自己紹介
はじめまして、ねこばすと申します。
30歳、独身、サラリーマン。以上です。
何の特徴もない人間の自己紹介なんぞ誰が興味を持つのかという反応を自分が一番感じつつ、私がどうしてこの年齢になって、このタイミングでnoteに投稿してみようと思ったのか。その経緯を、自分自身の思考の棚卸しを兼ねて、完全に自己中心的な視点で書いてみたいと思います。
電験一種を取るまで
自分の人生のターニングポイントをざっくり挙げると半年~1年くらい前になります。それまでの人生は資格取得が中心でした。資格といっても弁護士とか公認会計士とか、イメージしやすい資格ではなく【電気主任技術者】(通称、電験)という資格です。資格の難易度に対してその認知度があまりにも低い、というのは業界内で感じる人も多いんじゃないかと思います。
この資格は端的に言えば電気分野に関する国家資格であり、三種、二種、一種とあります。この資格に対する印象は「全く知らないし、興味ない」方々と「知っているし、周りあるいは自分が受験者だ」という方々に二極化されると思っているのでこれ以上は話しませんが、以下の画像を自己顕示欲を満たすために貼ります。
というわけで私は昨年度、電験一種までを取り終えました。この資格を取ったから何が変わったわけでもありません。そこが問題なのですが。ただここに至るまで、一般的な人よりは自由な時間を犠牲にし、この資格を取るために頑張ってきたという自負はあります。ひとえにそれは、私が天才肌でも電気に関する理論が得意だからでもなく、努力することでしかこの資格を取得することはできないと自覚していたからです。
なぜこの資格に固執していたかといえばこの資格を目指すしか他に道がない、成長しろがない、と自分自身が感じていたからだと思います。私の経歴を少し書くと、
中学までの大部分をアメリカで過ごす⇒帰国後、大学付属の高校に入学⇒そのままエスカレーターで大学へ進学、理系の道へ⇒電気を専攻し、大学院(修士)修了
と進んできています。将来の夢とかはなく、理系に進んだのもなんとなく数学が得意だったのと、英語だけで食っていくのは難しいと両親から助言されたから。電気の道に進んだのも学科の研究室で唯一、英語に対して積極的に取り組んでいたのが電気分野に関する研究室だったからであり、そのまま大した疑問も持たず電力会社に就職し、今に至っています。ゆえに学部生の時から電験に対して馴染みがあり、就職して以降もその資格を取得する必要性を上司から聞いていたため、電験に注力するということは必然でした。
ただし、先ほど書いたように私は特に電気が得意なわけではないので、この資格を取るのは容易ではありませんでした。ただ、「目の前の目標に対して愚直に努力する」ということは昔から得意としてきたところなので最後は結局"気合い"という、自分の中に存在するはずのない体育会系マインドでもぎ取ることができました。地獄の日々を駆け抜けた、そこまであらゆる犠牲を払ったわけではないですが、それなりの勉強時間を費やし、気づいたら30歳になっていました。
考えずして人生は変わらない
「ただ目の前の試験に向けて何も考えずに取り組めばいい」。そう信じて疑いませんでしたが、一方で「電験一種まで取れば何か見える景色があるはずだ」と思っている自分がいました。そして当たり前ですが、資格を取っても人生は何も変わりませんでした。暗闇の中、絶景を目指してひたすら山を登ったが、登り切って見えた景色はそれまでと少しも変わらない暗闇の中だった。そんな感覚です。苦労からは解放されましたが、自分自身は何も変わらず、ただ目標を失っただけの状態になりました。
自分はこれから何を目指していけばいいのか、ということを考えていくうちに、「なぜ今まで自分はこんなにも思考停止で電験に向き合ってきたのか」ということを疑問に持つようになりました。もちろん、資格を取り切った達成感はあるし、費やした時間や労力に後悔はありません。それ相応の知識もついたと思います(多分)。しかし、何の為に頑張ってきたのかは自分自身分からず、だからこそどこまで行っても暗闇の中なんだと思いました。
「そもそも自分はなぜ今の会社に進んだのか」、「なぜ電気の道を選んだのか」、「結局自分は何がしたいのか」。レールの上を歩んできた人間ゆえ、遅れてきた反抗期のように思考を巡らせました。色々と話題の本も読み漁りました。
ですが結局答えは見つかりませんでした。見つかりませんでしたが、これからの生き方はある程度定まりました。それは「やりたいことはないけど、自分にできることをやる」ということと、「何がしたいかをこれからも考え続ける」ということです。ここで言う【何をするか】というのは仕事外の時間の使い方でもあるし、仕事内容そのものでもあります。
思考をある程度めぐらせたおかげで、転職を意識することができました。今の会社に対して大きな不満はありません。全国転勤は嫌ですが、残業も大してないし、希望通りの部署に行かせてもらっているし、上司は適度に指導してくれるし、給料にも納得しています。でもだからと言ってこの会社に居続ける必要もありません。自分のキャリアは自分が決めていいからです。「自分にできること」がこの会社のみならず他社でも実現可能であり、短期的であれ「やりたいこと」が他にあるのなら、転職はむしろするべきだと思います。
迫るカーボンニュートラル
では自分に何ができるのか。それは今の職場に異動してきたことでイメージすることができました。私は入社してから6年間、技術職として現場を渡ってきました。電力会社の現場というのはすなわち発電所や変電所だったり、電力系統での運用を司る給電制御所のようなところだったりします。現場経験を通して得た知識は多かったと思いますが、あまり業界全体に関する大局的な見方はできていませんでした。「この現場を回せれば使命は全うできる。」という思考回路でした。
しかし今年の6月、国際部に異動となり、海外での再エネ開発チームに配属となりました。今までとは打って変わって世界の情勢を見つつ、対象となる企業や事業が投資対象となり得るのか、そろばんをはじくようになりました。財務経験はゼロなのでもちろん主戦場に立つことはできませんが、財務諸表とにらめっこし、世界のエネルギー情勢に関するニュースを日々眺めているうちに、【カーボンニュートラル】がいかに世界的なトレンドになっているかを実感しました。まだまだ先の話だと思っていましたがとんでもない。2030年や2050年の目標から逆算していくと、むしろ時間が足りないのでは?と思い始めました。
エネルギーの大転換期というとそのニュアンスはあまりに壮大に聞こえますが、今自分はその渦中にいます。この観点で「自分に何ができるのか」ということを最近は考えています。「いや、たかが30歳のペーペーなんで別に大して何もできやしないよ」というのは自分が一番よく分かっています。しかし、この思考を通して「結局今自分は何がしたいのか」という問いの答えにもつながってくると思っています。
インプットからアウトプットへ
仕事外の時間はアウトプットする時間に使おう、そう思ってnoteやらtwitterやらを始めました。今まで資格取得のためにひたすらインプットしてきて、それで何も変わらなかったのでやはりインプットだけでは人生好転しないのだろうと。となれば慣れるまでひたすらアウトプットを続けるしかないのだと思いました。
今までとても閉じた世界で生きてきたのでコミュ力はだいぶ低いですが、SNSを通して外の世界の方々とコミュニケーションをとっていきたいというのが大きな目的の一つです。「これから自分は何がしたいのか」はまだわかっていません。だからこそ、SNSでのコミュニケーションをきっかけとして自分自身の気づきにつながれば良いとも思っています。
お手柔らかに、よろしくお願いします。