人災派遣RPGリプレイ06話『洋灰の雨に茉莉花散る』04
●二日目
GM:二日目よろしくお願いします。
天美:前回のログを確認中。実にひどい。
GM:いやあホントに前回はゆう○やかウタ○ゼかってくらいほのぼのしたプレイでしたね。
秀史:ほのぼのとは。
天美:ウ○カゼは絵柄の割に結構ハードな内容なんですよ。
GM:すみませんどっちも未プレイでテキトーに言いましたすみません。
GM:山間の工場で起こったストライキの解決に派遣された君たち。しかしそこに待ち受けていたのは、シグマのサイボーグ部隊を返り討ちにし壊滅させた、海鋼馬のエース部隊『フォーカード』、そして人質にされたと思しき青年の映像。謎が謎を呼ぶまま、事態は進んでゆくのであった!
紗綾:今回のシナリオは今まで以上にGMの殺意が高いですぅ。
GM:任務は曖昧、敵は強い、という状況からのスタートです。
チシャ猫:色々判定とか調査項目が追加されてるにゃー。
GM:シタナガ君は謎の狙撃について、おおよそのあたりをつけることができる。『狙撃について』の項目が追加されたので確認お願いします。
天美:命中判定15D+15って狂ってますねえ。
GM:今回は高度のボーナスが乗っていることも考慮してね。
カヤカ:山頂に陣取っていることでアドとってるわけだ。
GM:ちなみに狙撃手ことお師匠様がどんな人か、シタナガ君が知っている情報はプレイヤーさんにお伝えしております。率直に皆に伝えてもいいし、ロールで思わせぶりにつぶやいてもいい(笑)。直接ゲームの進行に影響が出るものではないです。
秀史:はい。
GM:それから、色々調査項目が追加されてるのでチェックお願いします。
一同:殺意たかーい!(笑)
●魔弾の狙撃について
・1ターン1回 イニシア18で攻撃。「高度」のボーナスを得る。
・攻撃対象:「道の駅エリア」を除く「屋外」にいるキャラクター
※「交渉団」には攻撃しない
・攻撃対象はGMが選択(ランダムではない)
・建物があるエリアではファストで「屋内」「屋外」を選択可能
・PCはファストアクション、メインアクションいずれかを消費することで「身を隠す」(自分の回避率大UP)、「めくらまし」(そのエリア全体の回避率UP)を使用できる。重ねがけも可能。
●判定:『海鋼馬のエージェントについて』
・脈絡もなく突如現れた強敵、「フォーカード」の正体を調べろ!
どこからでも挑戦可能。
達成値8 アウトサイダー、ビジネス10 他14
達成値が進むごとに段階的に情報を開示。
●判定:「囚われの青年について」
フォーカードに囚われている青年『上遠野 恭輔』は何者か?
どこからでも挑戦可能。
達成値1 ビジネス、ハッカー、ネゴシエート12 他15
●秀史のターン
秀史:ゲーム的には、カヤカ、『魔弾』と行動して、俺のターンということかな。
GM:イエス。森の中で立ち往生している君の行動だ。
天美:この場は不利だから、高度を稼ぐためにも湖まで移動したいけど、罠を解除しないことには如何とも、ですね。
GM:いざ感覚を研ぎ澄ませてみると、森の中に無数の違和感……罠の存在が感じ取れる!このまま先に進めば、待っているのは確実な死だろう。
チシャ猫:解除するかわりにわざと引っかかってダメージを受ける手もあるにゃ。
カヤカ:漢解除ギミック(笑)。
GM:割と真面目に、時間をかけて解除するより、発動させてしまって天美さんのシールドで防ぐことも有力な選択肢です。
天美:罠解除はミスティックが使えるので私一人でいけると思います。「シタナガさん。探知の方は私に任せて。それより敵のこと、知っているなら出来るだけ教えて頂戴」
秀史:なるほど。ではそれに答えるという演出で『海鋼馬のエージェントについて』調査します。
GM:りょうかーい。縁もあるので、シタナガくんのみ、一回だけ判定に少しボーナスをあげちゃおう。
チシャ猫:『アドバイス』2回めどうぞ。
秀史:感謝!PP2点も使って(ころころ)達成値2成功。これ以上は厳しいか。
天美:コツコツでも開いてくの大事。
GM:君は映像で明かされた名前から、裏の伝手を通じて情報を集める。レベル2なら、敵のおおよその能力と、得意な戦術までがわかる。
『双尾蠍』:武術:隠密:不定形。アフガンでならしたゲリラ兵士。毒つきの罠の設置と、二刀グルカナイフでの白兵戦の達人。特に森の中での不意打ちが得意。
『小空母』:機械化:指揮官:電脳。全身サイボーグ。重火器もそうだが、なにより高度に電子化されたドローン部隊を展開し、周囲を電波障害で満たし制空権を確保する戦術を得意とする。
『箱入りジャック』:魔術師:テレパス:電脳。なんと前身は某宗教の聖職者。カバラ魔術に通暁し、数秘術を操るという。
カヤカ:胡散臭い!
