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人災派遣RPGリプレイ01話『幽かなる竜胆』08【完】

★第3R:フェイズ チシャ猫

GM:まさかボスが1ターンキルされるとは……と、とにかく猫さんどうぞー!

チシャ猫:「さーって、こっちも仕事なんだにゃ-。情報戦でこのチシャ様に喧嘩売るとはいい度胸なんだにゃー!!」

GM:★8の判定に挑む前に、犯人の心当たりがあるなら宣言してもいいですよ。

チシャ猫:候補は山田さんか鈴木さんって感じですけど。

紗綾:まあ、たぶん女史のほうが内通者でしょうね。

柳沢:だろうねえ。確証はないけど、会話内容を集めてみると、南エリアに積極的に行こうとしている節がある。

カヤカ:んー、お金か名誉か、それとも財団への就職内定か。

紗綾:痴情のもつれ。

チシャ猫:ドロドロやん。

秀史:そんなサスペンスみたいな(笑)。

カヤカ:それは嫌だなあ。教授とのスキャンダルとか聞きたくない(笑)。

チシャ猫:きっと教授を私だけのものにしたかった、とかだにゃー。チシャそーいうの好きにゃよ。

カヤカ:猫にはあとで先月話題になった文庫本持ってくから。人気のセンセーが書いた不倫モノって麻生さんが言ってた。

チシャ猫:――では、『山田さんが犯人』をアンサーとして判定します。『ダイブ・イン』で5D+12(ころころ)……ふふーん♪回って40!

紗綾:おおー!

秀史:さすがだ!

GM:……3成功ですね

カヤカ:えっと、推理が合ってればこれで突破。間違っていればもう一段階ってことですね。

チシャ猫:これでも判らなかったらLPで振り足ししますよ。

GM:君は内部の犯行と想定し、味方、つまりはCCCのメンバーや調査隊のメンバーのPCやスマホのデータをハッキングする。

チシャ猫:とりあえず『ダイブ・イン』のPP1消費を偽情報で消しておきます。

GM:皆の個人的なメールがちょっと見えちゃったいたりもしたがそこはご愛敬だ。そんな中……。

柳沢:うわー、おじさんのろくにつかいこなせていないすまほのでーたがみられてしまったー。

チシャ猫:「あ、このネタお金になりそうなんだにゃ-」

柳沢:「一般人を恐喝したりしたらいけないよ? 仁義にもとるからね?」

カヤカ:メールについてはノーコメントで。

GM:……山田女史のスマホから、アプリのアップデートの情報に偽装してデータが送られていることが判明する!!

秀史:やはり山田女史か。

紗綾:『痴情のもつれはいつの時代も恐いのう』

柳沢:そうと決まったわけでは(笑)。

GM:情報の送り先はフリーの掲示板。事前にアドレスさえ把握しておけば、誰でも見ることができる。そしてそこには、君たちが集めた情報がリアルタイムで書き込まれていたのであった!

チシャ猫:「くぅ、このチシャ様が居ながら単純な手に!」

カヤカ:「むしろ単純だから気づかなかったんじゃねーの?」

GM:そして、これを手がかりとして、君はもう一つの情報に気づく。……真山教授の教え子、山田和子さんは、『教授から『調査は中止』というメールをもらった』とのことで、本日の調査には参加していない!

一同:ありゃりゃ。

紗綾:偽物でしたか。

GM:彼女は『ネットの懸賞で当たって送られてきた』なるチケットを受け取って、今日はハワイ旅行の真っ最中だそうだよ。

柳沢:「ははは、こりゃ一本とられたねぇ」

カヤカ:「確かに、学生がアプリデータに偽装とか、やらないよなあ」

紗綾:「あれ、でも教授や同級生達も気がついていないって事は」

秀史:「……異能による変装。CCCでもシグマでもない。香港からアクセスしていたという『第三者』ということか」

チシャ猫:「って、かーんじだにゃー!」SP3消費しておきます。


★8 「情報はどこから漏れている?』 結果

 君たちの情報をシグマに漏らしていたのは、山田女史だ!

 だが本当の彼女はこの調査に参加していなかった。――そこにいるのは何者だ!?


