見出し画像

人災派遣RPGリプレイ01話『幽かなる竜胆』02

★ブリーフィングのこと。

GM:「では皆様、自己紹介もすんだところで仕事に入って良いでしょうか」

カヤカ:「そうそう、どんな任務なんスか?」とぬいぐるみ弄るのやめて藤村さんに向き直る。

GM:「それは依頼人から。……では教授、どうぞ」藤村君がそう言うと、会議室の扉が開き、三人の人が入ってくる。いかにも学者、という感じの初老の男性と、学生風の男女だ。

チシャ猫:「教授様だにゃー」

カヤカ:センセ、って感じの人が入ってきたんですぐ背筋を伸ばそう。学生の習性だ。

GM:「えー皆様、本日はお集まり頂きありがとうございます。東都大学教授の真山と申します」と初老の男性。

カヤカ:「(うわっ、なに話していいかわっかんねー!)」

GM:続いて、「真山研究室の鈴木ッス」「山田です」と男女が言う。

カヤカ:「(ってかジャージでここに居ていいのかな!そういえばビジネスの場だったここ!)」

チシャ猫:「ぬいぐるみもいるから心配するなだにゃー」

カヤカ:「(そういやそうだった)……よろしく、お願いします」

秀史:「なぜか急に出席日数を思い出してしまった」(笑)

紗綾:『そんな事より、女性はぼんっ、きゅっ、ぼんかのう?』「はわわわ、大おじいちゃん、そんな失礼なことをっ!あ、あの、よろしくお願いしますっ!」

柳沢:「いやあ、そんな姿になってもお盛んでうらやましいねえ」

チシャ猫:「その刀、何かでぐるぐる巻きにしといた方が身のためなんだにゃー」

紗綾:『ふん、わしをそこいらの布ごときで、』「大おじいちゃん!」ばたばたと。

GM:男は鈴木君、女は山田さん。いずれも外見はぱっとしない感じだね。飲み会に繰り出すよりは、研究室で好きなことに打ち込んでいた方が楽しいって感じだ。

秀史:「なんたる真面目な大学生か」

チシャ猫:そして、ポテポテと歩いて握手を求めに行くぬいぐるみ。

GM:「ああ、……ええと、その……よろし、く?」(握手)

チシャ猫:もふもふ。

GM:……。

チシャ猫:……。

柳沢:「おほん。では改めて。どうもはじめまして、柳沢と申します。ご著書の『東京里山の昆虫分布』は拝読させていただきましたよ」

GM:「おお、あの本を手にとって頂いた方がいらっしゃるとは。里山にご興味がおありで?」

柳沢:「ははは、お恥ずかしいが乱読派で」

GM:「それでは話が早い。今回皆様にお願いしたいのは、東京近郊の館神山に四百年ぶりに現れたという伝説の蝶、リンドウアゲハの捜索なのです」……ということで皆様、事前配布した『任務概要』にお目通し願います。


任務概要

<発信元>:CCC営業1課 藤村 櫂

<依頼主>:東都大学教授 真山 哲朗

<分類>:捜索、確保 総合評価……[B]

<報酬>:一人あたり 基本5PP 成功10PP

<経費>:3D

<日時>:20XX年6月3日(日) 7:00~24:00

<任務内容>

「東京都西部、館神山で目撃された幻の蝶、”リンドウアゲハ”を確保せよ」

 数日前、動画投稿サイト”YouPipe”に投稿されたドローン動画の片隅に、幻の蝶とされるリンドウアゲハが写り込んでいることが確認されました。

 リンドウアゲハは独特の模様が特徴的な、江戸時代の文献にのみ登場する幻の蝶で、実在したとしたら学術的価値は計り知れません。

 皆様には、東都大学の真山教授と研究生達のフィールドワークに同行し、蝶を見つけ出し確保する任務を依頼します。

 森や山岳での調査活動が主となるため、調査、および霊感が重要と推定されます。

 なお、同じくこの動画の存在を聞きつけた、アメリカの「ハロルド文化財団」がすでに蝶の確保に動き出したとの情報があります。学術機関でありながら、手段を選ばない事で有名な人たちです。荒事にも十分留意ください。

