人災派遣RPGリプレイ01話『幽かなる竜胆』06
★第2R:フェイズ 柳沢
GM:さて、南エリアの調査に向かった三人の方は、鈴木隊、山田隊とともに南エリアにやってきた。なかなかの大所帯だね。
柳沢:ほいほい。紗綾君たちとも無事合流したよ。
紗綾:「こっちにいっぱいいると良いですねぇ」
GM:そんな君たちは、南エリアに入ったあたりで二十人ほどの一団と遭遇する。
柳沢:うへえ、いっぱいいる(笑)。
カヤカ:「シグマの連中がまだ居るのか?」
チシャ猫:「質はともかく、動員数がすごいんだにゃ?」
秀史:「片っ端から捜索をかけてるってことか?金かけてるな」
柳沢:「……やれやれ、まったく観光客が多いねえ、この山は!」
GM:まさに、その通りです。「あらあら、学生さん達がたくさん。学校の授業かしら?」と声をかけてきたのは、山登りの格好をしたおばあさんだ。
柳沢:あっれー?本当に観光客だったのか(笑)。
紗綾:不審者は我々のほう、というオチでしたか(笑)。
二十人ほどの団体の招待は、館神山にハイキングにやってきた隣県の老人会の一団だった。とめどない世間話をしながらのんびりと山頂を目指すご老人がたに道を譲りつつ、挨拶をかわす一同。
柳沢:やましい調査ではないし、ここは「学生のフィールドワークの引率ですよー」と回答しておこう。
GM:「そうかいそうかい、大学のお勉強かい、えらいねえ」
チシャ猫:「やましい能力で調査してるだけなんだにゃ」(笑)
GM:こちらの一行は服を着せた子犬を抱えていたり、記念撮影を撮りまくっていたり、休憩して座り込んでお茶を飲んでいたりとのんびりしたものだ。
カヤカ:こっちのエリアはほのぼのだなあ。
柳沢:世間話を交わしつつ、変な情報が紛れてないか耳をそばだてる。
GM:「おーそこのぼっちゃんと嬢ちゃん、みかん食べるかい?」
紗綾:「わーい、いただきますぅ」
秀史:「ありがたく頂戴します」
紗綾:「何か面白い写真撮れましたかぁ?」
GM:「おお見るかい見るかい」とやたら気合の入った一眼レフのデジカメを見せてくれる(笑)。
柳沢:それはチェックしておきたい。蝶の影とか、屈強な外国人の姿とか。
GM:じーちゃんばーちゃんの自撮りやら集合写真やらが映っている。……君は素早く目を走らせるが、怪しいものは特に見当たらなかった。
柳沢:収穫なしか。「いやあ、矍鑠かくしゃくとしたものですなあ。私もみなさんみたいに元気に歳をとりたいもんです」適当に持ち上げておく(笑)。
GM:「アンタもなあ、もう少し勤めればアガリだから、もうちょっとがんばんなさいよ!」
柳沢:「なかなか引退させてくれないんですよねぇ」
GM:「あと嫁にはやさしくしてやんなよ!あそこのじいさんなあ、会社定年になったその日にかみさんが家を出て行ってなあ」
秀史:「大人の会話だな。定年後に嫁さんが出ていくのは勘弁だが」(笑)
柳沢:「むしろおじさん、定年前に出ていかれちゃったんだけどねえ」(笑)
カヤカ:「ちまちま世知辛さが滲みますね……」
秀史:「超能力者や魔法使いでも、離婚の危機からは逃れられないのだなあ」
紗綾:『大名だろうが華族だろうが、離婚するときはするものよ』
柳沢:「……うん、まあ、なんだ。辛い話はやめよう?」
一同:うむ。
GM:などと君らが会話しているうちに、ご老人達は再び歩き始める。
