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バンドリ Ave Mujica 3話までの感想 #AveMujica #アニメムジカ
(※劇場先行上映会鑑賞後に書いた記事ですが、3話までの本放送終了に伴って、ネタバレ表記を無くしました。以下の文章は先行上映会鑑賞直後のものから変更を加えていません)
1話終了時点で“展開”ありきの設定と思いはしました。MyGO12,13話で承認欲求からの危うさを匂わせまくっていたにゃむちによる暴走:顔バレがこんなに早くなされるとは。にゃむちの危うさをAve Mujica(以下:AM)勧誘前から祥ちゃんが承知していなかったはずもなく、現実問題、こんな目に見えた爆弾を抱え込むか? と不思議に思っていたのですが、AM1話でさっそく暴発。早くも顔バレドラマ展開に移行したのは、(AMというアニメ作品の)登場キャラ“設定”ありきだなあと思いはしました。
ただ、AM開始前から、顔を隠したままでどうやって物語を進めるのかの疑問が強くあったので、いずれ顔バレ展開をするなら、無駄に引っ張らず、1話時点で惜しみなくこの進行を取ったのは良い判断とは思います。
ここらから、(AMは)“展開ありき”の設定/作品と思いました。
にゃむちによる顔バレ暴挙により、物語は直ちに睦ちゃんの心理ドラマに移行する。正直、(AM作中でも指摘されていたように)何度もテレビに出ているはずの睦ちゃんの過度の緊張や、「私のせいでバンド解散」の燈ちゃん二番煎じ感は気になりはしたが、3話最後での着地はきれいに流れていった感じがします。
途中まで睦ちゃんの幻想ドラマがくどすぎるように思われもしたが、3話最後での、(人形意識を自らに乗り移らせたかのような心理による)お笑い芸人と大女優の娘としての才能が覚醒される大どんでん返しを目にすることで、(長く描写される幻想ドラマに)説得力を感じ、納得するに至りました。
1話終わりでのにゃむちによる顔バレ暴挙、3話最後での睦ちゃん覚醒。わずか3話のうちに意表を突く展開が2度もあり、ドラマとしての見応えは十分。ここらへんは出し惜しみせず、“展開”を突き進めていくことによる大きな功績でしょう。
(今回の先行上映会で鑑賞可能だった)1~3話はにゃむち――睦ちゃんの絡み合う一筋だったと言えるでしょう。にゃむちの暴走顔バレによって睦ちゃんが動揺し、そうした睦ちゃんの椅子への崩折れを目にしたにゃむちが対抗意識を燃やす。そして、3話最後での覚醒により、ついに睦ちゃんはにゃむちにとって手の届かない域に達する(キービジュアルでの、おちゃらけた印象のにゃむちの意外な“あがく”表情もここらで理解できます)。
今後、祥ちゃん、初華ちゃん、海鈴同士の絡みの深い心理ドラマもあるだろうが、3話まではほぼにゃむち――睦ちゃん物語だったと思います。
全体として見応えある物語だが、今のところバンドアニメの印象は薄く、PV、OP公開時に囁かれていた通りの“サイコ”アニメの感じはします(そもそもが『史上最狂のバンドアニメ』の公式キャッチコピーとなっている)。
これまでのバンドリアニメが(確かに突飛なキャラも多くいはするが)あくまで地に足ついた等身大の女の子の物語だったのに対し、睦ちゃんは精神科通院が必要でないかと思われる心理状況で(また、そういった面を物語の主軸として描く点)、バンドリコンテンツとして完全新機軸となっており、従来からのゲーム/アニメファンがここらをどれだけ受け入れられるか引っかかるところです(AM物語単体としては確かに面白いが、バンドリコンテンツ全体として見た場合、異質に過ぎる)。
初めに“展開ありき”の作品の印象を受けたと書いたが、3話まででの惜しみない物語進行の速さから、最終回までにはどこまで遠くに達するのだろうかと期待感はかなり強まっています。
ここからは雑感。
顔バレ後、不本意とは言え、他メンバーが周囲から称賛を受けていたのに対し、睦ちゃんだけそよりんに激詰めされていたのはMyGOに引き続き、不憫でした(そもそも睦ちゃんは祥ちゃんについてバンドを始めたわけだから、祥ちゃんのAve Mujicaに参加するのは自然な流れのはずなのに)。
元から広く知られ、さらにはAMで大いに世間を騒がせているメンバー同士、新幹線を待つ駅で盛大に口喧嘩するのはどうだろうと思いました。動画を撮られたら、睦ちゃんの失言どころでない大炎上となってしまうところだったのに。
映画館には中国人男女の観客が多く詰めかけていた。MyGOの中国人気は周知で、そこらから不思議はないが、字幕無しの日本語内容がどれだけわかったのだろうか。愛音ちゃんが2枚あるチケットの一方でそよりんを誘うシーンでドッと笑い声が起こったが、恐らく、わかりやすい“あのそよ”で、言葉がわからない中国の人にも受けが良かったのだろうと思いました。