 皆様の健闘をお祈りしております。   藤村拝


一同:ふむ。

GM:皆さんは、藤村君と真山教授から、この『任務概要』の内容について一通りのレクチャーを受けました。

秀史:「要は、山に行って『幻の蝶』とやらを見つけて来いと言うことだな」

チシャ猫:「こんな武闘派集めて蝶探しかにゃ?」

秀史:「荒事がある、という事じゃないか」

柳沢:「『あの』ハロルド財団が関わっているとなれば、楽しくチョウチョ探しで終わるとは思えないねぇ」

カヤカ:「四百年ぶり……。本当なんですか、これ」

チシャ猫:まずは問題のドローン動画をネットで拾っておこう。「ふむふむ、この動画がそうなんだにゃ?」

GM:「ええ。この動画なんですがね。YouPipeには『新しいおもちゃを試してみた!』なんて動画がよく投稿されているでしょう」

チシャ猫:「電波で動くおもちゃはクラック、もとい、ハックしやすくて助かるんだにゃー」

カヤカ:何か言いたいけど頑張って口を閉じておきます(笑)。

GM:「その中で『ドローンにカメラを乗せて飛ばしてみた』という動画があるのですが……、ここです」そう言って教授は動画を止める。ドローンに取り付けられたカメラによって、上空から山並みが撮影されているのだが、その画像の中に一瞬だけ、蝶が写り込んでいる。

チシャ猫:「よく見つけたんだにゃー」

GM:黒いアゲハチョウ。だがアゲハとは異なり、その羽には、玄妙な緑色の草模様、『竜胆りんどう』を思わせる模様が刻まれていたのであった。

柳沢:「ほうほう。確かに、平賀源内の『本草図説』の記述と特徴が一致しているように見えますな」

GM:「はい、江戸時代の文献に、名称と挿絵のみが記載されている幻の蝶、リンドウアゲハ。その絵と、羽の紋様が一致しています」

カヤカ:「おじさん読んだことあるんスか、その、ほんそーなんとかってやつ」

柳沢:「乱読派なんでね」(にっこり)

チシャ猫:「乱読すぎなんだにゃー」

カヤカ:便利だなあ!でもキャラとしては胡散臭い物を見る目をしておく(笑)。

紗綾:『江戸か。懐かしいのう。あの頃は悪即斬がしやすくて良かったというのに。近頃はまったく(ぶつぶつ)』

秀史:「江戸時代の生き証人、か」

GM:「絶滅が危惧されるとか以前に、そもそも存在すら信じられていなかった幻の蝶です。これを見つけることが出来れば、大変な発見となるでしょう」

カヤカ:「でもこれ、YouPipeの動画なんですよね。信憑性はあるのですか?」

GM:「そうですね。『新種の蝶を発見した!』などという内容の動画なら信憑性を疑います。しかしこれは、ただドローンを飛ばして遊んでいる動画に偶然映り込んでいただけ。我々が気づかなければ誰にも注目されなかったはずです。ここらへんは信憑性がある、と私は思います」

カヤカ:「ありがとうございます」ぺこり、と

チシャ猫:「動画を解析して見る限りCGとか合成じゃないっぽいんだにゃー」

柳沢:「ふうむ、かなり解像度も粗いですからねえ。コカゲアゲハかクロゲモンキチョウの亜種という可能性もある(でまかせ)。実物を見てみないことには始まりませんな」

GM:「この動画に映っている山は館神山。文献に所在が記されているのも館神山です。探してみる価値はあると思い、我々は予算を切り崩して今回の調査を企画しました。あとは普通に調査をすればと思っていたのですが……。まさかハロルド財団もこの情報を聞きつけていたとは」