「さ、みなさん、そろそろ行きますよ」「は~い」
秀史:「オタッシャデー」
柳沢:「猫さん。一応、荒事になったときに彼らを巻き込まないよう、GPSかなんかで彼らの位置情報をトレースしておいてもらえるかい?」
チシャ猫:「にゃにゃーん、めんどーだけど仕方がないんだにゃ?」
秀史:「彼らは携帯やスマホ持っていないのでは?」
チシャ猫:「にっしっし、心配しなくても年寄りは首輪付きにゃよ~」
柳沢:「さすがは猫さんだね」
チシャ猫:「お年寄りの携帯は迷子防止のGPS標準装備にゃ」
カヤカ:「ああ、徘徊防止とかか……」
老人会の一行を見送った一同は、南エリアの調査を開始する。
GM:山田女史が「では、調査を始めましょうか」と言えば、「ういーす。みんなスタンバイ」と鈴木君。ということで、調査の判定どうぞ。
柳沢:敵もいないし、ここは私が最初に判定をしよう。『スカラー』判定、PPも3点使って4D+6(ころころ)……回って21。
紗綾:これは一発クリアですね。
カヤカ:「おお、おじさん流石!」
柳沢:「やれやれ、事前に真山先生の本を読んどいて良かったよ」
GM:それでは、判定の結果なのですが。
柳沢:ふむふむ。
GM:君は採集されたデータを分析したが、――残念ながら、このエリアではリンドウアゲハのものと思われる痕跡は見つからなかった。
柳沢:「ということで、見つからなかった事がわかったよ」(笑)
カヤカ:「……あれ?そっちが本命だとばかり思ってたけどなあ」
秀史:「となると、イノシシ沼か?」
紗綾:北エリアから沼まで隠し水路があったりして(笑)。
各エリアの調査を終えたが、決定的な手がかりがなく困惑する一同。しかし……。
GM:「いやーっ!!豆ちゃんがーっ!!!誰か!誰かー!!」
紗綾:「豆ちゃん?」
GM:声の方角は、君たちが元来た道の方だ。
柳沢:「あちゃあ、おじいちゃん達に何かあったかな?」
カヤカ:豆ちゃん。連れていた犬のことかな?
チシャ猫:「位置情報送るにゃ!」
紗綾:「はわわ、助けないと!」
柳沢:ところが私の手番はここで終了なんだね。
秀史:「はいはい、俺の出番だな」
★第2R:フェイズ 秀史
悲鳴を聞きつけ山道を引き返した一同。
そこには戸惑ったように立ちすくむ老人会の面々と、その中心で、豆柴を抱いて泣き叫ぶ血相を変えた老婦人がいた。
GM:子犬は口から泡を吹いて痙攣しており、かなりよろしくない状況とわかる。
秀史:「荒事かと思って来てみたが……獣医は専門外だぞ」
GM:「きゅ、急に豆ちゃんが泡を吹いて倒れたの!」
紗綾:「何か良くないモノを拾い食いしちゃったのでしょうか?」
カヤカ:「ええ?害獣駆除に毒餌なんて使わないよな?農薬?」
柳沢:「山の中では考えにくいねえ。キノコでも口にしたかな?」
紗綾:GM、ミスティックで判定できません?確か心霊治療の要素も含んでいたはずですが。
GM:それではここで判定を。みなさんチェックよろしく。
★調査項目ex:犬を救え!
急に泡を吹いて倒れた犬を助け出せ。
成功条件:ドクターで判定、もしくは「道の駅エリア」にある動物病院に犬を連れて行く。
カヤカ:ダメっぽい!科学的なアレっぽいですね!(笑)
柳沢:『ドクター』持ちが誰もいない(笑)!
チシャ猫:お客様の中にドクターの方いらっしゃいますか~?
