人災派遣RPGリプレイ06話『洋灰の雨に茉莉花散る』08
●四日目
GM:第四回、開始でございます~。
紗綾:まとめましょう。海鋼馬のエージェントが守る山を登っていく私たち。調査の結果、メルジャヒの方々の目的は、私達の依頼人である上遠野さんへの復讐にあったことがわかりました。
天美:上遠野氏はメルジャヒ人の経済発展に尽くした恩人ですが、同時に彼らの故郷が洪水で崩壊するきっかけを作った人物でもあったということですね。
秀史:そして、彼らに復讐を吹き込んだ何者かがいるらしい、という事がわかった。
カヤカ:『リベンジ騎士団』のド迷惑解釈の忠臣蔵47さん!
GM:全員のファストアクションが終わって、ここからメインアクションとなります。
●第3ラウンド メインアクション
天美:ええと、『森の賢者』の狙撃はいつでも判定に挑戦していいんですよね?
GM:いえす。
天美:では、ここで判定して、狙撃の脅威を封じられるかを確認してからアクションを決めたほうが良いかと思います。
一同:異議なーし。
紗綾:では、瞳を閉じて居合い切りの構えをして全神経を研ぎ澄ませつつ、賢者さんの狙撃が終わるまで待機。
カヤカ:賢者タイムだ(笑)。
GM:誰が判定するかは好きに決めてください。三人で一回ずつでも、一人が三回でもよい。ただし支援は不可。そしてLPが振り足せるのは、判定に挑戦している本人だけ。
相談の結果、当該エリアにいる紗綾が1回、カヤカが2回判定することとなった。
天美:期待値で言えば、2回目までは余裕なハズなのですよね。
カヤカ:ダイス目に関しては何の釈明もできない!
紗綾:では早速一射目挑戦します!7D+12で(ころころ)49!余裕ですっ!
カヤカ:んんん(笑)。
秀史:ヒューッ!
GM:つづいて2回め!
カヤカ:まァ見ててくださいよ。……やってやらァ!(ころころ)32!成功!
一同:おおー!
カヤカ:よし(どきどきどきどき)
GM:さて、運命の3回め。
カヤカ:……よっしゃ行くかー!LPなら有り余ってんぞァ!!!もうどうにでもなーれの精神と、ドキドキワクワク感が素敵な人生のポイントォ!!!(ころころ)24!
天美:わー(笑)。
秀史:もりあがってまいりました!
カヤカ:LP使います!!!知ってたから2点入れてやらあ!(ころころ)クリティカルで41!(一同爆笑)
紗綾:まわったー!(笑)
カヤカ:お前ーーーーッ!!!!(じたばた転げまわる)
GM:(爆笑)
秀史:今日も元気にカヤカってますな。
紗綾:逆に考えるんです、2点つぎ込んだからこの目が出たのだと(笑)。
GM:判定、3回連続成功!狙撃成功です!
『森の賢者』は完全に気配を消し、藪の中から銃口を向ける。
チャンスはわずか。超精密狙撃を三連。
流れるように引き金を引く。
一射。…‥成功、1km先の鉄塔のボルトが甲高い音を立てて吹き飛ぶ。
『魔弾』、即座に反応。カウンタースナイプ発動。猶予は数秒もない。
その時点で二射を終えている。……成功、反対側のボルトが吹き飛ぶ。
視界に『魔弾』の投擲。極限の集中力が途切れ、照準がマイクロ単位でブレる。
だが。
”CCCのメンバーの前で、二度も無様を見せるわけにはいかんな!”
不敵に笑みを浮かべ、最後の一射。
『魔弾』の手裏剣はすでにその手を離れているが、もう遅い。
撃ち出された弾道は数学者が一目惚れするような曲線を描き。
――最後のボルトに命中した。
GM:「……!」『魔弾』の足元の鉄塔が自重で崩壊する。即座に体勢を立て直すが、足場そのものが崩れてはどうにもならない。鬼伏山中に轟くような音を立てて、採石場が倒壊。『魔弾』は瓦礫の中に飲み込まれた!
一同:おおおおー!