柳沢:「まこと厄介ですなあ」

紗綾:「えっと、ハロルド財団、ってなんですか?」

カヤカ:紗綾に同意してこくこく、と。

秀史:「知らん名前だな」

柳沢:それはおじさんが説明、した体でGMが教えてくれます(笑)。

紗綾:おーい(笑)。

GM:ではおじさんから説明を受けたと言うことで解説しよう。


 ――ハロルド財団。それはごくまっとうな学術調査団体である。

 欧米の大学に出資、連携し、世のため人のため学問の進展を図っている。図っているのであるが――とにかく名誉にこだわるという悪癖があるのだ。名誉欲の権化で、『××を世界で一番最初に発見した!』という記録を学術史に刻みつけることを至上の目的とし、そのためにはカネと権力に物を言わせた強引な資本主義的な手法を用いることで悪名高い。


GM:「つまり『幻の蝶を世界で初めて見つけた!』という実績をゲットするためなら、かなり強引な手段を使ってくる可能性がある、ということです」

チシャ猫:「目的と結果が逆転してる奴らだにゃー」

GM:「彼らは調査団体を館神山に送り込む準備を進めているようです。いや、おそらくすでに現地入りしているでしょう」

秀史:「困った奴らだ」

紗綾:『名誉欲とはいつの時代も迷惑なモノよのう。人間、うまい食い物とうまい酒、それと良い女がいれば十分じゃというのに』「大おじいちゃん、それセクハラです!」

カヤカ:「なるほど。それで自分たちが呼び出されたのですね」

GM:「はい。彼らは今回の調査のため、業務提携しているシグマ・コーポレーションという派遣会社に協力を要請したようです」

カヤカ&秀史:シグマだー!!

GM:「荒っぽいやり方に定評のあるシグマです。業界の仁義がありますから、彼らも真山教授に直接危害を加えるとは思いませんが、様々な妨害が考えられます。皆様には調査隊に同行していただき、調査への協力と妨害の排除を行って頂きたいのです」

秀史:「奴ら山を火の海にでもするつもりか」

チシャ猫:「いやいや、火の海にしたら蝶完全に絶滅するからにゃー」

GM:「もちろんそんなことはしないでしょう。彼らは悪党ではありませんから。しかし仮に『山を火の海にすれば蝶を早く捕まえることが出来る』と判断したならば、ためらわず火を放つ。彼らはそういう会社です。良くも悪くも」

カヤカ:「慎重なエージェントが来てくれるといいんスけど」

紗綾:「うう、荒事は苦手ですぅ」

秀史:「任されよう」

GM:「では、こちらの地図をご覧ください」と教授。


人災派遣リプレイ0101


★調査項目1:北エリアで調査隊と共にフィールドワーク

★調査項目2:南エリアの調査隊と共にフィールドワーク

★調査項目3:山頂エリアの調査隊と共にフィールドワーク

   ※いずれも真山教授が同行していれば+1D

★調査項目4:動画投稿者の素性を調べる

GM:「調査ですが、館神山は北、山頂、南とエリアがわかれていますので、うちの学生達を中心に2~3チームで手分けして行いたいと考えています。皆様にもそれぞれ同行して頂くのが良い形かと」