秀史:そんな技能は取ってません(笑)。
紗綾:『犬は専門外じゃい』
GM:『ドクター』のスキルが取り損にならんよう作ってみました。
カヤカ:『ドクター』は中々伸びないんですよねぇ(苦笑)。
柳沢:3手番もあれば、なんとかクリア出来るかな。
秀史:いくら何でも3手番消費はまずい。ここは『道の駅エリアへの搬送』を行います。俺なら単独行動がデメリットにならないし。
柳沢:言われてみれば。ではここはシタナガ君にお任せしよう。
秀史:――それに、『道の駅エリア』からなら沼以外の全エリアに攻撃が届く。
カヤカ:大陸間弾道スリケン!
チシャ猫:カッコイイ!
GM:「お、お願いします、どうか……!」涙ながらの老婦人
秀史:「お任せを」犬を小脇に抱え、獣道を下ります。手番を消費しての『標準移動』扱いで良いですか?
GM:はいな。5PPでOKですよ。
柳沢:「苦労かけるねえ。よろしくー」
GM:坂道を駆け下りつつどんどんと加速。――危険なスピードに達しながらも、迷いなく木々の隙間を縫って走り抜けるその様は、まさしくニンジャのそれだ。
秀史:「緊急事態だ。チェシャ猫、CCCから車を回せ!」
チシャ猫:「猫遣いが荒いんだにゃ。近くのタクシーの方が早そうなんで回しといたんだにゃ」
柳沢:出来る猫さんだなあ。
秀史:「助かる!ついでに近くの動物病院に連絡も」
チシャ猫:「動物病院にゃねーOKにゃよー、住所そっちに送るにゃー」
GM:君が山道をつっきって国道に出ると、狙い澄ましたようにタクシーがやってくる。「あのー、なんか、ここでお客さんを拾うようにって、無線で指示があったんだけんども」
秀史:「急いでこの住所の動物クリニックに向かってくれ!」
カヤカ:優秀……っ!
チシャ猫:「しかし、他人様のお犬様のために頑張り過ぎじゃないかにゃー?」
連携による電撃的な搬送で、秀史は『道の駅』エリアに移動。
豆柴を動物病院に届けることに成功した。
迎えに出てきた獣医は、豆柴の様子を見るなり手慣れた様子で処置を始める。
GM:「あーこりゃ何かよくないもの口にしちゃいましたねー」と薬剤を薄めた液を含ませる。しばらくすると、豆ちゃんはげぽっとお腹の中のものを吐き出した。
カヤカ:「よくないもの?」
GM:吐いたものを見ると……そこには、羽っぽいものが。
柳沢:「おっと、意外なところから手がかりが」
秀史:「蝶を食ったのか……。悪食にもほどがあるぞ豆ちゃん」
GM:ではそこで、インカムで情報を共有していた教授が説明する。「たまに、子犬や猫が蝶を食べてしまってこうなることがあるのです」
カヤカ:「ふむふむ」
GM:「蝶類の中には、幼虫の頃に毒草を食べて育つことで、成虫になっても体内に毒を持つものがいるんです。そうして毒をもった自分が食べられることで、敵に自分たちを食べないよう警告し、群れ全体を守るんですね」
秀史:「種族としての防衛策というやつか」
チシャ猫:「なるほどにゃんだにゃー」
GM:「こういう蝶は、たいていその毒草を好んで卵を産み付けるのです」
カヤカ:「毒草。……毒草かあ。段々生態もわかってきたなー」
柳沢:「水辺で産卵をし、毒草に卵を産み付ける。生息場所はだいたい絞れてきたんじゃないかな?」
GM:治療が一段落したところで、君の元に電話がかかってくる。「豆ちゃんは、豆ちゃんは大丈夫ですか!?」
秀史:「大丈夫ですよ。病院の住所をお伝えします」
GM:「ああ、ありがとうございました、本当にありがとうございました……!」心からのお礼の言葉に、ちょっと君のテンションはあがってLPが+1となる。
カヤカ:いいことをすると気分いいですしね。
★2 調査隊と共に南エリアを調査:結果
南エリアでは蝶は見つからなかったが、
たまたま助けた犬の胃の中から蝶の羽の欠片が発見された。
これはリンドウアゲハの羽だ!