★第3R:フェイズ 紗綾

GM:ってことで、紗綾さんの番ですね。

紗綾:さっそく山田女史を問い詰めたいところですが。

GM:……それに先だって、まず『イノシシ沼』に到着した事によるイベントが発生する。チシャ猫さんが山田女史の情報をつかむちょっと前、君たちはイノシシ沼に向かっていた。

柳沢:情報通りなら、ツリガネスズクサとかいう草の群生地ということだが。

GM:沼に近づくにつれ、紗綾達は鼻をつく異臭に気がつく。舌に苦みが残るような刺激臭、間違いなく君が神社で飲んだお茶の匂いだ。

紗綾:「お茶の臭い~これを持って帰ればしばらくお茶に困らなそうですぅ」

カヤカ:「いやいやいや!」

GM:さらに歩を進めると、視界がひらけ、崖に出る。その眼下には、君達が目指したイノシシ沼が、……、……水没し、池と化していた。

一同:――何ですとー!?

紗綾:『……沼ならぬ池じゃの。これでは』

柳沢:「雨で増水したって言ってたけどねえ」

カヤカ:「でも、さっき水害の心配はないって……?」

柳沢:「下流で土砂崩れなどの被害はない、とは言っていたけど、山中の沼が水没する程度の雨量はあったということかな、これは」

GM:紗綾は池の底に、水没して枯れたツリガネスズクサが、ゆらゆらと動いているのが見て取れる。そして、池の水面に浮かに妖しい光を放つ、無数のリンドウアゲハの亡骸……。

紗綾:「あぁ、チョウチョさんが~かわいそうですぅ」

カヤカ:「リンドウアゲハの死骸、ってどういうことだこりゃ?」

GM:『そ、そうか、そういうことか……!!』と、君たちと情報を共有している真山教授が絶句する。

柳沢:そうか、教授まだ北にいるんだったね。「この現象に、心当たりが?」

GM:『ええ、推測ですが……。おそらく、四百年前から、リンドウアゲハはこの人里離れた沼でひっそりと棲息していたのだと思います。しかし、温暖化によるここ数年の長雨続きで、地下水が増水しきり、沼が水没、産卵場所を失ってしまった。だからこそリンドウアゲハは、数百年にわたる安住の沼を捨てて、ツリガネスズクサをを探して山を飛び始めたのでしょう』

カヤカ:「つまり、住み家を失って外に出て来た、……のですか?」

紗綾:「チョウチョさん、生きようと必死だったんですね」

チシャ猫:「諸行無常なんだにゃー」

柳沢:「単一の餌を頼る種は、環境の変化に弱い。……これも自然の摂理か」

紗綾:沼に近づけますか?

GM:いや。池には、水没したツリガネスズクサから染み出した有毒成分と思われるすさまじい毒気が漂っている。この蝶に不吉な伝承があったのは、蝶自身と、この沼が持つ毒に由来するものだろう。

秀史:「では、リンドウアゲハはもう繁殖できないのか?」

GM:見る限り、生き残りは皆無だ。

カヤカ:「って、それじゃ任務はどうなるんだよ?」

柳沢:「ふむぅ、対処を考えたいところだけど、おっと、今おじさんそれどころじゃないんだよね。卵でも残ってないかなあ?」(ひらり)

紗綾:あとは、蝶の生き残りがツリガネスズクサの他の群生地に辿り着いている可能性とか。

秀史:山奥の沼に自生する毒草が、そう都合良く他に群生しているとは……。

一同:うーん……。

GM:そんな中、君達の共有回線に割り込みが。『あーもしもし、教授ですか~!?やー、僕ですよ僕、神主の』

柳沢:そういえばコイツがいた(笑)。くっ、このチャラい神主の情報に頼らねばならんのが何やら腹立たしい(笑)。

GM:『調査隊の人たちが南に向かったって聞いたから、僕ちょっと頼みたいことがあって。――せっかくですから、そこに生えてるツリガネスズクサを取ってきて欲しいんですよね。僕もツリガネスズクサの畑を増やしたいんで、種を多く確保したいんですよ』

秀史:……ん?

柳沢:今なんて?