柳沢:「ふぅむ、護衛と調査のハイブリッド的なアレってわけだね」

GM:「調査隊のリーダーは、私と、この山田、鈴木隊がつとめます」

カヤカ:「りょーかい、ッス!」


★質疑応答など。

GM:「他に質問はなにかありますでしょうか?」

柳沢:「んーと、ちょっと確認してもいいかな?」

GM:「どうぞ」

柳沢:「これ確保が成功報酬なのかい? つまり、確保が成功条件?」

GM:「ええ。確保が条件、と依頼にも書かせて頂いております」

柳沢:「見つかるかわからない蝶を確保するのが条件だと、ちょっと厳しいなあ」

チシャ猫:「居ませんでした、って報告はしやすいかもしれないけどにゃー」

GM:「もしも今日一日調査し尽くしたうえで、真山教授が『蝶はいない』と判断した場合は、任務については成功とさせて頂きます」

チシャ猫:「見つけた場合捕獲も必要なのかにゃ?写真、動画などで撮影できれば良いのかにゃ?」

GM:「実物、それも生きている蝶の捕獲をお願いします。私は、これを機にリンドウアゲハの保護、繁殖を行いたいと考えています。ぜひ生きたまま確保したいのです」

チシャ猫:「難易度が上がった感があるんだにゃ~」

紗綾:「繁殖、っておっしゃいますけど、そうなると2匹以上捕まえないといけないとか?」

GM:「もちろん雄雌見つけられればベストですが、そこまでは考えておりません。生体を一匹確保できれば、生体や住処も探ることは可能となるでしょうから、それは後々の活動と言うことになります」

秀史:「どうにも、雲をつかむ様な話になってきた気がする」

チシャ猫:「まぁだから、見つからなかった場合も報酬があるんだにゃ」

GM:「調査は今日一日、フィールドワークの範囲も館神山と限定しております。ここまで調査して、まったく手がかり無しであれば『いなかった』として報酬は満額お支払いします」

カヤカ:「時間制限まであるんじゃ、もうやってみるしかないッス」

チシャ猫:「逆に考えるにゃ。皆適当にハイキングして帰ってきたら報酬がもらえると考えるにゃ」

カヤカ:「とりあえず、虫取り本気でやってこいってことか。って、これ見つからなかった方が楽?あ、いや、なんでもないッス」

紗綾:「でも、そうやって気軽に構えて、私たちが見つけられなくてハロルド財団が見つけたりしちゃったら大変なことになりません?」

柳沢:「今ここで焦ったってしょうがない。今日は手抜きせずセンセイにつきあって山で虫取り。もしも捕まえられたらボーナス、くらいに考えておこう。一日ハイキングして5PPなら、日当としては妥当だしね」