どうやらリンドウアゲハが存在するのは間違いないらしい。
リンドウアゲハは毒を持っており、口にした犬が中毒を起こしたようだ。
飼い主から涙ながらの感謝。ちょっといい気分 LP+1
柳沢:LP追加いいなあ(笑)。
GM:てか、カヤカ君もSPとHP回復あったんですけどね(笑)。
カヤカ:消費してないから(苦笑)。
柳沢:シタナガ君は設定こそ突拍子も無かったが、実は我々の中で一番良識ある人かも知らん(笑)。
紗綾:みんなだんだんキャラが固まってきましたね。
カヤカ:あいむうぃなーしてしまったから良識を語れないっ!(笑)
柳沢:せやねえ(笑)。
チシャ猫:紗綾さんは良識ありそうなんだけど。
秀史:刀が……。
柳沢:刀がねえ……。
カヤカ:じーさんがな……。
紗綾:『このりょーしき人たるワシを捕まえて何という言いぐさじゃ』「大おじいちゃんは、良識ないと思いますですぅ」
チシャ猫:「ボクのほうがまだ良識があるんだにゃ?」
秀史:(笑)常識人が誰かは置いておいて、「先生、その羽と吐いたものはもらってもよろしいか?」
GM:「え?まあ、ばっちくなければ……。この症状だと、アルカロイド系だと思われます。人間の体内に入っても下痢や嘔吐をしますから、取り扱いには気をつけてくださいね」
秀史:「実家で爺さんに教わったな。野草やキノコは場所によって微妙に成分が変わるから、毒があるかないか判別するのはプロでも難しいと」
GM:「ま、逆に言えば、うまくすれば便秘解消とか胃もたれの薬になったりもするんですけどね」
秀史:……。
紗綾:……。
柳沢:……。
カヤカ:「……ちょっと待って、その薬効、聞いた覚えがあるぞ」(笑)
チシャ猫:「毒草茶だったんだにゃー」(笑)
柳沢:嫌だなあ、またあのダメ神主のとこいくのかあ。面識ないけど(笑)。
カヤカ:絶対悪ノリだと思っててすいませんっした!
チシャ猫:まさかの伏線でしたね(笑)。
GM:いやーヒントがわざとらしくならないよう、神主のキャラをわざとらしくしたのですが、悪ノリと取って頂けてよかったっす(笑)。
紗綾:いつもの悪ノリモブキャラとばかり思ってた(笑)。
カヤカ:「ええっと、状況よくわかんねぇけど、またあのマッズいお茶………だったか漢方だったか飲みに行くのか?」
秀史:「いや、神主さんにお茶の材料のある場所を聞く」
カヤカ:「そっか、その薬草っての探せばいいんだな?おっけ、わかった!」
GM:「神主さんとなら電話がつながりますよ」と教授。会話だけなら手番を消費せずに可能です。
秀史:俺の番はここまでですね。あとは神主と面識がある紗綾さんにお任せします。
★第2R:フェイズ 紗綾
柳沢:プレイヤーの風邪は大丈夫そうですか?
紗綾:中の人は意識飛びそうですが、がんばりますDeath。
チシャ猫:ご無理はなさらずー。
紗綾:お気遣いありがとうです。では携帯をお借りして神主さんに電話を。「先ほど頂いたお茶の原料ってどこで取ってこられたんですか?おいしかったんで是非お父さんにも飲ませてあげたいんですぅ」『それは止めた方が良いと思うぞい』
秀史:お父さんがかわいそう(笑)。
チシャ猫:「美味しかったんでとは大きな嘘が出たんだにゃ?」
紗綾:「え?おいしかったですよ?」
チシャ猫:「にゃ。……まぁボクは飲んでないからにゃんも言えないんだにゃ?」
柳沢:「おじさんも同じ」(笑)。
紗綾:『うちの子孫は代々毒には強い体質じゃからのー。戦場では生死を分けるもんじゃ』
GM:「えっ!!いやーそれはうれしい。うちの神社もこれで特産品として売り出せるってもんですよ!!やっぱり時代は健康だなあ。通販でもとりあえず体重が落ちる(※個人の感想です)とか肌がきれいになります(※個人の感想です)とかつけておけば倍の値段設定しても売れるからなあ!
