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統合失調症急性期の不思議な体験談



背景

最初の急性期は、徹夜で何日も宇宙について考え続けていたときに始まりました。宇宙の広がりや時間、存在の意味について深く掘り下げていく中で、思考がどんどん加速していったのを覚えています。その後、頭の中でイメージが次々と湧き上がり、まるで止まることを知らない洪水のようでした。この状態に入ると、現実をどう捉えればいいのかが不安定になり、目に見えるものや聞こえるものさえ、普段とはまったく違った感覚で感じるようになりました。


不思議な体験

急性期に入ると、現実の捉え方が普段とは全く異なるものになりました。それはまるで、現実と非現実の境界が曖昧になり、頭の中で広がるイメージや妄想が現実に浸食していくような感覚でした。以下は、そのときに私が体験した不思議な出来事の一部です。

体験1: 神々の統合

頭の中で、無数の宇宙に存在する神々が次々と現れ、それを消滅させながら私たちの宇宙に統合していくイメージが止まりませんでした。この妄想に囚われている間、現実感はどんどん薄れていきました。

体験2: 時空を超える旅

未来の軌道エレベーターで待っている協力者の元へ行くためには、時空を超えなければならないと感じました。その思いに駆られて、現実の時間や空間が歪んでいくような感覚を味わいました。

体験3: 不気味な散歩

ある地下のカフェテリアで昼食をとっていると、券売機を無視して多くの客が奥へ入っていく光景を目撃しました。これは何か大きな出来事の前触れだと考え、その場を離れました。その後、散歩中に出会ったフードを被った不気味な男の存在に、現実と非現実の境目が揺らぐ感覚を再び覚えました。

体験4: テレビの異常

テレビの内容に不自然な箇所を次々と発見しました。それが4つの番組に及び、現実世界が何かに干渉されているような気がしてなりませんでした。

体験5: 記憶の喪失

警察に保護されて病院に運ばれるまでの記憶が全くありません。この空白は今も私にとって謎のままです。

体験6: 妄想の加速

保護室内では、妄想が止まるどころかさらに加速していきました。その内容はあまりにも支離滅裂で、今でも具体的に思い出すのが難しいほどです。

体験7: 扉の両脇の両親

一時、ベッドに拘束されていた際、両親が扉の両脇から顔を覗かせていた記憶があります。しかし、それが本当だったのか確信が持てません。

体験8: 時間の流れの異常

車の中で待機していたとき、周囲の時間の流れが異常に早く感じられました。その恐怖から車を降りることができませんでしたが、これが実際に起こった出来事だったのかどうかは不明です。

体験9: 運命の出会い

あるSF小説の末尾に自分で書き込んだ内容を誰かに託そうと思い、散歩の途中でその本を持ち出しました。そして、境界に立っていた見知らぬ人を見て運命を感じ、その人の足元に本を置いて去りました。


体験をどう捉えたか

急性期の中で感じたことを振り返ると、支離滅裂な妄想に囚われていた時の感情は、正直あまり覚えていません。ただ、明確に覚えているのは、宇宙が崩壊するかもしれないという強烈な不安でした。この恐れは非常にリアルで、何とかそれを防ぐために自分が行動しなければならない、という強い使命感を伴っていました。

その行動の過程で起こる不思議な体験や出来事は、私にとって一種の「意味」を持つものでした。それは、私の行動に対する何らかの抵抗であったり、あるいは支援であると感じられました。例えば、未来の協力者の元にたどり着こうとする妄想では、それを実現するために時空を超える必要があるという感覚が強まりましたし、不気味な人物や異常な現象は、自分の使命に立ちはだかる障害として受け取っていました。

当時の私にとって、これらの体験は単なる幻想ではなく、すべてが宇宙規模の危機や自分に課された大きな使命と結びついていました。このような感覚は、現実の感覚とは全く異なるものでしたが、それが急性期の特徴の一部だったのだと今では思います。

メッセージ性

私がこの体験を共有する理由は、統合失調症の急性期にある人がどのような感覚を経験し、何を抱えているのかを伝えたいからです。この体験を語ることで、以下のメッセージを届けたいと思っています。

1. 理解と共感のきっかけに

統合失調症は、外からは見えにくい病気ですが、当事者にとっては非常にリアルな世界が広がっています。たとえその世界が現実と大きく異なっていても、それはその人にとって確かな「現実」です。そのため、「おかしい」「理解できない」と切り捨てるのではなく、まずはその人が感じている恐怖や混乱を受け止めることが大切だと考えています。

2. 偏見をなくすために

精神疾患は今でも多くの偏見にさらされています。しかし、統合失調症は誰にでも起こり得る病気であり、特別なものではありません。今回のような急性期の体験を知ることで、この病気に対する正しい理解と、当事者への接し方を学ぶ一歩になればと思っています。

3. 苦しい体験も成長につながる

急性期は私にとって恐ろしく混乱した時期でしたが、今振り返ると、その中で「自分」という存在や「現実」とは何かについて深く考えるきっかけにもなりました。このような体験が、病気の一部としてだけでなく、人生の一つのエピソードとして受け入れられる日が来ることを信じています。そして、それが回復の大きなステップになると考えています。

4. 孤独な人へのエール

急性期の中にいるとき、私はとても孤独を感じていました。周囲の人にその感覚を理解してもらうのは難しく、時に自分が一人ぼっちだと思ってしまうこともありました。だからこそ、この体験談を通じて、同じような状況にいる人に「あなたは一人ではない」と伝えたいのです。そして、周囲の人にも、少しでも手を差し伸べるきっかけになればと願っています。

結びとして

統合失調症の急性期の体験は、確かに過酷で、理解しがたいものでした。しかし、こうして言葉にすることで、それが他の誰かの役に立つのではないかと思っています。この病気と向き合う人、またその周囲の人々にとって、この文章が小さな助けになれば幸いです。

また、この不思議な経験を説明するために他記事の宇宙観、構想を考えました。まだ不完全な説明ですがアップデートしていければと思います。

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