一同:……。

紗綾:…………群生地、発見(笑)。

カヤカ:マジかあ!!(笑)

チシャ猫:(爆笑)

柳沢:増やしたい、ってことはもう小規模な畑はあるってことか。クソが!(笑)

チシャ猫:だれもGJとは言わない不思議(笑)。

カヤカ:「えー、と………リンドウアゲハはツリガネスズクサを求めて飛んでいる。ってことは………!」

GM:『あっ、僕の実家と畑、道の駅のそばにありますんで、そこで受け取りますよ。あれ?教授、もしもーし。もしもーし!?』

カヤカ:「シタナガさーん!!」

秀史:道の駅エリアで待機しててよかった!

カヤカ:『伐採屋』はオッサンが抑えてるし、よし!

紗綾:調査隊の人たちの様子はどうかな。特に山田女史。

GM:「まあ、これは大変!みなさん、私たちも道の駅に向かいましょう!」俄然やる気のようだよ?(笑)

チシャ猫:「クヒヒ、もうネタはあがってるんだにゃ-」

GM:ここで、時系列は追いつく。このタイミングで、チシャ猫さんの調査が完了。皆にその結果が共有された!

チシャ猫:「山田。――あんた誰にゃ?」

GM:「え、誰?って、山田ですけど。意味がわからないんですが?」

チシャ猫:「ハワイ旅行は楽しいのかにゃ?かにゃ?」

GM:「ハワイ旅行?いったい、なんのこと……でしょう、ねえ?」

チシャ猫:「あとは紗綾にまかせるにゃーん」

紗綾:斬りつけます(即答)。

一同:おおい!?

カヤカ:紗綾さんがブレなすぎる!

柳沢:おうふ、マジでむせた(笑)。正体確かめる前に斬りつけるとか!?

紗綾:『おおっと、ワシが滑った~!』

柳沢:そんな滑り方があるかー!!(笑)

紗綾:身近な同僚や上司が見ても気づかない変装、データ偽装した情報漏洩なんて、異能力者の仕業以外の何物でもないですよ。

GM:君の斬撃は――空を切った。しなやかに身を踊らせ、君の一撃をかわす女史。

紗綾:読みは当たりか。『ひょひょひょ、その姿じゃ戦いづらかろう。とっとと本性をあらわさんかい!』

GM:「アーララ」距離を取って、がらりと表情を変え不適な笑みを浮かべる山田女史。「……あたしの迎撃botが抜かれた時点でヤバいなとは思ったんだけどねー」

紗綾:「えーと、あなたは何山田さんです?」(笑)

チシャ猫:何山田、という言霊力。

GM:「まさかこのスピードでしっぽを掴まれるとはヘマしたものね」

チシャ猫:「判らなかったらただのバカなんだにゃ」

GM:女史は紗綾のインカムに向かって話しかける。「ふん、――『チシャ猫』。アンタみたいに、しなやかさのかけらもない引きこもりに『猫』を名乗って欲しくないわね」そういうと、山田女史はカツラと特殊メイクを脱ぎ捨てる。

柳沢:「ん、んー?」

カヤカ:「猫、……?」

柳沢:あー、ちょっとルールブック読み返す(笑)。

チシャ猫:「知らにゃいか?チシャは動かない。不思議の国のアリスを読むんだにゃー」

紗綾:「チシャ猫さんの知り合いですか?」

チシャ猫:「チシャにこんな派手かましい知り合いはいないんだにゃ」

カヤカ:「……ついていけねえけど、真の黒幕、って奴?」

柳沢:「いいや。漁夫の利狙いの第三勢力、じゃないかな」

GM:研究一筋の理系女子から一転、そこに居たのは存在感に溢れる年若い美女だ。「はー。やれやれ、シグマとCCCを手玉にとるってのも楽じゃないわね」

柳沢:「――『白猫』さん、か。まったく。相変わらず『横からかっさらう』のが趣味なのかい?」

チシャ猫:「おじさん知っているのかにゃ?」

柳沢:「うむ。基本ルールブックのp92を読みたまえ」(笑)

一同:メタいメタい!(笑)

GM:そう、君達は彼女の情報を知っている。香港を中心に活動する名うてのエージェント。データハッキングと敵地への侵入に優れ、派遣会社の任務に便乗して横から獲物をかっさらう怪盗――『白猫』。それが彼女の正体だ!

