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珠玉のコトバと極上の音楽と物語をコーヒーの香りにのせて。「コーヒートーク」
日々のオトモに欠かせないだいじなパートナー。それがコーヒー。神々が与えし至上の飲み物がコーヒーだ。
コンビニコーヒーがコーヒーを代表するようになってからあまりコーヒーを飲まない人にとっても身近な存在になったコーヒー。
仕事の合間に。記事の執筆の合間に。家事育児の一息に。動画投稿の編集中に。
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気合を入れたい時、いきりすぎた心を抑える時、さまざまな1日を浄化したい場面など、コーヒーの出番はいつでもあなたを待っている。
コーヒーを飲みたいのはなにも人間だけにとどまらず、オーガやエルフなど、人間以外の人種にも及んでいる。
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2020年のシアトル。
夢と狂気がひしめく街。異種族間で激しく争っていた過去は、歴史の片隅に追いやられ-
誰もが思い思いの夢を描ける時代。いくつもの夢が、語られる場もなく散ってゆき-それでもチャンスが尽きない街であり、時代だ。
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エルフたちは新興企業を起こし…
ドワーフたちは洞窟を出て、自動車帝国を築き上げ…
オークたちは斧を収め、コンピューターを用いて革新を育み…
そんな中、人間たちは普段と変わらぬ営みを送っている。
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この街は人々の数だけ、夢と物語を抱えている。
大半は知られざる物語。だが-
いくつかの物語はレンガと、木と、閉じた扉の向こうに安らぎを見つけ…
飲み物と共に語られたのち、誰かの記憶に居を定める。
人生の主役はいつだって自分だ。
選択という脚本を舞台にして、ステージの中心で花形でいられるよう努力する。
甘美な香りに包まれて
スポットライトのあたるスターでありたい。と。
しかし往々にして
甘いだけの物語など転がっている訳でもなく、大方の物語は日の目を見ることもなく散っていく。
物語というのは、とても主観的で自分勝手だ。行き場を求めて人に寄ってきては手の届かない彼方に去っていく。
どこかに留めて置けないものなのか。自分の中だけで抱えていられるほど、シンプルなストーリーはありえないのだ。
人は会話の90%は物語になる。と言われている。今日あったこと、出会ったこと、やらかしてしまったこと、なにもなかったこと。
それぞれが小さくても大きくても、一つずつが物語であり、人生だ。経験してきた人生が自分のもので、自分が主役であることを思い出すため、人々は会話する。
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会話をするために「場」を求める。
陽が眠る間だけ空いているここは「コーヒートーク」というしがないカフェだ。
夜中にコーヒーなんて…とお思いも方々もおられるだろうが、夜中こそ一息入れたいお客さまもいて、そこそこ繁盛している。
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ありがたいことに常連もいて、彼女はかの全国紙「イヴニング・ウイスパー」で短編コラムを寄稿している、大変優秀なコラムニストだ。
彼女のお気に入りは当店自慢の「トリプルショットエスプレッソ」
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「イタリアの喜び」とも言えるコーヒーを求める時、えてして彼女は悩んでいる。どうやら、そろそろ大きいことをやりたくて、会社のエレベーターで上司を捕まえて小説を書きたいと直談判したそうだ。
なんともキテレツな手口だが、彼女らしい。
そして1か月以内に原稿が仕上がれば、考えてくれるとのことで、なんとしても書き上げたいのだ。
彼女以外にも、たくさんの日々の中の物語を求めてここに集まる。子供への悩み、会社のグチ、結婚の壁、外側にいるだけではとても見えない物語がたくさん垣間見える。
その中心が「コーヒー」だ。
コーヒーは人をおしゃべりにする。イギリスではコーヒーハウスができた時、人々がこぞって集まり、四六時中コーヒー片手に語りあかしていたそうだ。
その熱狂ぶりは社会現象にもなり、仕事を終えても帰ってこない旦那に不信感を抱いた奥様たちが、コーヒーはカラダに悪いと布教したそうだ。
カラダに悪いかどうかは、また別の話しだけど、
少なくとも人々の会話にコーヒーは居心地がいい。
コーヒー&シガレッツ、という名映画もあるしね。
コーヒーに欠かせないのがミュージックだ。当店のBGMは作曲家が作曲してくれたオリジナル楽曲で、これがすこぶるこの店と街にマッチしている。
90年代をフィーチャーした楽曲群はぼくのシャッフルにももちろんインストールしてある。お客の状況に合わせて流すのもよし、なんとなく聞きたいからも、もちろんいいだろう。
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お気に入りの楽曲は「Moon bright」。月明かりの照らす夜空を軽く散歩したくなる最高のメロディだ。1人ふらっとコーヒー片手に月と一杯やるのもオツでいい。
他にも雨が多いこの地域にとても馴染んでいる。洒落た小皿のようにさりげなく添えられ、人々の会話に彩りを与えてくれている。
レコード会社からもオリジナルサントラとしてリリースされており、もちろんゲット済み。
仕事以外にもコーヒーを淹れることが多い。朝の一杯。昼食後に一杯。飲みたくなったら一杯。おかわりにもう一杯。日がな一日中コーヒーと共に過ごしている。
そこにプラスされる音楽は日々の喧騒を忘れさせ、この上なくCHILLできる。
豊かな音楽と部屋中にただよう行き場ない香気。せまい空間に閉じ込められたケムリは、自らの呼吸と共にカラダに取り込まれる。時が止まったようだ。静かで豊かな感覚がカラダを包む。
そして思うのだ。
「オレってできるオトコ…。」
そんなささやかで優しい幻想に取り憑かれて、今日もコーヒー片手に1日をはじめよう。誰かの物語は脇に置いといて、今日の主役が主役であるために。
物語は自分のなかにしかないのだから。
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今回のお話しはおしまいです。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
コケでした〜。
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