天美:常人の目では何が起こったのか認識もできない距離で戦いが繰り広げられていた。
GM:以後、魔弾は3回行動不能。また、狙撃用の足場が崩壊したため、高度ボーナスも削減されます。
カヤカ:やったー!
紗綾:やりましたー!
天美:敵に回るとまったく厄介ですねえ、狙撃手って。
GM:「……やれやれ……、最後に文字通り、一矢報いて……やったな……」見ると、狙撃用のスコープを粉砕し、そのまま『森の賢者』の肩口に手裏剣が深々と突き刺さっているのであった。
天美:け、賢者サーン!!!
チシャ猫:「カッコつけたんだにゃぁ」
GM:「シグマチームの任務はここまでだ。あとは、好きにするといい……」と言い残し、森の賢者は昏倒しました。
カヤカ:「お前の死は無駄にしないからな!森の、森の、ええっと」
紗綾:死んでません(笑)。
天美:「『賢者』さんはシグマの回収班が出てるでしょうからお任せしましょう。私達のビジネスはここからですよ!」
●紗綾のターン
紗綾:では早速、サソリさんに攻撃します。森の中に潜んでるそうですが、普通に攻撃出来ます?
GM:大丈夫です。森の中で気配を消す能力は、回避のダイス数に反映されてるとお考えください。
紗綾:了解。では、演出を込めて。……3発の銃声が鳴り響いた直後。「そこっ!」と居合一閃!『心眼』+『戦の記憶』+『鬼神力』+『アウターハウル』で斬!(ころころ)35で命中。
天美:紗綾さんが攻撃するぞっていうときのこの安心感(笑)。
チシャ猫:シタナガさんも安心感があります(笑)。
カヤカ:なんだよー言いたいことあるならいってもいいんだぞー(笑)。
紗綾:一定ダメージで退却するっぽいし、『完全憑依』は温存します。
天美:そこで「誰がミドルがガチじゃないって言った?」みたいなことを言われるとプレイヤーがゾクゾクしますが(笑)。
GM:今回は最後に四人が合体してボスキャラ『箱入り空母サソリ魔弾』になります(一同爆笑)
紗綾:ひどい悪魔合体(笑)。しかも無駄に語呂がいい(笑)。
チシャ猫:それならこっちも合体だ!『精霊王猫ヘッドニンジャ悪霊剣士・ダイス悪いマン』(笑)
天美:猫さんのセンスも大概だ!
GM:いやしかし、6D攻撃2回は結構ガチなんだけどね。君らは強くなった。
紗綾:『ワシが出るまでもない。昇段試験じゃ、頑張るが良いぞ』
GM:こちらの回避は本来6Dなのだが、データやセンサーで支援をしている『小空母』が天美、シタナガと戦闘中のため減少。(ころころ)18、中失敗ですな。
紗綾:では11D6+12で(ころころ)57!
GM:ぐえー!GPも支援がないため低下しており、47点抜け。精神を研ぎ澄ませた君が居合を振るうと、森の中、いつの間にか背後1メートルにまで迫っていた迷彩服姿のゲリラ兵を切り裂く!「……ッ、俺のアンブッシュに気づくとは、いい鼻をしている……!」
紗綾:「むぅ、仕留め損なっちゃいました。殺気がまだ漏れてますよー」
チシャ猫:戦闘に関しては猟犬以上の鼻をしてそう。
秀史:「抜刀術:五の段『逆巻き』か。刃を抜くのではなく『鞘を撃ち出す』異形の抜刀術」
天美:「知っているんですか、シタナガさん!」
紗綾:『ほほう、よく知っておるのう、さすがじゃ』
GM:ゲリラ兵『双尾蠍』は後ずさって距離を取る。ただそれだけで、迷彩服が森に溶け込み、昆虫の保護色のように視認が困難となる。
カヤカ:「マタギの木化けみたいなもんか?厄介だな」
GM:「よかろう。『森の賢者』を魔弾に譲ったのは業腹だが。格下でも二匹も喰えば十分よ。もとより貴様らを狩りに来たのだ。ここから本番とゆくか!」47点ダメージを与えたが、まだ敵は引く気配を見せない!