カヤカ:「白猫……?なんか、CCCの基礎講習で聞いたような」

チシャ猫:「あー、こいつかにゃ。チシャとは違うタイプにゃね」

紗綾:「あ~、猫山田さんですか」

GM:「そ。『白猫』。そう呼んでくれてかまわないわ、『枯れ柳』。一応あなたのことも調べてあるわよ?」

柳沢:「そいつはどうも。でもおじさんみたいなロートル調べてもつまんなかったろ?」

秀史:「諜報が下手に過ぎたな、『白猫』とやら。思惑はどうあれ、この状況では詰みだろう」

紗綾:『危険を感じた時点で引けなかった己が未熟を悔やむが良い』

GM:「ふふ、諜報ってのはね、敵の懐に飛び込むことに意義があるのよ、ニンジャ君」

秀史:「リスクに身を晒して尻尾を掴まれては本末転倒だろう」

柳沢:「まあまあ、そう言っちゃ可哀想だよ。彼女もおじさんと同じでね。……スリルが生き甲斐なんだから。ねえ、『白猫』君?」

GM:「そうね、『枯れ柳』。つかんだと思ったらすり抜ける。猫の尻尾とはそういうもの。……スリルはこれからよ!」

紗綾:迎撃しますよ。

GM:すると彼女は――踵を返し一目散に逃走。手番を消費し、一目散に山の南エリアに『通常移動』だ。

紗綾:『こりゃ!おなご!戦わんかい!』

柳沢:うん、まあ移動止める手段このゲームにないからなあ(笑)。

紗綾:首おいてけ!大将首だろう!(笑)

秀史:敵はPP気にしなくていいから羨ましいなぁ。

カヤカ:「あ、あーえーと、とりあえず先に神主さんの畑抑えるか!?」

GM:ということで、イベントが色々と長引いてしまいましたが、ここから紗綾さんの通常手番となります。……ということでこれをどうぞ。

柳沢:なんか出た。


調査項目★9(最終) 蝶を確保せよ!!

 勝利条件:

 ①②双方を満たすこと

 ①道の駅エリアに到達し蝶を確保する

  (道の駅エリアにいるキャラが挑戦可能)

 ②敵対勢力をすべて撃退すること

『怪盗』白猫について

 ・蝶を手に入れようと行動する。

 ・直接戦闘は行わない。

 ・同一エリアに「蝶」を確保している人物がいる場合、

  「かすめ取り」をしかける。命中/回避判定として処理。ガード不可。

 ・逃げ足と回避には自信がある。

 ・誰もいないエリアに逃げ込まれると、「変装」で

   一般人に化けられてしまい追跡不可。


GM:★9「蝶の確保」が解放されました。正真正銘、これがラストのイベントとなります。

柳沢:うーむ……。このラウンドに取りこぼすと、次のラウンドの準備動作で確実に道の駅まで『高速移動』されちゃうんだよね。蝶を確保されて、その次のラウンドで市街地エリアに逃げ込まれたらアウトだ。

カヤカ:敵対勢力すべての撃退、かあ。『伐採屋』も道の駅になだれ込んできたらえらいことになるな。

柳沢:よく見るとシタナガ君もカヤカ君もSPすっからかんじゃないか。

チシャ猫:とりあえずシタナガさんガンバレ!蝶ガンバレ!(笑)

紗綾:猫山田さんを殴れます?

柳沢:『通常移動』からの『速攻』でコストは重いけど一回は殴れるね。

紗綾:ではそれで。ここで温存しても意味がないので、全力で殴ります。

GM:ちなみに『白猫』ですが、体力低そう、防御薄そう、でもめっちゃ避けそう。

カヤカ:LP使って全力で狙いに行け、と言われてる気がするなあ(笑)。

紗綾:まずは後を追って『通常移動』。『ひょひょひょ、逃げ切れるとおもうたか!』「おおおじいちゃん~ひっぱらないで~」

GM:いやー日本刀振りかざした××××が森を追いかけてくるー!?(笑)

柳沢:前門のチェーンソー男、後門の日本刀娘。

チシャ猫:「その日本刀自体もヤバイから更にタチが悪い。……タチが悪い。日本刀だけに。フフ」

カヤカ:誰が上手いことを言えと!(笑)

紗綾:さーて、攻撃攻撃~。『鬼神力』『完全憑依』『異界の力』!

柳沢:それは超全力と言っている!