チシャ猫:「なかなか俗い神主様なんだにゃ」
GM:「よし次は製剤してサプリとして売りだそう。霊験あらたか館神丸とか名付けて。うんさっそくページを作ろう」
チシャ猫:「ページはご依頼頂いたら悪い方に破格の値段で請け負うのにゃー、いいページつくるにゃよー」
GM:「それはありがたいですね、ぜひあとで相談を……」
チシャ猫:「悪い方に破格なんだけどにゃー」
柳沢:都合の良いところしか聞いてないタイプの人じゃないかなあ。
紗綾:「で、どんな草なんですか?」
GM:「あれはツリガネスズクサと言いまして。もともとイノシシ沼に自生する野草なんです。うちの神社の文献によると、毒を持っていますが少量だと薬になるとのことで、昔はそれを採ってきて丸薬にしてたんだそうです。これを使わない手はないと、うちの神社の特産品にすべく去年頑張って山奥まで行って採ってきました!いやあ大変でした」
柳沢:やっぱりイノシシ沼か。
カヤカ:エリア的に一番怪しかったですけど、直球でしたね。
紗綾:「ここからイノシシ沼に行く道はあるんですか?」
GM:「あ、うん。山の南からさらに南に行くと行けるよ。木が茂っていて、沼までたどり着くのはめちゃくちゃ大変だけど」……つまるところ『侵入移動』してねってことです。
カヤカ:PPガー!!
柳沢:払いたくないでござる……ッ!移動でPP払いたくないでござる……ッ!
チシャ猫:おじさん、余裕がないにゃよ!
紗綾:もう少し情報が欲しい感じはしますね。具体的にはPPを消費せずにすむ隠し通路など!
GM:「うーん、僕もケガだらけになってようやくたどりついたからなあー」
カヤカ:北側にはもう何もなさそうだし、移動してそっちに合流するとして………うう、遠い。
紗綾:洞窟で北エリアと沼が繋がっていたりして。
秀史:残りのシグマが南エリアに来られないよう足止めするって選択もあるな。
カヤカ:隊長と大男の行方も不明なんですよねえ。
チシャ猫:情報を流してシグマに侵入させて、蝶を捕まえさせて横取りするとか……。
己のPPや戦闘力、マップを確認しながら相談するプレイヤー達。ここらへんがエリア移動の要素のある人災派遣RPGの特徴であるが、GMは基本プレイヤーの結論待ちなのでちょっとさみしかったりする。
紗綾:整理すると、結局、やれることはイノシシ沼に直行することだけ?
秀史:今ある情報からすると、それくらいですね。
柳沢:あとは、この手番のうちに行くか、一回パスしてみんなで一緒に行くか。
紗綾:悩んでいても埒があかないのでとりあえず先陣を切ってしまいましょう。ええっと、消費PPは……。
GM:ああ、PPのカウントはしなくていい。君が「イノシシ沼への移動を宣言する」ことでイベントが発生する。
柳沢:おやあ?
GM:君がイノシシ沼に向かうべく、館神山の南を進んでいると――同じくイノシシ沼に向かおうとしている人影とばったり出くわす。
紗綾:お相手はどなた?
