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横浜ドリームランド①

神奈川県横浜市戸塚区俣野町字沖原700番地

2002.2.17

 薄っぺらい板に描かれた、Uちゃんが好きだと言っていた70年代ロックスターのような人物たちが、風雨にさらされ残骸になりかけています。その看板は、簡易的なビニールテントの屋根を目隠しするように、鉄骨のこちら側にだけ貼り付けてありました。テント内の壁面にもペラペラの板に描かれた、ギターを抱えた数名のミュージシャンと踊り子。真っ赤にペイントされたテント内の鉄骨に、磯場のフジツボのごとく密集した電球たちが、乗り物が動き出すと同時に激しく点滅しはじめ、その光の中、ひたすら愉快であろうとする音楽と面白くてたまらないといった面持ちでストローハットをかぶった眼鏡の初老男性の、ヘイヘイヘイヘイとがなりたてる声。そこで、古い機体が出せる限界の速さで、ゴウンゴウンと同心円上の回転と逆回転を繰り返すだけの、果てしなく空虚なアトラクション。K子と私は、現実から1、2度ずれた世界に迷い込んだような気がしました。

 Uちゃんと初めて話をした1990年のあの日から、時を進めた2002年。

 子供の頃から噂には聞いていたけれど、訪れたことのなかった夢の国が「横浜ドリームランド」でした。1964年から37年間続いたその歴史の幕をおろすと聞きつけ、K子と私は一眼レフを片手に最終日、小雨の中を駆けつけたのです。到着した時には日が傾きかけていました。

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城壁はどこも淡いスモーキーピンク


ミュージックエクスプレス

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ステージの向こう側がどうなっていたか猫キャットは見ることができなかった

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延々とマイクに「ヘイヘイヘイヘイ」と叫ぶ「ヘイヘイおじさん」ともお別れ

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日が暮れても賑やかな音と光を振りまいていた



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砂糖菓子のような巨大空中ブランコ、ウエーブスインガー

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空飛ぶ海賊船パイラット。錆びた白い鉄骨に映える赤い三角帽子



おとぎ列車と大観覧車

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おとぎの世界のカナダとアメリカを移動する列車かもしれない

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列車の線路と大観覧車の骨組みがキノコや羽根のついた馬で混じりあう

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おとぎトンネルとその脇にたたずむ木のおじさん

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気取っていたら人が沢山おりてきた


潜水艦

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つぎはぎで黄色い謎のオブジェは潜水艦の切符売り場

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湖の片隅にイエローサブマリンが浮いていた

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怪物の口の中から湖に飛び出すボブスレー



         \ドリームランドは次週の②に続きます/

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1964年 開園当時の横浜ドリームランドのキャラクターたち(横浜ドリームランド 一般向けVTR@YouTubeより

横浜ドリームランドの詳しい情報はこちらからご覧いただけます


猫キャットひっそりおしゃべり

M田 ドリームエキスプレスの看板の下に小さく書いてある MIT MUSIK GEHT ALLES BESSER って調べたらドイツ語で「音楽があれば上手くいく」という意味で、1943年のドイツに同タイトルの曲もあるみたいだった。ヘイヘイおじさんのバックでかかっている曲がそれなのか聞き耳をたてたけれど聞き取れなくて。どうしてドイツ語なんだろう。曲とアトラクションにも何か関係あるのかな。

K子 前に調べたら、遊園地にある、自分たちの好きそうな古めのアトラクションはヨーロッパで作られたものが多そうだった。最後の一台がとしまえんにあるとか結構出てきて、としまえんも閉まっちゃったからがっくりきた。アトラクションって大きいし、一度作ったら長く使うのでそんなにたくさんの会社が作っていないのかも。ドイツ語が書いてあるのは、割とスタンダードなのかも?




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