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ゴッホが画家を目指したのは27歳


何年前だったろう、ゴッホの展覧会を友達と見に行った。
そこにはゴッホの一生に関する年表が大きく印字されたキャプションがあり、彼の画家としての変遷があった。
画家を目指し始めたその年齢は、印象的だった。
「27歳…」「ね、27歳なんだね」
と友達と会話をした記憶がある。
2人とも同じフレーズに着目したのだ。
確か私たちは26歳かそこらだった。

それ以来、何かを始める時ゴッホは27歳と唱えている。
生きてる間に大成していないとか、彼の最期とかそこは問題ではない。
彼が画家を目指したのは牧師の夢を諦めた後であった。何を思って書き始めたかはわからない。
しかし27から始めるなんて遅いなんて、そんなことは思ってなかったんじゃあないか。
そして彼が描いた絵画のその価値は、その時点で誰にもわかっていなかった。
ゴッホと27。その2つはなにかと腰の重い私を動かす、勇気をくれるフレーズだ。



その展覧会で見た私がゴッホで一番気に入ってる絵。

ポプラ林の中の二人

この男女は何をしてるんだろう。
どんな関係なんだろう。
華やかなようで不穏な美しい森。
彼女らは森に誘われたのであろうか。
それともまさに別れの途中なのか。

ゴッホの執拗で狂気を感じる筆使いが苦手だったが、この絵の森のタッチは知らず知らず奥へ奥へ誘われていくような、、、なんともいえない心地、空気感を醸していて妖しい魅力とはこういうことを言うのかと思った。
他の絵も多く展示されていたが、私は出口付近に置いてあるこの絵をみてから長い時間、絵の前を行ったり来たりして過ごし、友人を閉口させた。
ただ、ポストカードが売っておらず残念だった。
どうもアメリカの美術館に所蔵されているらしい。生きてる間にまた日本に巡ってきてほしい。

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