GM:「HEY、誰かと思えばお嬢ちゃん……そういえば、さっき麓で会ったな?」身長2メートルくらいある大男だ。
カヤカ:ああ、見たことがあるな。
紗綾:『隊長』ではないのですね。
GM:うむ。『隊長』に頭を下げてた、態度が悪かった方だ。
紗綾:「こんにちはですぅ。こんなところで何しているんですか?」
柳沢:ブレないなあ(笑)。
GM:「そうさなあ、ちょっとした土木工事ってとこかな」
紗綾:周囲を見てみよう。何か分かります?
GM:どうやら、彼の周囲と、今まで通ってきたルートの木々がことごとく切り倒されているようだね。
カヤカ:……と、通りやすくなったな!(笑)
チシャ猫:「アホだにゃ、アホのしごとだにゃ!」
紗綾:イノシシ沼への高速道路を鋭意工事中って感じですか。
GM:本来道を邪魔している枝葉や幹がばさばさ切られて、通行可能となりつつある。
紗綾:「いいんですか?もしチョウチョさんがいたら逃げちゃいますよ?」
GM:「さあ?俺の知ったことじゃあないね。俺が言われたのは、この先にある沼までの道を切り開けってことだけさ」
柳沢:「ったく、アメリカさんのやることはいつもコレだよ」
秀史:自然は大事にしろよ(笑)。
紗綾:完全下請け分業制、上の考えには口を挟まない(苦笑)。
カヤカ:「捕まえるのは仕事じゃない、のか?」
GM:「そりゃあ、財団の連中が俺が作った通路を通っていってやるだろう。んで、たった今俺がもらったコマンドは……」……男の腕が突如、ぎゅいーんと鳴り出し、ジャケットを突き破ってチェーンソーが飛び出す!
柳沢:サーヤ は バラバラになった!
秀史:わあいサイボーグだ!
カヤカ:『機械化』かあ!
GM:「お前らを通すなってことさ!」ちゅいーん!ちゅいーん!(笑)
柳沢:ですよねー。
GM:「HAHAHAHAHAHAHA!俺はシグマの『伐採屋』(ランバージャック)!お前らもエゾマツの幹みたいにぶった斬ってやるぜぇーっ!」
紗綾:『ひゃひゃひゃ!貴様こそワシの錆にしてくれるわ!戦じゃ戦じゃ!』「いやー、大おじいちゃん興奮しないでっ~!」
カヤカ:エリアの正反対でお祭りはじまっちゃったーっ!?
GM:この手番では遭遇戦のため、互いに一回ずつ攻防する形になります。本格的な戦闘は次のラウンドからですね。
秀史:「……ちょっと待て、シグマチームはいつ沼に蝶がいると気づいたんだ?」
カヤカ:「確かに。こちらが神社の文献とかも漁って、ようやく見つかったばかりなのになあ」
柳沢:「全うに考えれば人海戦術で調べあげた、ということになるが」
紗綾:「エリアごとに、手当たり次第ひとを派遣しているとかです?」
秀史:「その場合、この大男の単独行動とうのが不自然に感じる」
柳沢:「……我々の調査を盗み見してた可能性もある?」
チシャ猫:「じょ、情報は渡してないにゃ!まだ渡してないにゃ!」
カヤカ:「信じといてやるから後でメシ奢りな猫」
チシャ猫:「上等なカリカリを用意しといてやるにゃ」
カヤカ:「猫じゃねえよ俺は!」
秀史:「そもそも沼に蝶がいると確信がなければ大男を派遣しない。かといって確信しているならここで全部隊を送り込むはず」
チシャ猫:「確かに、カン任せで森を伐採するのはリスクが高すぎるんだにゃ」
秀史:「つまり沼にいるという情報をつかんだのは俺たちとほぼ同時。そのうえで、念のため遊撃として置いておいた大男を先行させた?」
GM:さて、シグマチームはどうやって君らの調査に追いついたんでしょう?そして蝶は本当に沼にいるのか?というあたりで時間も来ましたのでここで一度お開きです。次回はまるまる戦闘のクライマックスです!
一同:お疲れさまでした~!