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アスペルガー(自閉スペクトラム症)とAPD(聴覚情報処理障害)だったことで出来なかったこと、乗り越えたこと

自分がアスペルガー(自閉スペクトラム症)に加えAPD(聴覚情報処理障害)だったことに気づいたのが還暦を過ぎてからね。
私が聞き取りにくいことがあると打ち明けた後で、友達が教えてくれたおかげなの。自分では分からなかったわ。

思い返すと、この二つが原因で出来なかったことはたくさんある。
ざっくり振り返ってみるわね。

※アスペルガーは現在は「自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム・ASD)」の一種に分類されるそうです。私は長らくアスペルガーという言葉を使っていたので、ここではアスペルガー(自閉スペクトラム症の一種)という表記にしておきます。


とっさの指示が聞き取れない

とっさの指示が聞き取れないのはAPDならではよね。

相手に「△ーーーーーー!」と言われる

私:「え?」と硬直、とっさに聞き返すこともできない
  頭の中で「△ーーーーーー!」?って言われたのかな

私:「△ーーーーーー!」は「△ーーーーーー!」のことだと理解する

相手はその頃には「もうええわ!」となっている。

指示の深い意味までが理解できない

また相手の指示の本意までが理解できないことも多々あった。
これはAPDより、アスペルガーの方かな。

相手:「これこれをこうやっといて!」

私:「はい!」とその指示を1から10まで丁寧にやる
周り:その指示を要所だけ掴んでサクサクやる

その頃には、「ああそういうことか」と理解できるが、なぜすぐ理解できなかったのかと恥ずかしくなる。
自分は細かく指示をされないと、相手の言いたいことが分からない。
人より頭が悪いんだと凹む。

とっさに返せなくて良かったこと

とっさに返せないおかげで良かったこともあるわ。
それは「大喧嘩にならないこと」ね。

身近に思い通りにならないとすぐキレる人がいたの。
相手が怒り心頭で「×△⚫︎◾️!!」と罵っても、何言われているか分からないんだもの。呆気に取られている間に私を置いて立ち去ったわよ。

その後、徐々に言葉が頭に入ってきて状況が飲み込めた時には、こちらも怒り心頭なのよ。
でも時すでに遅し!相手は目の前にいない。
この怒りの持って行き場もないの。

こちらは傷ついて食事も喉を通らなくなり、回復するまでには時間がかかったけれど・・・

咄嗟に言い返せない自分が情けないけれど・・・
咄嗟に言い返していたら凄まじい喧嘩になっていたはず。
だから咄嗟に言い返せないおかげで大喧嘩にならずに済んだと言えるのよ。

相手はその場で罵倒を浴びせたらそれで終わりなんだもの。
あの汚い喧嘩の相手になっていたらと思うとゾッとするわ。

まあこれはAPD(聴覚情報処理障害)で良かったのかもって話ね。
ここからはアスペルガー(自閉スペクトラム症)特有のあるあるよ。

人に裏表があることが理解できない

もう長い間、人の裏表が理解できなかった。(ホントおバカだわ)

これも身近に人の言葉や行動の裏の裏まで読む人がいるのね。
どうしてそこまで深読みできるんだろう?と謎だったわ。
その人は普段から人の裏表や本音、裏の理由まで考えるのが習慣だから、言葉通りには絶対に受け取らないの。

その人自身、自分の損得が行動基準になっているから、相手の損得もめっちゃ気にするのよ。相手が得すると悔しいみたい。
ある意味人間観察の達人でもあるし、コミュニケーションスキルもかなり上位だと思う。

長い間、人の裏表に気付かないままで生きてきた

それに引き換え私ときたら!
割と最近まで性善説で生きてきたなんて、幼稚にも程がある。
でも本当にそうなのよ。
人の言葉は言葉通りにしか受け取れなくて、本音が違うことまで想像できないのね。