天美:ゴーレムとか使いそう(笑)。
紗綾:魔術師なのに『電脳』持ちとか気になりますねえ。
GM:そして『魔弾』。隠密:隠密:ガンスリンガー。台湾黒社会で活躍した恐怖の狙撃手。強力無比の長距離射撃の使い手にして、白兵戦でもシノビの達人。とにかく謎の多いエージェントで、任務を受けてエリア外に参戦、超遠距離から狙撃だけしてそのまま撤収、というパターンが多く、海鋼馬の同僚でも顔を知っているものが殆どいない。
カヤカ:「職場に顔を出さずにお仕事。なるほどリモート出社ッ」
紗綾:『正々堂々顔を見せんかい、顔を!』
天美:「まさに孤高の狙撃手ね」
GM:武術家と思われるが、弟子も存在しない、ハズ。
天美:「『魔弾』と言えば都市伝説級のトップエース。日本での仕事はほとんど受けたことがないと聞きます。弟子をとったという話も聞いたことがない。その『魔弾』が師匠って……一体どういうことなの?」
紗綾:「そういえば、最初に顔合わせしたときは独学で習得したって言ってましたけど」
秀史:「……実は詳しくは知らない。師事したのは一日だけだ」
チシャ猫:「一日?」
秀史は語る。
最初に皆に告げた通り、彼は文献で見つけた『木瀬流』という武術に魅せられていた。
武術界隈では『講談にのみ登場する実現不可能なインチキ流派』、ともっぱらの評判だったが、そこに確かな武の理を嗅ぎ取った彼は、日々孤独な修行に励んでいたのだった。
手裏剣での狙撃という冗談のような技術。
超人ならざる身で、少ない文献を元に、独学で非効率な鍛錬の、気の遠くなるような繰り返し。当然のように上手く行かず挫折しかかっていたある日――。
秀史:「修行をしていた俺の前に現れ、手裏剣での狙撃を見せて去っていった。それだけだ」
カヤカ:「な、なるほど?」
秀史:「文献でその技術があることは確信していたが、どうしても実現できなかった。それを見せてくれた人だ」
GM:シタナガ君はそれまで、独学で「どうやったらできるか」「本当にできるのか」と試行錯誤しつつ修行をしていました。それが「本当に出来る」という確信と、「こうやればできる」という理想のフォームのイメージを得ることによって、それまでの地道な稽古の積み上げが一気に統合され、メキメキと技量が上がって現在に至ったという次第です。
チシャ猫:ふむー。
GM:よって『独学で身につけた』と『師匠がいる』が両立するとなりました。
秀史:「会話らしい会話もなく、感情の交流もない。だが、確かに俺の師だ」
カヤカ:「ずいぶんとまあ、なんつーか」
GM:ちなみに、シタナガ君は身につけたニンジャとしての技量で、彼について独自に調べてみたこともあるが、この程度の情報しかつかめなかった。だが、彼が本物であることは、その弾道の精密さと威力からして疑いない。
秀史:「あれをできる人間がそう何人もいるとは思えないからな」
カヤカ:「いてたまるか!」(笑)
チシャ猫:「海鋼馬のデータ調べても本当に実績の一部しか載ってないにゃねー」
天美:「その実績も、『証拠が残らないから、おそらく『魔弾』の仕業だろう』というレベルのものばかりだものね」
秀史:「『長物を持たなければ狙撃など警戒されようがない』、師匠の言葉だ」
天美:「……そのお師匠さまが相手、なのね」
チシャ猫:「あ、この仕事『魔弾』じゃなくてシタナガさんのやつだにゃ。修正しとこ」(一同笑)
カヤカ:正直、機械化して精密な手裏剣投擲を実現!とか想像してた。
チシャ猫:「顔写真あったら売れそうなんだにゃ−、とりあえずシタナガさん似顔絵とか描かないかにゃ?」
GM:ちなみにシタナガくんは彼の顔も一応見ている。君より一回りくらい歳上だろうか。顔はごく普通の日本人、似顔絵を書いても、そんな顔はいくらでもいるというところだ。
天美:逆に忍者らしいと言えばらしいですね。
GM:彼の特徴をあげるとするなら、表情だろうか。目の前の君を見ているはずなのに、はるか遠くを見ているかのような、うつろげな表情が印象に残っている。ということで、今後師匠について調査が進んだら、『思い出した』としてロールしてもらってください(笑)。
秀史:はーい(笑)。
紗綾:さすが主役回、おいしい役回りですね。
●チシャ猫のターン
チシャ猫:さって何調べよ。鼻歌交じりにストライキの原因かにゃ?