紗綾:『速攻』で追撃します!どのみちこのターンで突破しないと後がきつそうですし。
GM:じっくりじかんをかけてやまをのぼってもいいんじゃよー。
紗綾:確実に斬ることにしました(一同笑)。(ころころ)回って命中47!
GM:回避(ころころ)おおおい!ほぼファンブルやんけ!(笑)ダメージください。
紗綾:念のためLP3点入れます。
秀史:大盤振る舞いだぁ。
紗綾:16D6+12で(ころころ)97!(一同爆笑)
秀史:アイエエエ!
天美:笑うしかない。
カヤカ:ほぼ3桁じゃねーか!(笑)
チシャ猫:ダイス16個振っているのに3以下がない。
天美:456賽でも使ってるとしか(爆笑)。
森の中に姿を晦まし、ゲリラ戦に持ち込もうとする『双尾蠍』。
有利な状況で時間を稼ぎながら的確に攻撃する、A級エージェントの必勝の戦術。
だがその思惑は、想像を遥かに超えて伸び来る二の太刀に切り捨てられた。
GM:「ッ!!」敵もさるもの、紗綾の斬撃に対し完全に反応し、グルカナイフを十文字に構え受け止めていた、のだが。
紗綾:『……ほほう、腕を上げたな紗綾よ、今回は合格じゃ!』
GM:……必殺の斬撃は重ね合わせた二枚の鋼を両断し、なお威力を減じず、『双尾蠍』を深々と切り裂いたのであった!「馬鹿なッ!」97点では耐えられない。撃退達成です!
一同:おお―!
紗綾:「珍しくおおおじいちゃんが褒めてくれましたですぅ」
チシャ猫:「正直、味方で良かったと思うんだにゃぁ」
GM:「……ち、これは想定外だ。まさか『森の賢者』よりもタチが悪いとはな」
カヤカ:太刀だけに。……なんでもないっす(笑)。
チシャ猫:まぁ太刀が悪いのは間違いないにゃぁ(笑)。
GM:「これは依頼に乗った甲斐があったというものだ」というと、男は袖口からぶしゅーっ!と催涙ガスを君に吹き付ける!
紗綾:ふみゅあ!
GM:フレーバーなのでペナルティはなし。君がとっさにガスから距離を取るのに合わせ、男は森の中に一目散に逃げ込むのであった。
天美:さすがに逃げの一手ね。それにしても、依頼に乗った甲斐、ね。
紗綾:「むぅ、倒しきれなかったですぅ、ごめんなさいです」リソース消費。罰則2回目で、『露見』AP1点蓄積です。
GM:そして敵の落としたグルカナイフの刃を回収することで、『双尾蠍』が使用している毒の種類を解析できる。このデータによって、湖エリアの揮発毒によるダメージが解除されます。
一同:わーい。
チシャ猫:さすがに消耗が激しいから、天美と合流して回復させておきたいにゃ。
天美:「私達も空母を処理しないとね!」
秀史:「そうなるな」
●『魔弾』のターン
GM:ここに本来『魔弾』の狙撃があるのですが、彼は3回行動不能です。崩壊した鉄塔の下で『魔弾』がどうなっているか知る由はない。このまま戦闘不能になってくれていればいいのだが。
チシャ猫:それはかっこ悪いにゃあ(笑)。
カヤカ:かっこ悪くあって欲しいんだよなあ実情!(笑)
●秀史のターン
GM:一方こちら西エリア。靄のかかった湖に浮かぶ『小空母』。その上空を、ぶーんぶーんと音を立てて、ドローンの群れが哨戒している。君たちの居場所は確実にキャッチされているだろう。
秀史:「さて、あいつを退けないと」
GM:ちなみに『小空母』の外見はアーマード●アのホバー型とキュ●レイが混ざったようなシルエット。ファン●ル代わりにドローンを飛ばしてる感じ。
カヤカ:現代異能モノとは一体……。
秀史:今回は長射じゃないのでだいぶコストが軽くなるな。『隠形術』覚醒、『スティング』、『暗器使い』で(ころころ)34。そこそこ。
GM:回避(ころころ)16。中失敗でダメージ。
秀史:ダメージは4D6+2で(ころころ)13。
GM:サイボーグの装甲は伊達ではない。GPで弾いた。
秀史:続いて毒等の貫通ダメージ(ころころ)20。
チシャ猫:本命できっちり仕事していくんだにゃ!
