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恐るべきエネルギーの冬がやってくる。グリーンエネルギーを責めないで

2021年10月5日

トーマス・L・フリードマン(オピニオン・コラムニスト)

 世界経済を支えている地政学的プレートが突如として変化し、表面上の全てのものを揺るがしながら不安定にすることはよくあることだ。それが今、エネルギー分野で起きている。

 ウラジミール・プーチンを欧州の王に押し上げ、イランがアメリカを鼻で笑いながら原子爆弾を製造することを可能にし、グラスゴーで開催予定の国連気候変動会議がクリーンエネルギーの不足による停電に見舞われそうになるほど、ヨーロッパの電力市場を混乱させる可能性を持ついくつかの力が結集しつつある。

 そう、これは大きな問題なのだ。

 欧州やアジアでは天然ガスや石炭の価格が過去最高を記録し、アメリカでは原油価格が7年ぶりの高値となり、同国のガソリン価格は昨年に比べ1ガロンにつき1ドルの上昇を見せている。もしも今年の冬の状況が一部の専門家の予測通りに悪化し、貧困層や中産階級の一部が家を暖めることすらできなくなったならば、気候変動・グリーン運動全体に対するポピュリストの反発が起こるのではないかと、私は心配している。既に英国ではその匂いがしているではないか。

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