紗綾:蝶☆全力。

カヤカ:もう一撃でノす気満々だー!

紗綾:EP10、SP4消費、命中4D+17、威力7D+37!

秀史:固定値だけで+37とか?

カヤカ:こ、混雑度2だけど、やばいなあ(笑)。

柳沢:EP+10で2回露出判定だよ! やったね紗綾ちゃん!

カヤカ:これ『伐採屋』と合わせると、森がツングースカになるのでは(汗)。

紗綾:おそらく次のターン以降私に出来ることはなくなりそうなので、ここは特攻あるべし!

カヤカ:カミカゼ!

紗綾:命中判定(ころころ)……回って41!

柳沢:控えめにいっておかしい。

秀史:なぁにこれぇ(笑)。

GM:うへえ(笑)。だがこちらも回避が5D+10ある!期待値的にはそう分の悪い判定では(ころころ)って23ーー!出目が1と2しかねえー!?(爆笑)

柳沢:ま、完全失敗だね(にっこり)。

紗綾:『ひょひょひょ、ほら紗綾、お前の体かさんかい!』「おおおじいちゃん、むちゃしないで~」

GM:てえか5D+10で完全失敗とかどういうことよ!?

柳沢:ついでだしLPでダメージ振り足しとくかい?(笑)。

紗綾:じゃあ、3点足して切りよく10D+37で。

チシャ猫:「スリルで済むのかにゃ-、あの人……」

カヤカ:「CCCはミンチの掃除もやんの?」

チシャ猫:「チシャはあんな見てるだけで寒くなるスリルはごめんなんだにゃー」

秀史:「……もう紗綾さんをからかうのはやめよう」(笑)

チシャ猫:「ニンジャが!ニンジャさんまでが!」(笑)

紗綾:ダメージ判定、10D+37……(ころころ)72。あんまり回りませんでした。じゃあ追加ダメージ振ります。

GM:いらん!もう死んだよ!!(爆笑)

秀史:たーまやー……。

柳沢:ずばっとな。

カヤカ:「せめて安らかに眠ってくれ……」

チシャ猫:「い、生きてるにゃか?」

柳沢:ま、この『人災派遣RPG』ではPCが『殺す』と宣言しない限り敵は死にませんので、ここは『昏倒』だね。

GM:……紗綾の一撃を受けて『白猫』は捨て台詞を残すこともできず一瞬で沈黙しました(笑)。倒れるときの演出とか台詞も色々考えていたんです!が!

紗綾:『安心せい、女子供を手がけるほど落ちぶれてはおらんわい。峰打ちじゃ』

チシャ猫:「鉄の塊フルスイングされたら普通の人は死ぬんじゃないかにゃー」

カヤカ:「……こっわ……」

柳沢:「好奇心、猫を殺すとはこのことか。……合掌」


 難敵『白猫』の奇襲を、まさかの1ターンで撃墜した一同。

 残るは蝶の確保と、シグマチームとの戦いだがーー。


紗綾:白猫さんを介護。「あうぅ、大丈夫ですか?すみませんすみません!」

カヤカ:あとは『伐採屋』を倒すだけか。

GM:それについては、一連の情報を受け取ったと思しき『伐採屋』が両手を挙げる。「……チ、『隊長』の停戦命令だ。これ以上やっても目はねえとよ」

カヤカ:「……あん、撤退すんのか!?」

GM:「この人数差で遣り合って蝶を奪い取れると思うほどバカじゃねえよ。損切は早めに、だ」

秀史:「流石シグマ。引き際を弁えている」

柳沢:「おやおや、やっとあったまってきたところなのにもうおしまいかい? 残念だなあ」プレイヤーとしては十分だけど、キャラとしてはこんな感じで(笑)。

チシャ猫:「おじさん、背広から血が垂れてるにゃ」

GM:「まさか『隊長』がやられちまうとはなあ。2ターン目からは『スナイプ』で8Dに増強した射撃を見せるはずだったのに」

一同:いいよ見せなくて!(笑)。

カヤカ:「ちぇ、ちぇー。……でも、まあそれならそれでいいのか」

秀史:「厄介な人種だな、戦闘中毒ってのは」

紗綾:『なんじゃい。もっとこんかい!戦はどこじゃ戦は!』

チシャ猫:「カヤカはいいとこ無かったにゃ」

カヤカ:「あ゛ー!なんか、なんか不完全燃焼だ!」

柳沢:「まあまあカヤカ君。おじさんも殴られっぱなしで切ない感じだったから」(笑)

