2022キャロット募集馬評価:サンブルエミューズ21
サンブルエミューズ21
総合評価 SS
母8点 配合9点 馬体8点 動き8点
サンブルエミューズの2021の血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com
4代母キョウエイマーチについて
サンブルエミューズ21の4代母キョウエイマーチは、
桜花賞を4馬身差で圧勝し、
マイルCS・秋華賞の2着に加えて、
古馬重賞も勝った名牝である。
秋華賞の2着はメジロドーベルに負けてものものだし、
マイルCSの2着はタイキシャトルに負けた。
勝ち馬は2頭とも名馬中の名馬であるから、
キョウエイマーチは高い競走能力があったことは疑いようもない。
キョウエイマーチの母インターシャルマンは
現役時代ダートを4勝して準オープンまでいった上級馬であったが、
キョウエイマーチの近親に重賞を勝つような目立った活躍馬はおらず、
突然変異的に高い競走能力を持って生まれた仔であったと言える。
ただ、キョウエイマーチの5代母クインナルビーは名馬オグリキャップにとっても5代母であり、
クインナルビーを基幹牝馬として上質な母系が形成されていたという解釈も十分にできる。
ちなみに、クインナルビーは、牝馬ながらに現役時代天皇賞秋(当時は3200メートル)を制覇しており、競走馬としても際立った能力を持っていたのは間違いない。
キョウエイマーチは繁殖牝馬として4頭の産駒がおり、
そのうちの1頭がサンブルエミューズ21の3代母であるヴィートマルシェ、
あとは皐月賞2着があるトライアンフマーチとダートのオープンで走っていたインペリアルマーチである。
産駒が走っていて、ヴィートマルシェの繁殖としての成功をみると、
4頭しか産駒を残せなかったのは勿体なく感じる。
Harina=プリメロ
さて、キョウエイマーチ産駒の中で最も競走馬として成功したのはトライアンフマーチだった。
トライアンフマーチは重賞こそ勝利することはできなかったものの、
皐月賞を含む重賞2着が5回、重賞3着が2回あり、
重賞戦線で長く上位争いに加わってきた活躍馬だった。
トライアンフマーチの父はスペシャルウィークである。
私は、このカップリングがキョウエイマーチにとってもスペシャルウィークにとっても、配合的な根拠に基づいて成功した例として解釈している。
トライアンフマーチのこの配合は、
Harina=プリメロの同血クロスが発生し、
具体的にはHarina=プリメロ6・6×7となる。
Harina=プリメロはスペシャルウィークの2代母レディーシラオキが3×3で持ち、スペシャルウィークの配合の美点として有名だ。
キョウエイマーチの4代母スズキナルビーの父がトサミドリでその父プリメロである。
スペシャルウィークもキョウエイマーチも在来の牝系から生まれた名馬であり、それを掛け合わせることによって発生する同血クロスは非常に貴重であるし、何よりロマンを感じる。
サンブルエミューズの配合
さて、サンブルエミューズ21の話。
父エピファネイアの母父がスペシャルウィークで、
母サンブルエミューズの祖母がキョウエイマーチなのだから、
もちろんHarina=プリメロが発生している。
Harina=プリメロ8・8×9だ。
血量は非常に薄い。
ただ、配合ストーリーとして濃厚だ。
サンブルエミューズは、種牡馬を問わず活躍馬が輩出しており、
すでに名繁殖の域にまで達するのではないかと予感させる。
そして、サンブルエミューズの最高傑作が生まれるとしたら、
エピファネイアとの産駒ではないかと夢想している。
いや、もしかしたらサートゥルナーリアとの配合がいいかもしれないが。
今度は5代血統表に収まることについて。
サンブルエミューズは、サンデーサイレンスの血を3代目に持っているため、サンデーサイレンスの血を持たない種牡馬が優先されてきたように思う。
ラヴェルはキタサンブラックが配されたが、サンデーサイレンスの3×3になるため、ノーザンにも抵抗感があっただろう。
(ラヴェルはかなり活躍しそうだけどそれはまた別の話)
エピファネイアだとサンデーサイレンス4×3になり、活躍馬多数のパターンになる。
ノーザンダンサー4×5・5のサンブルエミューズに、非ノーザンクロスのエピファネイアでバランスもとれている。
中距離馬のエピファネイアにマイラーの母も相性抜群である。
5代血統表からも間違いなく高い評価与えられる。
一つ懸念を挙げれば、エピファネイア産駒の古馬伸び悩み問題である。
エフフォーリア、デアリングタクトという2頭の代表産駒。
様々な理由はあるが、古馬になってGⅠを勝てておらず、
ともに脚部不安が出てしまったことは事実。
産駒全体のデータでも、4歳以上の成績が悪い。
懸念は残る。
馬体・歩様
3月30日生まれで体高152.5 胸囲173.5 管囲20.1 馬体重450の中サイズ。
脚長で胴伸びはあるが、
非常にまとまったバランスのいい馬体をしている。
ダイワメジャーの影響か、他のエピファネイア産駒よりも、
歩き方もピッチよりで、距離適性も短めに見える。
牝馬はマイルを走れるスピードも欲しいから、
ちょうどいい馬体に収まった。
馬体・歩様ともに高い評価を与えたいが、
唯一左前脚が弓脚に見えなくもないのが気になるといえば気になる。
昔のカタログを見直すとエフフォーリアやオーソクレースのほうがより弓気味に見えるし、これが弓なら弓ばかりになってしまうような気もする。
肌感覚で故障が多いエピファネイア産駒だから一応気にしておく。