天美:やはりそこですかね。他の項目は手分けして調査できそうですし。
チシャ猫:興味あるけど上遠野さんについては他の人に任せるにゃーん。ハッカーで(ころころ)38、全部抜きました。
GM:ひええ!
天美:うーん、暴力的(笑)。
紗綾:さすがですぅ。
チシャ猫:とはいえ、何を調べてストライキの原因が判ったのかにゃ(苦笑)。
GM:君は手始めに茉莉花セメント社のデータベースにダイブ。メルジャヒ人研修生たちに実際にどの程度給料が支払われていたかを確認する。上場企業の極秘データも今の君にかかれば閲覧は不可能ではない。かなり詳細なデータを手に入れることができた。
チシャ猫:「上場企業の割にプロテクト甘いにゃねー」
GM:結論として、メルジャヒ人の技術研修生の待遇は、日本人の正規従業員には及ばないが、世間で問題になっている、外国人研修生という名目で搾取されている人々に比べるとそう悪くない、社員寮や食事、送迎など、むしろ良い方という印象を受ける。
天美:ふむぅ。入国を手引した口入れ屋にマージンを搾取されているとかも想像してましたが。
秀史:やはりこれは賃上げ交渉などではないな。
カヤカ:裏に何があるんだ。
紗綾:待遇改善ではなく他に譲れないモノがある?
チシャ猫:「当たり前のところに見つからない~。ってことはもっとこわ~い理由かしらにゃ~?」
秀史:そもそも最初から違和感だらけだからな。人質を握っているのに交渉に使わず、処刑を煽って奪還に仕向けるなど、矛盾でしかない。
GM:労使協議や経営会議の議事録もチェックできる。それによると、待遇を厳しくしなければならないという意見に対して、親会社である茉莉花グループの役員が当時頑張ったことで現状が保たれているようだ。
天美:ん?親会社の役員?
GM:その役員の名前は上遠野明という。
一同:……ほう。
チシャ猫:「んにゃ?なーんか少し珍しい名字がかぶってるにゃね。まぁ、推測で物事考える前にまず事実の確認にゃね」
チシャ猫がさらに調査をすすめると、以下のような事実が判明した。
メルジャヒ人たちは非常に謙虚で働き者だった。
通常このような場合、外国人だけのコミュニティを形成し町から浮いてしまうという事になりがちだが、故郷を失った彼らはここを第二の故郷と考え、この町に溶け込もうと努力していた。
町の人々も、工場の仲間であるメルジャヒ人と交流を築くよう心がけており、今回の事件が発生するまで、両者の仲はまず友好的だった。
今回のストライキの件についても、『信頼を裏切られた』という感情が強いようだ。
GM:以上、調査の結論として、君はこう判断する。『これはそもそも、最初から賃上げ交渉のストライキなどではなかった』。
秀史:「推測が裏付けられた形になるな」
カヤカ:「でも余計にこんな事をやらかした理由がわからなくなったぜ」
紗綾:『何奴か知らんが脚本を書いている奴が居るようじゃな』
天美:「目的は、メルジャヒ人の仕業に見せかけて、擁護派の上遠野さんを抹殺すること、とかかもですね」
チシャ猫:「でもそれじゃ遠回しすぎじゃないかにゃ?それに、こういっちゃなんだけど、黒幕が誰にせよ、海鋼馬のA級エージェントを四人雇う費用と見合う話とも思えないにゃ」
カヤカ:「前回は国際問題レベルでA級三人だったよなあ」
天美:「もしくは、もっと単純に『フォーカード』が我々を『狩る』目的で、自ら仕掛けた偽依頼、マッチポンプ、とか」
チシャ猫:「砕石でなんかやばいものが出てきた、とか」
一同:うーん……。
天美:「まぁ、現状では憶測にすぎません。とりあえず『当初の問題は嘘八百。でも私達が交渉団を連れて山を登らなければならないことは変わらない』ですね」
カヤカ:まあな。他の調査項目を調べていけば、そこらへんもわかるだろう。
GM:ってことで項目が更新されました。
●【済】ストライキの原因について調査
メルジャヒ人達の待遇は決して悪くはなかった。
これはそもそもストライキではない!『真の目的』を調べろ!