GM:いやーおっかしいなあ、「くそっ、見えてるのにあたらない!突破されるぞ!」となったところに、『隊長』の支援を受けた『伐採屋』も雪崩れ込んできて混戦につぐ混戦と考えていたんだけど。

秀史:残しとくと一番まずいと思ったから真っ先に狙いました(笑)。

チシャ猫:自分も人のことは言えないですが、特化はヤバイ。

カヤカ:「……ぐぅ。次、次はもっとうまくやるからいーんだよ!」

GM:ということで、戦闘は終了。道の駅にいるシタナガ君が蝶の捕獲判定……は、いいか。これにて、エンディングフェイズに入ります~、戦闘お疲れ様でした!

一同:はーい。


★エンディング

GM:――通信を受け、脅威が去ったことを確認した君は、道の駅から少し離れた畑に赴く。山のふもと、日陰になっており清流が流れている畑の隅に、ツリガネスズクサが何株か植わっていた。

秀史:そっと近づきます。

GM:君が目を凝らすと、そこにひらひらと舞う、不思議な模様の蝶が一匹。それは間違いなく、今日一日で見知った、リンドウアゲハの紋様だった。

秀史:「飛んでいる姿も綺麗なものだ」

GM:蝶はツリガネスズクサにとどまる。なにやら葉っぱに産み付けているようだ……。

柳沢:「無事産卵はできていたようだね」

GM:近づいて確認すると、そこには小さな白い粒がいくつか。

紗綾:「チョウチョさん、よかったですぅ」

GM:君は教授から渡された虫かごに、そっと蝶を入れた。

秀史:「人のせいで住処から追い出されて、人の都合で捕まる、か……」

柳沢:「温暖化はまあ、人のせいばかりとも言えないさ」

秀史:「捕まえる俺が言うのもなんだが、もう狙う輩もいないだろうから、安心して暮らせよ」

カヤカ:「そのうちニュースになんのか?『幻の蝶を発見!』とかさ」

チシャ猫:「画像をネットにアップすべく動画を取っておくにゃー。今のタイミングならYouPipeで結構アクセスいくはず!」

柳沢:「おっと猫君、教授の研究発表が公開されるまではアップ禁止だよ」

チシャ猫:「ぐっ、な、なぜバレたにゃ」

柳沢:「職権濫用はいけない。秘密保持も派遣会社の仁義の一つさ」

チシャ猫:「じゃあ何処の株持ってたら儲かるかにゃ-、発見で上がるのはどこの株にゃー?バイオとか?」

紗綾:「飲料メーカーです!新しいお茶が大ヒットですよ!」

チシャ猫&カヤカ:「それは絶対ない(にゃ)」

カヤカ:「あとは、教授が増やしていけるかどうか、になるのか?」

GM:産卵されたツリガネスズクサも卵も回収され、蝶と一緒に研究室で大切に育てられることになるだろう。そして個体数が増え、イノシシ沼の水が引けば、この山にまたリンドウアゲハが舞う日が来るのかもしれない。

柳沢:「全滅するのも運命なら、生き残るのも運命ってやつさ」

カヤカ:「ふぅん。あ、そういえばさ、珍しい蝶は『聖杯』とか言われてるっていってたじゃん。これ見つけたってことは、俺たちも名前が残るのかな」

紗綾:「名前が載れば道場も繁盛するかな?かな?」

GM:史実で『聖杯』を見つけたメンバーは、山岳ガイドや荷物持ちの人も記録が残ってるから、君たちも論文のスペシャルサンクスで名前がのったりするかも。

カヤカ:なんか「スペシャルサンクス:株式会社CCC」で乗りそうだ(笑)。

秀史:「ま、その程度の名声で良しとするさ」

チシャ猫:「猫は名前が載るのは遠慮だにゃ-」

柳沢:「おじさんもね。この業界、有名になっても良いことないからねえ」

GM:……「東都大学の研究者が『幻の蝶』を発見」とニュースで報じられ、学会が大騒ぎになるのは、しばらく後の話である。そして、その調査の陰で活躍した特殊な力を持つ者たちたちがいたことは、世間に知られることはなかったのである。……以上が、今回の任務における、君たちの活躍である。

柳沢:……しかし、振り返ってみればあのチャラ神主に振り回されただけの仕事という印象だよ(笑)。

チシャ猫:確かに。

柳沢:神社調べたときにあいつが「ウチの畑で見たッス」と言ってたらこんな苦労せんでえがったのに!(爆笑)

カヤカ:全部神主さんの手の上(笑)。

GM:ということで、後回しにしていた清算タイムレッツゴー!!

