2024/09/13
君にはよく伸びる素材の靴下を履いていて欲しい 太ももまであるやつだ
映画になる様な恋がしたかった
歌になる様な恋がしたかった
私はピアノを買おうか迷っていて まだ買っていない
▱▱▱
引っ越し、一人暮らしを始めて一年が経った
生活は音を立てず、ただ私は 事故を起こさない様に運転に集中してるだけで、音楽を流したり、助手席の誰かと話したりしない
よそ見をしない、散歩中の犬に気を取られない
ただ背すじを伸ばし、しっかり両手でハンドルを10時10分の位置で握って、法定速度を守ったスピードで、目的地に向かうことだけに集中している
これは自分との対話を絶ったと言う事に等しい
もう頭の中で話す人は誰もいない
▱▱▱
自分を保つために音楽や絵、映画、本、漫画、
自分の中にあったはずのものが手から離れていく
15の頃は宝物だった物も今は破ることも燃やすこと出来る気さえする
22歳が1番楽しかった ゆっくりと下っていく 死に近づいていると言うよりこれからあと残りの60年を背負わなければならないと言うリミットを強く感じる
不安から目を逸らすことは現実から目を逸らすことの様に思えて、何も不安に感じていない私に危機が迫った時私はそのままやられてしまうんじゃないかと思う
また私は歳を重ねて、数字が増えたはずなのに何かが減っているような気がする
この年齢は若さをかき集めなくてはいけないという焦燥と老いや将来を受け入れ成長しなくてはという気迫が同時に催促しにくる
家族と仲がいい友達は性格がいい
私は家族と仲が悪くても性格がいい人間を
目指しているのだ
▱▱▱
今年の夏は起死回生の夏
もうダメかと思ったが一筋の光が見えた
夏はスポットライト浴びるように
こんなに眩しかったっけて思いながら、太陽さんさん
「かんかん照りだー」って思いながら「かんかん照りって可愛い言葉だなー」って思っていた
実家では朝顔がタネを包んでいて少し貰ってきたけど育てずに終わってしまった
外に出て、青く静かに揺れる稲の葉が擦れる音とご近所のピアノ教室から聞こえるピアノの音を聞きながら大量の汗をかいて夏を歩いた
今年の夏は青ちゃんが来てくれたから
美味しい料理をお腹いっぱいになりながら最後まで食べ切れた感覚があった
暑い日差しの中冷たいプールに入ったみたいに気持ちよくて清々しくて美しくて柔らかくて、会った日はめちゃくちゃ曇ってたはずだけどそんな気分になって
本当にプール入ったあとみたく風邪引いたみたいに寂しくなって 治癒する必要があったくらい引きずった
青空を睨み、海を睨み もう秋になった
今年の夏は自分が着たい服を着れた
今年の夏は欲しかったカメラを手にした
来年の夏も遊ぼうね
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