『真の目的について調査』を開示
●判定:『真の目的』について調査
メルジャヒ人たちが工場を占拠した真の目的はなんだ?
・『上遠野恭輔について』クリアが必要
・どこでも挑戦可能
・達成値10 ビジネス、ネゴシエータ、ハッカー8 その他11
・達成値により段階的に情報開示
天美:ちょっと整理しましょう。我々の依頼人は上遠野「明」さんで、今我々がいる茉莉花セメントの親会社の役員さん、つまり偉い人で、我々とともに交渉に向かっている。
カヤカ:んで、今、人質になって吊るされている青年が、上遠野「恭輔」さんだな。
天美:たまたま取った人質が同じ名字だったとも思えませんねえ。
秀史:明さんにきちんと話を聞きたいところだ。
GM:もちろん。それについては、『上遠野恭輔について』を調査したときにまとめてアンサーさせてください。
カヤカ:色んなことが絡み合ってて頭痛いぜ(苦笑)。
チシャ猫:カヤカはトラップをバイクで突破してればいいにゃよ。
カヤカ:さすがに死ぬわ(笑)。
●紗綾のターン
紗綾:恭輔さんについて調べ……。いや、ここはビジネスを生かして、引き続き海鋼馬のエージェントの調査を進めます。
チシャ猫:LPも10点あるし、いいと思うにゃ。
紗綾:『ええい、敵を殴るにしても情報が少なすぎるわい!』平目で(ころころ)1達成。これ以上は現実的でないのでここまでです。
天美:上出来上出来。
GM:では、シタナガくんと並行して、紗綾さんもCCCのデータベースに問い合わせをしていたとしましょう。
カヤカ:データベースを華麗に使いこなす紗綾さん。
紗綾:むしろおおおじいちゃんがググった(笑)。
チシャ猫:『ヤクザの事務所』『近所』でマップ検索するおおおじいちゃん。
天美:コンビニ探す感覚でカチコミ先を探さないで!(笑)
さらに下記の情報が明らかになる。
『魔弾』は単独行動が得意な狙撃手。だが、依頼を受けた狙撃をこなすのみで、作戦指揮や連携を行うことはほぼない。
『箱入りジャック』が実質のリーダーで、作戦指揮をするとしたらこの男。結界術にも長けており、エリア単位で罠を張ることが出来るらしい。
そして『小空母』と『双尾蠍』はコンビだ。
この二人の連携は見事で、遠距離にいながらにして、互いにカバーしあうらしい。
突破するには『両方を同時に』倒す必要があるとの業界の噂だ。
チシャ猫:同時攻撃が必要、って。うち、範囲攻撃の得意な方いました?
カヤカ:いませーん。
天美:まぁ、ゲームルール的には一方に集中攻撃するのがベストのはずなので、とにかくエリアを進んでギミックが明らかになってから対応を考えましょう。
●天美のターン
天美:さっそく罠解除に挑戦します。一発クリアは32。『ミスティック』+『魔力解析』+『ウィッチメディスン』で(ころころ)26、全然回ってない!
チシャ猫:残り6はシビアだにゃ。
天美:むむむ。ここはしかし通しておきたい。LPで振りたし、4、1、ぎゃー!(笑)
カヤカ:あるあるある。
チシャ猫:妖怪イチタリナイ(笑)。
秀史&紗綾:カヤカった。
カヤカ:不名誉な名詞にされてるー!?
チシャ猫:真のカヤカはLP3回使って届かないにゃ(笑)。
天美:ええい、もう1点消費、強引にクリアしました!「森の中なら私の『精霊』達のホームタウン。そこと、そこと……そこっ!」小瓶の悪魔を呼び出して、怪しいところを霊視。罠の位置を特定していきます。
GM:君は魔術的な感知能力によって罠を次々に発見してゆく。いずれも木々の合間とか、倒れてる海鋼馬の兵士たちに張り渡されたワイヤーで、引っかかると鉄パイプを切断した槍とか、サバイバルナイフとか、地面に植えた杭とかが飛んでくるという寸法だ。
チシャ猫:正直罠の数がエグい。
カヤカ:殺意!殺意を感じます!
GM:場所はわかった。あとはどうやって解除するかが問題となる。
チシャ猫:このノリで他のエリアも用意されてるとしたらハッスルしすぎだにゃ。
天美:あ、サブで自分を回復しときますね。(ころころ)回って32点!もー!最初に出て!!(一同笑)SP全快、AP1蓄積で終了です。
カヤカ:あるあるだなあ(笑)。