紗綾:判定振り忘れてたけどエンディングに入って言い出せなかった(笑)。


★経費清算

 人災派遣会社RPGでは、HPがゼロになっても死ぬことはない。

 しかし人目もはばからず能力を使っていると『露出』がたまり、社会的に破滅する可能性がある。また、経費をオーバーしてお金を使いすぎると赤字になってしまい、やはり日々の生活を送ることができなくなるのだ。


GM:順序は逆になるけど、ここまで引っ張ったから、最初に報酬をお渡しして最後に露出判定でオチをつけてもらおう(笑)。事前にお約束した今回の成功報酬、5pp+10pp。加えて、シグマと『白猫』、両者を撃退したパーフェクトボーナス+3ppとなります。

柳沢:まずは今回使ったPPが経費で落ちるか計算。3Dで(ころころ)……11。全部消化できました。

秀史:(ころころ)10。こちらも経費の枠内でおさまりました。

チシャ猫:こっちも10だにゃー。

カヤカ:(ころころ)15!……2点しか使ってないんだけどなあー(汗)。

紗綾:逝きまーす!(ころころ)……あ、6。

柳沢:あらら(笑)。

カヤカ:紗綾さんが一番経費使ってるのに!(笑)。

秀史:紗綾ェ……。

柳沢:ええと、使った経費10ppから6を軽減して4pp。この軽減しきれなかった4ppが自腹での負担となり、成功報酬18ppから差し引いて、14ppが今回の報酬となる。

紗綾:了解。もともと-5スタートなので、ppは9で、なんとか黒字。「これで今月も電気代が払えますぅ~」

GM:続いて、ラストバトルでEPがたまった人の露出判定。ゲームオーバーにはならないだろうけど、ppはさらに減るかもです(汗)。

秀史:ではまず私が。狙撃2回で露出値が跳ね上がったので、2回判定します。まずは1回目、2D……(ころころ)、6。

柳沢:『罰則表』で6は『反省』だね。目立ってさらにEPが3増えた。

GM:17になりましたが、ミッションは終わってるので実質影響なしです。

秀史:つづいて2回目、これは3D(ころころ)、13。

柳沢:『不運』でLPマイナス1。

秀史:これも手持ちのLPを減らして、実質影響なしです。

GM:では、しばらく道の駅付近の町ではこんな噂が流れる。「なー知ってるか!」「ドローンなんてもう古いぜ!」「これからは手裏剣だよ手裏剣!」

柳沢:こら少年、マネするな(笑)。

GM:「おれ、なんか町の中でにーちゃんが山のてっぺんまで手裏剣投げるの見たんだぜ!」「うっそだー!」

カヤカ:それ、特殊な訓練が必要だから!(笑)

紗綾:さーて。オチ要員がきたよー!

カヤカ:オチ要員て自分で!(笑)

紗綾:1回目、3D(ころころ)。14!

柳沢:『不運』。さっきと同じだね。LP-1なんだけど、HPとSP合計-15でもいい。

チシャ猫:もっかい振ること考えたら、LPを保険にして、合計-15の方が良さそう。

紗綾:HPを15点減らしておきますー。峰打ちの勢い余って木の枝が頭に跳ね返ってきとか、そんな感じ。

柳沢:最後は4Dだね。

紗綾:(ころころ)……15!『大炎上』!(爆笑)

柳沢:出た、大炎上!EP5点、かつその他もろもろを15点!