チシャ猫:「ボクはハイキングする必要すらないんだにゃー。冷暖房と飲み物完備のアジトでリラ~ックスしながら報酬がもらえるのにゃ。いい仕事だにゃ~」

柳沢:「猫君は優雅でいいねえ。おじさんももっと楽して稼ぐ方法勉強しておけばよかったよ~」

カヤカ:「よし、やることはわかったッス。今日一日夜まで虫取り!」

柳沢:「あと、ハロルド財団がどの程度の情報を持ってて、どういう根拠で本腰を入れてるか確認しておきたい」

GM:「これは推測ですが、彼らも我々と同じ程度の情報と思われます」実際、他の動画サイトをあさってみても、蝶が写っていると思われるのはこれだけですね。

チシャ猫:「ざっとネット上探してみても、この動画以外なんも網にかからないんだにゃー。ま、偽情報多いと精査が面倒なんでそのへんは助かるんだけどにゃー」

GM:「動画に幻の蝶が写っていた。調べてみる価値はある。即断即決、人員を送り込んでまずは調査だ、というところでしょう」

柳沢:「調査コストを払ってでも、試してみるメリットはあると考えたわけだ」

カヤカ:「金があるところは良いッスねぇ」

紗綾:『金は天下の回り物じゃ。使ってなんぼよ』

カヤカ:「わざわざ海の向こうからか。明治だかの外国人研究者みたいッスね」

GM:「『21世紀』、『東京都近郊で』、『文献だけに存在していた』、『幻の蝶が』、『自分たちの手によって発見される』。彼らはそういうストーリーが大好きなのです」

紗綾:プロジェクトXのファンに違いない(笑)。

柳沢:「採算度外視でロマンに走る連中だったねえ、そういや」

GM:「あまりおおっぴらにはいえないのですが、欧米の生物学者にとって、海を渡って辺境の森に分け入って新種を発見する、というのはロマンなのだそうです」

柳沢:「依頼を受けたからにはやれるだけのことはやりますよ。おじさんたちこう見えてプロですから」

チシャ猫:「四百年前の幻の蝶。虫ピンで止めれば裏ルート売買で多分一千万円は軽いんだにゃー」

カヤカ:「いっせ、……え!?」

GM:「金銭的価値ははかりしれないでしょうね」

チシャ猫:「そのまま森を燃やしたりして最後の一匹にしてしまえば……、コレ以上は言えないんだにゃー」

紗綾:「猫さん、悪いこと考えちゃだめなんですっ!」『まあ、何匹かおれば、一匹ぐらいくすねてもわからんじゃろう』

カヤカ:「虫取りで一千万。浪漫付き……」

チシャ猫:「増えたら価値が下がるんだにゃ、チャンスは今にゃ」

カヤカ:「猫ぉ~~ッ!そういうこと言うなッ!」

柳沢:「やめときなさい。異能力者が犯罪者になると、フツーの人より残りの人生つらいよ?」

GM:「余談ですが、こんな逸話があります。ヒマラヤの高地で、19世紀に標本だけが残された蝶がいました。近年になってその蝶は発見され、学会でも大騒ぎとなったのですが、その蝶を見つける栄誉は、こうたたえられていたそうです。『聖杯』と」

カヤカ:「聖杯っておとぎ話のアレっすよね。ホントに栄誉なんだ……」

GM:「ええ。名誉としても、金銭としても、蝶を手に入れたいという者は多いでしょう」

柳沢:「昆虫標本の類は、コレクターの間じゃそれこそ天井知らずの値段がつくし、新種の名前とか学名に自分の名前入れちゃう人も多いしね」

チシャ猫:「教授は名誉に目がくらんでるわけじゃないよにゃ?」

GM:「私はあまり……そういう事は考えていませんでした。この山にもしも四百年前にリンドウアゲハが舞っていて、それが再び再現されるというのなら、その力添えをしたいと思っています」

チシャ猫:「それならば本当に研究・調査に熱を入れている真山教授に肩入れしたいところね。地元でもあるし」

カヤカ「え」

チシャ猫:「にゃー」

カヤカ:「……猫、猫。お前ケッコー迂闊だぞ」

チシャ猫:「にゃぁん」

秀史:「ところで、蝶を捕まえるといっても、手でつかむわけにも行かないと思うのだが。そこらへんは調査隊に一任と言うことかな」

GM:「よくぞ聞いてくださいました。これを用意しました」と藤村君。

カヤカ:「これ、って……」

GM:「虫取り網、虫かご、麦わら帽子です」(笑)

一同:………。

カヤカ:「めっちゃ懐かしい、ッスけど」

チシャ猫:「この現代に、正気かにゃー?」

カヤカ:「その麦わら帽子はどうなんだろう!?」

GM:「大丈夫です、ちゃんと人数分あります」

チシャ猫:「そういう意味じゃないと思うにゃー」

柳沢:「ははは、藤やんも麻生さんに似てきたねえ」

GM:「ええ、新人研修の際に上司から教わりまして。やる以上は全力で、と」

カヤカ:「藤村さん、変なとこおちゃめッスね……」

GM:「ちなみにこの虫かごですが、色々と工夫を凝らしておりまして、一度蝶を捕らえれば、あとは多少手荒く扱っても蝶に危害はありません」

カヤカ:技術の無駄遣いもいいところッ!

秀史:いや、それはつまり、「蝶を確保したあと」があると言うことでは?

GM:さてどうでしょう(苦笑)。ということで、皆様も蝶を見つけたらこの網で判定してくださいまし。

秀史:では沙綾さんの刀にはアタッチメント式の虫取り網を(笑)。

紗綾:『わしに何を付けるんじゃ!』「夏休みっぽいですぅ」

チシャ猫:「チシャも虫取りやりたいんだにゃー」

カヤカ:「出来る体じゃねーだろ」

チシャ猫:「ドローンに虫取り網をつけて捕獲するんだにゃー」……『ミネルヴァの梟』で遠隔判定する用ですね。4PP吹き飛びますけど(苦笑)。

柳沢:「いいよー、ほら、猫君用のアミもちゃんと藤村君が用意してくれてるからね。可愛さ20%増しだぞ」

チシャ猫:完全にマスコットが意味ない見た目だけの虫あみを装備する。

紗綾:「じゃあ、私と一緒に取りましょ~」とぬいぐるみをだっこ。

カヤカ:微妙にぬいぐるみを取られたのが寂しい(笑)。


★班分けのこと。

GM:「さて、皆様まずは班分けをお願いいたします」……マップと調査内容、自分の能力を見比べながら、リクエストをお願いします。

カヤカ:体力があるので山!

