風の強い日だった
そこは六本木の夜で
たぶんお互いしか知ってるひとはいなくて
その人と手を繋いで
そのまま風にでも飛ばされて
どこかへ行ってしまいたかった
どこか幻想的で 世界は遠くて 全部忘れてしまいたかった
私は笑って余地を残した
傷つきたくなかった
まだ壊れてなかった
あの人は
私を自分の片割れのような人間だと言った
ホントのことをいえばどうしようもなくわたしは、あなたになりたかったのかもしれない
自分を肯定できなくなった孤独なときに、思い出す記憶のひとつ
飛んでいきたかった どこにも飛んでいけなかった風の日の記憶
#恋愛 #コラム #記憶のかけら