秀史:あらら(笑)。

柳沢:EP+5点で27、次の露出判定には1足りないからセーフ。HPとSPをトータル30点減らして、CCCの救護室で包帯ぐるぐるエンドやね(笑)。

紗綾:『この程度の運動で全身筋肉痛になるとは情けないのぅ』「こ、これ、筋肉痛じゃないですぅ。に、人間の関節は動かない方向っていうのがあるんですよぅ」……このGMだと切り込み隊長は包帯ぐるぐるエンドになる定めなのか!

GM:ウン、君が後先かまわずリソースぶっ込むからだと思うナ!(笑)

柳沢:キミはオチ要員好きだねえ(笑)。

紗綾:大好きです。

カヤカ:とりあえず生還で一安心。

柳沢:おじさんは何気にHP8割まで回復して終わったので涼しい顔をしておこう(笑)。

GM:では、続いてこんな噂が。「……あのさー、おれたちもあいつらの真似してドローンを飛ばしてたんだけどさー、なんか山の中で、刀振り回して走り回ってるねーちゃんが映ってたんだよー」(笑)。

秀史:軽いホラーですね!?

GM:「マジか!?すげぇな。これネットにアップしようぜ」

カヤカ:「猫、猫ー!あれちょっとなんとかしてー!?」

チシャ猫:「一般人相手のクラッキングはちょっとにゃー」

柳沢:そうだねえ(笑)。

GM:【撮ってみた】【謎の生き物】館神山を走る日本刀女?

カヤカ:謎の生き物。

GM:カテゴリ:R18-G ホラー。

チシャ猫:その横見切れで両手チェーンソーのおっさんいるんですよね?

GM:こちらは露出引っかかってないので、たぶんオブジェクトか重機と思われてるんじゃないかなあ。

チシャ猫:汚い、シグマ汚い!

紗綾:さすが土木用サイボーグ(笑)。

チシャ猫:「そうそう、神主のお茶のホームページつくってお金ふんだくっておくにゃ。密かーに蝶の模様を連想する感じにしておいて、発表後にアクセス数ふやすんだにゃー」

カヤカ:「猫、どうせ自分で掲示板に書き込むんだろそのリーク情報……」

チシャ猫:「とーうぜんにゃ☆」

GM:館神山の新名物、ツリガネスズクサ茶。あまりに不味いゆえに逆にカルトな人気が出る……のですが、実は、薬事法的にアウトなんですねえこれが(笑)。

一同:ですよねー!

カヤカ:毒あるもんな(笑)。

GM:ということで、神主さんはそこそこお茶がブレイクしたところで、当局の指導を受けることになるのでした。

チシャ猫:猫はすたこらさっさだにゃ!

カヤカ:これだからハッカーは!

GM:その後、炎上騒ぎで妙なフォロワーが増えて、そこからイロモノ路線でまた盛り返していく………かどうかは誰も知らない。

カヤカ:あ、俺は一番負傷も軽かったので、真山教授たちの見送りをします。

GM:おお、そうですね。ではこのシーンをもって〆といたしましょう。「カヤカくん、本当に助かったよ。君がいなければ我々の調査は進まなかった。君、今は高校生かね?」

カヤカ:「え、はい。都内の高校通いですが」

GM:「もしもこういったフィールドワークに興味があるなら、うちを目指してみてはどうかね。野山を歩きながら学問をするのは楽しいぞ」

カヤカ:「……今、将来のことを考えてはいませんが、縁があればよろしくお願いします」と頭を下げておきます。

柳沢:「そりゃいいね。良かったじゃないか。大学にコネができるなんて」

カヤカ:「俺は、大学行くのかなあ?」

秀史:「いいんじゃないか、大学?将来について悩む時間が作れる」

柳沢:「勉強したいだけ勉強できるってのは、若者の特権だよ」

チシャ猫:「裏口入学興味あるなら相談載るにゃよ?」

カヤカ:「しねーよ。……うぐぐ、まず学費。実家が出してくれっかなあ?」

チシャ猫:「それこそCCCでバイトすればいいんだにゃ-」

カヤカ:「ぐ、ぐぬぬぬ……!」

 人並み外れた『異能力』を持ちながら、日々の暮らしのために悪戦苦闘する『派遣社員』。表に知られる事のない、さりとてそこまで格好よくはない生活をかけた戦いはこれからも続く……!!

GM:ということで、四日にわたってのセッションはこれにて終了です。長らくおつきあい頂きありがとうございました!

一同:ありがとうございましたー!

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