秀史:なんと単純な!(笑)

柳沢:南、北、山頂で調査内容に差がないなら、おじさんは真山教授と知的な会話に花を咲かせたりしたいかな。護衛も出来るしね。

チシャ猫:私はどこでも出現できるので、班には入らず本部でバックアップを。まずは調査項目の『投稿者の素性を調べる』をあたってみます。

GM:「そう、真贋の判断と言うことで、ドローン動画の追跡もお願いしたいのです。万が一、あの動画がいたずらだったと判明した場合は、そこで調査終了です。その場合も満額お支払いいたします」

カヤカ:その辺は猫さんにお任せですねー。

GM:ちなみに特に指定がなければ、真山教授は山頂、鈴木君は北、山田さんは南と調査するつもりです。三隊にわかれたら守り切れない!というのであれば、隊を減らしてもOKです。

紗綾:この南の奥にある『イノシシ沼』、気になりますねえ。

柳沢:『侵入移動』でないと入れないあたり、いかにもって感じだ。

カヤカ:えーと、『侵入移動』は得意ではないので北を希望します!鈴木さん隊に同行。

柳沢:了解。カヤカ君は北と。女性同士の方がやりやすいだろうから、紗綾ちゃんは山田さんに同行かな。

紗綾:はーい。では山田さんチームで南に。調査とか出来ないし(笑)。大おじいちゃんのセクハラが気になりますが。

秀史:そうなると私は山田隊かな。調査が出来る人間が必要でしょうし。

カヤカ:ああっ、単独で行動できる構成が仇に(笑)。

GM:了解です。猫さんは残留して調査、柳沢さんは真山隊に同行して山頂。カヤカ君は鈴木隊で北、秀史さんと紗綾さんは山田隊で南ですね。

一同:は~い。


 こうして行動方針が決まった一同であるが、ここからが頭の悩ませどころである。

 『人災派遣RPG』では、エリア移動の際、距離や地形に応じてコスト、PPを消費しなければならない。また、それを軽減できる『乗り物』を各自が所有しているため、誰がどう移動するのが最適かというボードゲーム的な判断が必要となる。

 また、エリア間の移動方法も、先程話題にのぼった『侵入移動』のほか、『通常移動』『長距離移動』と3種あり、特殊な移動方法ほどPPやスキルが必要な仕組み。『侵入移動』ができるキャラクターはかなり限られるので、現時点で『イノシシ沼』に向かうのはかなり難しいのだ)


GM:移動の際、自分の車や二輪を使いたい人は申告してくださいね~。

カヤカ:圧倒的原付!凄く高校生らしい原付!(笑)

柳沢:うれしそうだ(笑)。

カヤカ:お金を貯めて買ったホンダのグロム。燃費もばっちりの実用車です!

紗綾:私は学生らしく自転車ですね。

秀史:私は何も持っていないのだけど、これは山まで歩いて行けばいいのでしょうか?(笑)

GM:あ、調査隊の人たちは自前の車でまず山頂まで移動。そこから山の各地に散っていきます。乗り物を持たない人は、調査隊の車に同乗することとなります。

秀史:了解です。山頂までは車、あとは徒歩と言うことで。

柳沢:って、調査隊の車に同乗していれば、移動時のPP消費は避けられるって事でいいのかい?