これも人間観察経験が明らかに足りていないから
というか考えたらおマヌケだわ・・・

嫌味が分からず相手が根負け

これもおマヌケな話ね。
私に対する嫌味が通じてなくて、「◯◯さんって堪えないもんな・・・」と相手の方が根負けしたことがあったわ。

言葉通りに受け取って「はい!」といつも良い返事を返していただけよ。
嫌味を言われて堪えないというより、嫌味と分かっていなかっただけなの。

駆け引きや損得勘定が超苦手

私自身は言葉通りに伝えることしか知らないから、駆け引きなどといった高度なコミュニケーションスキルは皆無だったのね。

いまだに相手の本音や言葉の裏の裏まで読めないわ。
考えても考えても分からないの。
(アスペルガー特有なのかも)

自分にしか興味がなかったからよね。
(相手の立場を考えない、自己中心的な思考癖だわ)
相手にも本音があり、損得勘定もあるというのが、理解できなかった。
損得って駆け引きじゃない、それは高度なコミュニケーションスキルよね。

だから相手の本音を知った時には、傷ついたり、ショックを受けることもあったわ。

でも「いい歳した大人なんだからそれくらい読めよ!」って話よね。
ショックを受けるなんて身勝手なこと言わないで!
きれいごとだけで皆んな生きているわけないじゃない!
多くの人は自分の得を考えて生きているんだから。

それが理解できたのは最近なの。

怖い顔(無表情)がデフォルトだった

あと、割と長い間、無表情な怖い顔がデフォルトだったわ。
ある時職場で「顔怖いよ!」って言われたのね。

その時は仕事がいっぱいいっぱいで、疲れ切っていたからそれがモロに顔に出ていたみたい。それから気をつけるようにはしたわ。

その件で、私はデフォルトが無表情の怖い顔なんだということに気付いたの。(40代でようやく気付くのもどうかと思うけど)

そりゃ子どもの時からだから親も嫌だっただろう。
愛想を振り撒く兄弟と、愛想もクソもない私
可愛がられないのは私のせいだったのね・・・

話しかけると怒っているように思われることもあった。
全て自分のデフォルト顔が無表情の怖い顔だったからだ。
声色も低くて可愛くないし。

可愛がられないのは可愛くないからだったと知る

幼い時から、人のご機嫌をとるという考えがなく、愛想を振り撒くとか、媚びるとか皆無だったわ。
顔も無表情、声も低い、返事はトロいし反応は鈍い
ぼーっとして何を考えているのか分からない・・・

いつも兄弟と比較されて居場所がなかった。
でもそれは当然と言えば当然よね。
原因は私にあった。
(ただ私が親なら兄弟間で比較することは絶対しない)

いつも愛想の良い笑顔でいられないけど努力はしたい

怒っているように感じさせるのはやはり良くないわよね。
それから笑顔を作るよう心がけたわ。
営業スマイルは出来るようになってるはず。

怖い顔は変わらないけど、今や歳をとって目尻も下がり、眼光も無いから怖さはマシになっていると思うわ。

まとめ

自分がアスペルガー(自閉スペクトラム症)に加えAPD(聴覚情報処理障害)で出来なかったこと、苦手だったこと、乗り越えたことのまとめね。
やはり、人に対するコミュニケーションスキルが抜け落ちていたわね。

動物に対するコミュニケーションは全然大丈夫だったのよ。
これも動物には裏表がないからよね。

人は成長すればするほど、裏表を使い分けたり、相手に合わせたりする高度なコミュニケーションスキルを身に付けていく。
当然のことなのに、かなり長い間それが理解できなかったのね。
だから得体が知れずに、人が怖かったのかも知れない。

コミュニケーションスキルが足りないのを知ってからは努力しているわ。
これまでの出来事も自分に原因があったと理解できるようになったし、そう思えるようになったことも成長ではないかしら。

「コミュニケーションスキルが足りないのを努力するようになった」
「問題の原因が自分にあったと認められるようになった」
「言葉で伝えることが苦手なのを努力するようになった」

乗り越えたとまでは言えないけど、少しずつ成長しているとは思うの。


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