいけないのだ……。後振り有利になってしまうからね。

紗綾:なるほどー。

柳沢:私は、切札の『霜焼け』を使って管制塔の兵士のイニシアティブを-10するよ。これで範囲攻撃をされる前に紗綾君の攻撃が通る。

紗綾:そんな便利なものが!!

柳沢:2体いたらお手上げなところだった。1体までに削ってくれたカヤカと紗綾君に感謝だね。

カヤカ:おれは宇宙へ『高速移動』(笑)。

柳沢:まあもうそっちはカヤカ君に任せるしかないからねえ。

●メルジャヒ島の現況

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●秀史のターン

秀史:まず『壁走り』でイニシアを上昇。LPも使って(ころり)12。

柳沢:ぴったり。同値であればPC優先だね。

秀史:そして、砂浜に『高速移動』。オフロードバイクで山を駆け下りる

●チシャ猫のターン

GM:では砂浜に上陸した猫さんの『高速移動』による強行突破判定!

紗綾:着ぐるみがついに動く!(笑)

カヤカ:ファンタスティックキグルミアクション!

チシャ猫:(ルールブックを見ながら)ええと、目標値はトラフィッカーの40。コストが5?普段移動しないからわかんない(笑)。

柳沢:3話でも動いてたろうに。

チシャ猫:あのときは後ろ乗ってただけなので(笑)。

秀史:あと判定も雨で-1Dされてます。

チシャ猫:『アドヴァイス』を誰かください!(笑)

カヤカ:自分には届かないんだよなあ。

チシャ猫:しょうがない。ここは気合さ。『マリオネット』+『覚醒ダイブイン』。ハッカー技能でトラフィッカーを代用!(ころころ)45、OK!

カヤカ:よっしっ!

チシャ猫:コスト5をPPで支払ってしまおう、我お金持ちゾ。オハコの通信妨害で相手の情報を撹乱。着ぐるみが背負ったバックパックから射出された小型ドローンが次々と空中に展開、通信妨害で連携を寸断!

GM:君は砂浜に上陸すると管制塔に向けてダッシュ。当然、不審極まりない乱入者に兵士たちは銃を向けるが。

チシャ猫:続いて、ぬいぐるみに仕込んでいる色の変化で簡易迷彩オン。ぬいぐるみの表面が砂色に変化して、視認しにくくなる。……そして雨と砂に紛れて、徒歩でとぼとぼ移動(笑)。こんなことならロボットカーを仕込んでくるんだった。

紗綾:足からタイヤが出たりしないんです?

チシャ猫:出るのはバルーンかな。ダミー散布からの爆発チャフ。

秀史:そんなギミックが……。

柳沢:みんな猫君を何だと(笑)。

GM:「どこだ!」「見失ったぞ!」「レーダーではそちらに……」「そちらはダミーだ!」と大混乱のさなか、君は管制塔へと続く森の中の道に紛れ込んだ。

チシャ猫:「インドアにキグルミ来たままの強行は辛い、つらすぎるー。ぜーはー」

秀史:「着ぐるみ脱げよ」

チシャ猫:「キグルミ脱ぐぐらいなら、死ぬ(ぐでー)」

カヤカ:「涼しい着ぐるみとかってないのか?マスクとか涼しいのあるじゃん」

チシャ猫:「涼しいキグルミでもこの運動量なら運動の燃焼でいみないわ!っていうか他人事みたいに!」

カヤカ:「一周回るとな?むしろ諦めがつくんだわ。はっはっは」

チシャ猫:「宇宙に射出される人は言うことが違うにゃねー」

紗綾:「今までの全ミッション通しての運動量を、この一回だけで凌駕したのじゃないでしょうか?」

カヤカ:「いままでのがゼロに等しいからな」

GM:シタナガくんは山から降りてくるが、君の目は、砂浜の向こう側の混乱から、チシャ猫が管制塔への道を切り開いたことを知る。結果としては入れ違いになったが、とりあえずの最大の目標は果たした!

秀史:「入れ違いか。まぁ仕方ない」

チシャ猫:移動コスト5を払って、管制塔へ。

GM:突破判定には管制塔への突入も含まれているので、猫さんはそのまま管制塔の中に入れる。

チシャ猫:猫が徒歩移動、なんというクライマックス感。

紗綾:基地が破壊されてサポートメンバーも前線に出るとか、仮面ライダーのクライマックスみたいですよね。

●柳沢のターン

柳沢:管制塔に突入してくる猫くんに気づいてブロックしようとする兵士を排除するという演出で『霜焼け』をフリーアクションで発動。

「おっと、させないよ。ウチのキーマンなんだから。いや、キーキャットかな? まぁ、どちらでもいいか。——来たまえ、氷雪の悪魔よ!」

 柳沢は内ポケットから小瓶を取り出す。
 虎の子の氷の悪魔。
 単なる冷気のみならず、『凍てつく』という概念が、敵の動きを鈍らせる。

柳沢:管制塔の兵士のイニシアチブを-10。そのままファストで『後退』しとく。

GM:南海には不釣り合いな氷雪の欠片が舞う。……と、前回に引き続いてグレネードを装填していた兵士の腕に冷気が巻き付き、凍らせる!狙いを定めていた動きを鈍らせた!

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