GM:ういす。車に同乗を選択するなら、山頂まではコストゼロとします。

柳沢:そのままずっと乗っていたいんだけどなあ(笑)。

GM:「そうそう、館神山は山頂まではロープウェイや車道が開通しており通行が容易ですが、山の北と南は獣道や登山道となっており、乗り物の使用は出来なくなっています。注意してくださいね」

カヤカ:うーん!?そうするとカヤカも車に同乗した方が。でも何かあったとき、北から南へ駆けつけられるようにしたいし……(ぶつぶつ)。

柳沢:……車を持っているんだけど、今回は置いていこう。調査隊の車があるのなら出すメリットがない。GM、乗り物を外すかわりに、その分他の装備に振り当ててもいいかな?

GM:あ、それはOKです。移動にNPCが車を出すという情報は、本来ゲーム開始前に説明すべきだった案件だと思います、すみません。

柳沢:サンクス、了解です。

紗綾:私も自転車を放棄して、車に同乗することにします。新宿から足柄インターあたりまでチャリで爆走も楽しそうですけど(笑)。

秀史:足が攣りそう(笑)。

カヤカ:原付、悩む……。高速移動使って移動に1R、調査はその後から……ううん……あとから別の場所で見つかったら…って思うとやっぱり乗り物欲しい……。

柳沢:調査のラウンド制限ってあるの?

GM:今回は明確なラウンド制限はありません。ただ、競合相手が居るということをお忘れなく、ふふふ。

紗綾:現着は早いに越したことはなさそうですね。

カヤカ:やっぱり乗っていきます!スピードが重要になりそうな気もしますし。

GM:そういえばチシャ猫さん、乗り物もお持ちでしたよね。

チシャ猫:実はバイクもってるけど、本部襲われた時に逃げる用です(苦笑)。移動しない私のほうがいい物持ってるっていう。

カヤカ:学生は調達が1/1スタートなの辛いッスよねぇ(笑)。

 協議の結果、チシャ猫は本部に残留、カヤカは自分の原付で調査隊の車に同行。他の三人が調査隊の車に同乗することとなった。

GM:さて、行動が決まったところで。皆様、「近況表」をふってくださいまし。

一同:ああ……。来てしまった(笑)。

カヤカ:旧版の近況表ッスか?

柳沢:旧版? サプリにバランスを調整した新版もあるけど。

GM:うーん、今回は旧版の方で。

カヤカ:それならしばらくお待ちを!

柳沢:何か仕込みがある模様(笑)。

カヤカ:ふふふ!オンセ用にマクロを組んだのですよ。コマンド入力で一発で振れるようにしました。

チシャ猫:ほうほう。……(ころころ)6、 『充実』。忙しくも充実した毎日を送っている。ゲーム中最大LP+1。

カヤカ:猫さんがやってくれましたが、こんな感じでー。

GM:うひょう!これは超便利だ!!ありがとうございます!

紗綾:素晴らしい。(ころころ)16、『 修練』。修行に励んだ分、稼がなければ!表、裏ともに収入が半減。AP+0.5 or BP+1 or JP+1。ぎゃー!収入が表裏両方0になった!(笑)

柳沢:けどそのぶん経験値UPだから(苦笑)。では私。(ころころ)13、 殺伐。最近裏の仕事ばかりで、表の生活はいまひとつ充実していない。表収入×0、裏収入×2。

秀史:サツバツ!

チシャ猫:殺伐いいなあ。表の収入なんていらんのですよ(チシャ猫の生計は裏の収入がメイン)(笑)。

カヤカ:(ころころ)8、 多忙。表の仕事が忙しく、裏の仕事が手につかなかった。表収入×2、裏収入×0。

秀史:(ころころ)7、醜聞。前の仕事で目立ち過ぎてしまった。今回は少し控えなければ。EPを2点蓄積。まずまずですね。

GM:今回の任務に合流するために無茶をせざるを得なかったのでしょう。

秀史:タイムイズマネー!(笑)

カヤカ:結構ばらけましたねえ。

GM:みなさんそこまで悲惨な結果にはならなかったようで何よりです。では、準備が整ったところで本日はここまで。次回からアクション開始と言うことでよろしくお願いしま~す。

一同:お疲れ様でした~!

いいなと思ったら応援しよう!