GM:はいさー、君の手裏剣は小空母にヒット。20点ダメージを与えた!さすがにまだまだ撃退はなさそうだ。
天美:揮発毒のダメージが解除されていてよかった。
チシャ猫:紗綾のイニシア爆発が結果として最適解だったにゃ。
秀史:ではここで『速攻』。先ほどと同じ構成で命中(ころころ)、今度は63!
カヤカ:うわ―!(爆笑)
天美:せんせー、火力担当が二人とも456賽使ってまーす!!!(笑)
GM:(ころころ)避けられるか!(笑)完全失敗でダメージ下さい。
秀史:通常ダメージ(ころころ)は装甲で弾かれて、本命の貫通ダメージが(ころころ)26!
カヤカ:貫通26は十分強いんだよなあ。
GM:「………!」一投目が『小空母』の装甲の継ぎ目に突き立ち、そこに二投目が継矢の如く正確に追い打ちし刃を深く埋め込む。無表情なサイボーグだが、体勢を崩したところから、かなりのダメージは与えていると思われる!が、まだ決定打ではない。
秀史:SPを52点消費、罰則2回目、罰金。PP3点支払いです。
天美:消耗激しいなぁ。
紗綾:『魔弾』の狙撃を避けたりとか、色々無理してますからね。
チシャ猫:そろそろ撃退できそうかにゃ?
GM:さっきの紗綾さんが47点(耐久)→134点(撃退)だったので目安にして下さい。
天美:参考にならない!(笑)
カヤカ:あんまりシタナガさんに無茶はさせられねえなあ。
天美:このゲーム、HPやSPだけ見るとピンシャンしてても、それを支えてるリソースが尽きるとあっという間に決壊しますからね……。
GM:『小空母』のモノアイが怪しく輝く。『……目標追加。CCC準A級エージェント『剣擲者』。査定対象。殲滅開始」
●チシャ猫のターン
チシャ猫:「さーて、おっしごとなんだにゃー」魔術なのにハッカーで解除できるという霧を処理します。うーん、40だと覚醒いるにゃあ。
GM:いえ、別に一発で抜かなくてもですね(苦笑)。
チシャ猫:『覚醒ダイブイン』(ころころ)43、綺麗に解除。
天美:つよい。
カヤカ:完璧すぎる。
「ふんふんふーん、コレ面白い能力にゃね。なんの複合能力なのかにゃぁ」
チシャ猫は、霧の中にいる紗綾とカヤカのスマホから画像や音声データを吸い上げる。解析により、ランダムな自然現象の背景に隠れた数列を取得、根本となる数式を算出する。
「魔術に数式を組み合わせることで制御効率を劇的に引き上げているのかにゃ?楽そうだけど、ハッキングに弱いのは致命的だにゃー、にゃにゃにゃん、にゃん」
GM:君は『自然現象の中に一定のタイミングで特定の数列が現れる』という現象に気づく。それを打ち消す数式を波形に変換し、二人のスマホから音声出力する。
チシャ猫:「OKにゃー、カヤカ。もう少ししたら自然に霧が晴れると思うにゃ」
カヤカ:「さす猫!」
チシャ猫:「ま、このためのチシャだしにゃ。ドンパチは任せるんだにゃー」SP6消費。
GM:スマホからの音響が響き渡ると、霧が薄くなっていった。ということでクソトラップ解除!ついに工場エリアへの道が開かれました!
天美:GM自らクソトラップって(笑)。
GM:このリソース管理ゲームで、移動すると逆方向に出てしまうとかクソ以外の何物でもないです(苦笑)。
天美:真のクソトラップはそれを事前に開示しない奴ですよ!
チシャ猫:もしくは解除不能ギミック。
天美:『確実に引っかかる罠』は総じて許せないですね(笑)。