見出し画像

動物愛護センターで思うこと。2つ

愛護センター職員さんとお話する機会があり必ず出てくることは、職員獣医はいるが狂犬病ワクチンなどで忙殺され人手がなく野良猫の避妊去勢手術まで手が回らないとのお話で終わってしまうのが大半です。
例えば狂犬病ワクチン時期を避け月に数回野良猫の避妊去勢手術日を設けるなど手術日を臨機応変に選ぶ、獣医が足りないときは他の配属先や保健所なりの獣医が出向く、このように臨機応変に獣医を出向させれば人員の不足は解消されると思います。もっともこれらを可能にするのは職員獣医の避妊去勢手術の習熟が前提であることは言うまでもないことですが。

1:避妊去勢手術ができる獣医がセンターに常駐していること。
一般獣医の患畜と野良ネコ等との扱い方も違い、捕獲器の扱い方、麻酔の使い方、手術の傷の大きさなどリスクがあるので、熟練が必然的に必要になります。そのために外部から官民共同の実施例で多い一般公益財団法人どうぶつ基金の技術指導により共同で行う、ベテラン獣医を招聘して指導を受ける、短期でも獣医師会の獣医と共同で手術を行うなどして技術を磨きセンター獣医が常駐して獣医療を行えるような態勢を整えます。

大事なことは行政の責任で愛護センターで避妊去勢手術をする以上、獣医大の指導教官がつくとはいえ学生やクリニックの新卒の獣医の学習・トレーニングの場では責任の所在が不明瞭となり本来の目的と乖離してしまい継続はいずれ危ぶまれ住民、ボランティアが利用したくてもできない態勢となり愛護センターは機能不全に陥り昔の組織業務に後退する危険性があります。

愛護センターが行政であるからには、自律・独自性、継続性が必要で、どこそこのセンター獣医は素晴らしい仕事ができると良い評判が立つようになってほしいものです。

2:獣医の確保についてはどこも人手不足で事業は困難か?
愛護センターでは避妊去勢手術当日に各部署から獣医が集まり終われば元の職場に戻るなど臨機応変に獣医が動けば人手不足の問題は解消されます。そのために各獣医は技術を磨いておかねばなりません。センターによっては大変ベテランの獣医が避妊去勢手術をしていたにもかかわらず数年後には獣医療と全く関係のない部署に配属されるのを見て、職員の専門性を生かせないのは勿体ない事とも思いますし後任の獣医も勿論避妊去勢手術のトレーニングは積んではいますが彼らの技術には及びません。愛護センターの性質上、人材で左右される要素が大きいのでベテラン獣医の他への配属は大変な人的損失ではありますが、配属はそのままで必要なときには臨機応変に人が動けば予算でなく知恵を働かすことによりクリアできることが多々ある気がしています。

そこで月の数日は野良猫の避妊去勢手術日のため新たな配属先の職場から来てもらい、手術後新しい職場に戻れば技術も落ちないで済み人材不足は内部で賄えて一石二鳥と思うのですが、横の連携を生かすことで人手不足は解消でき野良猫の避妊去勢手術の実施が可能となるはずです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?